57 / 57
第四章 おおきな一歩
14
しおりを挟む
「あ、ちょっと待って、俺学校で使うもの買わなきゃだったからちょっと行ってきていい? また連絡するね~」
「あ、おい!」
ゲームコーナーの前についた時、紫音くんはそう言ってヒラヒラと手を振っていなくなってしまった。
紫音くんが去った方向を蒼太くんと呆然と眺める。
さっきまで全然そんな素振りなかったのに……!
わたし一人で蒼太くんの役に立つんだろうか。
ちらりと蒼太くんを盗み見ると、蒼太くんもこっちを見ていた。
「……じゃあ、見るか。パソコン向けゲームもいいんだけど、もっと一般向けのゲームカードもやってみようって話になってて」
「う、うん。わたしはパソコンではゲームしないから、ゲームカードの方がいいな」
「なるほど。じゃあこのコーナーで、ひなが気になるやつがあったら二つくらい教えて」
「わかった……!」
それならわたしでもなんとかなりそう。
わたしは気合いを入れて、ゲームが置いてある棚をじっくり眺める。
とはいえ、めぼしいゲームは蒼太くんはほとんどやっているような気もするなぁ。
「あ、見て、蒼太くん。この前のゾンビのやつ、新しいのが夏に出るみたい!」
「うえ……ゾンビは本当に無理」
「ふふ、でもみんな楽しんでたよ。アオくんの応援いっぱいしてたもん」
この前のアオくんのゾンビゲーム挑戦回は、未だに再生数も伸びている。
他のゲームでは淡々と解説をしながら進めるアオくんの初めての苦手分野だと知って、逆に話題になっているらしい。
「蒼太くんって、こういう音ゲーはやったりするの?」
「太鼓はないかも。音ゲーだったら紫音がとんでもなく上手いからな」
「意外だね……?」
ひとつひとつのゲームについて蒼太くんと話しながら選んでゆく。
朝の緊張も少しほぐれて、わたしもスラスラと話せるようになってきた。
「――めぼしいのはこれくらいかな」
「うん、そうだね」
ざっとお店を見て回って、今までやっていなくて楽しそうなものを二つくらい見繕うことが出来た。
ほとんど蒼太くんの話を聞きながらだったので実際に役に立てたかはわからないけど……でも、楽しかった。
「……兄ちゃん遅いな。ひなは他に見たいところあったりする?」
「う、ううん、わたしは特に……」
「さっき来る時、あの店をじっと見てたよな? 兄ちゃんがいないからまだ買えないし、戻ってくるまで俺たちも自由にしよう。ほら行こう」
「えっ、あ、うん……!」
入口からこのゲームコーナーに来るまでの間に、たしかにわたし好みの雑貨屋さんがあって、わたしはついつい目を奪われていた。
ピンクとラベンダー色を基調とした、フワフワのぬいぐるみやアクセサリーがたくさんのファンシーなお店だ。
「……えっと」
お店の前まで来たけど、明らかに蒼太くんの雰囲気ではない。それにわたしも。
不安になってやっぱりやめようかと思ったけど、先にお店に入っていったのは蒼太くんだった。
「あれ、入んないの? ひなはこういうの、昔から好きじゃん」
かわいいものに囲まれた蒼太くんが、何事もないようにそう言ってくれる。
昔っていつのことだろう。
保育園のころかな、一年生のころかな。
当たり前のようにわたしの好きな物を知っていてくれて、否定をしないでくれる。
そのことに胸がいっぱいになる。
「ほらこのクラゲみたいなやつ。ひなが昔カバンにぶら下げてたのに似てる」
「ほんとだ、かわいい……!」
蒼太くんが手に取ったクラゲのキーホルダーは、確かにうんと小さい頃にお気に入りだった記憶がある。
大切にしていたのに、どこかでチェーンがちぎれてしまって無くしたんだった。
あの時は大泣きしたなあ。
懐かしい思い出を、蒼太くんもちゃんと覚えていてくれる。
それがたまらなく嬉しくなって、わたしはそのキーホルダーを大切に握りしめる。
「ひな、ちょっとそれ貸して」
「え? うん」
言われるがままにクラゲのキーホルダーを手渡すと、蒼太くんはさっと店の奥の方へと消えていってしまった。
そして。
「はい、これ」
ピンク色の包み紙に包まれたものを蒼太くんに渡される。
流石のわたしでも、これはさっきのキーホルダーだって分かる。
「えっ、蒼太くん、これ……」
「今日付き合ってくれたお礼。受け取ってくれないなら、明日から俺のランドセルにつけることになるけど」
「ふふ、なにそれ。見てみたいけど……えっと、ありがとう」
わたしはその包み紙を両手でしっかりと持って、蒼太くんに笑顔を向けた。
ちょっとぶっきらぼうだけど、優しい蒼太くん。
わたしも蒼太くんも、変わったり変わらないところもあったりしながら、時を重ねていくんだなあ。
他でもない蒼太くんだから、きっとこんな気持ちになるんだろうな。
嬉しくて楽しくて、ドキドキするような大切な気持ちが、確かにわたしの中にある。
そしてこの気持ちが、蒼太くんの中にもあったらと欲張りなことも思う。
「……あれ?」
ふと遠くを見た時、そこに見覚えのある赤っぽい服が見えた気がした。
ほんの一瞬だったけど、あのガタイの良さは、なかなか見間違えないような……
「どうかした?」
蒼太くんが首を傾げて不思議そうにしている。
「ううん、さっきあっちにカネちさんがいた気がしたんだけど……そんなわけないよね、まさか」
へへ、と笑いながらいうと、蒼太くんはその目を鋭く細めた。
「ちょっと待ってて。兄ちゃんの動きも変だし、見てくる。どっち」
「あっちの服屋さんのとこ」
「わかった」
いうが早いか、蒼太くんはさっき怪しい人がいた付近にものすごい速度で走っていった。
そして、それから数秒もしないうちに通路に現れたのは本当にカネちさんだ。
蒼太くんに後ろから睨まれている。
「……どっかに千明たちもいるだろ」
「なんでわかるんだよお」
しおしおと萎れているカネちさんはあっさりと暴露した。どうやらみんな来ているらしい。
「ったく、おかしいと思ったんだ。カネち、さっさと兄ちゃん呼んで」
蒼太くんがそういえばカネちさんはポコポコとスマホをいじって、ほとんど間を開けずに紫音くんもひょっこり戻ってきた。
ごめんごめん、と言いながら、全く悪びれた顔はしていない。
「千明たちはどこにいるの?」
「えーっと、なんか催事場で世界のカメ展をやってるらしくて、深緑くんと一緒にそこにいるみたい」
「はあ、本当にいるのか……」
紫音くんの回答に蒼太くんはため息をつきながら肩を落とす。
でもなんだか、いつもの集まりみたいで楽しい。
「せっかくだし、みんなでハンバーガーでも食って帰ろうぜ!」
「カネちの奢りならいいよ」
「まかせろ! なんたってリーダーだからな! コソコソしてたら腹へった!」
勢いよくフードコートを目指すカネ治さんに、紫音くんも「やったー奢りだ」とついていく。
きっと千明くんたちはカメ展から直接合流することになるだろう。
「結局こうなるのか……」
蒼太くんはどこか遠い目をしている。
わたしは勇気を出して、そんな蒼太くんの手を取った。
「蒼太くん、行こう! 奢りだって」
急なことに驚いて、蒼太くんは目を丸くしている。
わたしだって強引に繋いだ手が熱いし、顔からは火が出るようだ。
緊張して声が震えてしまった気がする。
でももう、わたしは一歩踏み出した。
──何かが変わる気がする、大きな一歩を。
おわり
*******
お読みいただきありがとうございました!
途中から改行もせず(力尽きた)読みにくかったかと思いますが、最後までありがとうございます!!
小学生って…かわいいですね…ჱ̒^o̴̶̷̤ ·̫ o̴̶̷̤^)
また異世界ファンタジーでもお会いできますように!
「あ、おい!」
ゲームコーナーの前についた時、紫音くんはそう言ってヒラヒラと手を振っていなくなってしまった。
紫音くんが去った方向を蒼太くんと呆然と眺める。
さっきまで全然そんな素振りなかったのに……!
わたし一人で蒼太くんの役に立つんだろうか。
ちらりと蒼太くんを盗み見ると、蒼太くんもこっちを見ていた。
「……じゃあ、見るか。パソコン向けゲームもいいんだけど、もっと一般向けのゲームカードもやってみようって話になってて」
「う、うん。わたしはパソコンではゲームしないから、ゲームカードの方がいいな」
「なるほど。じゃあこのコーナーで、ひなが気になるやつがあったら二つくらい教えて」
「わかった……!」
それならわたしでもなんとかなりそう。
わたしは気合いを入れて、ゲームが置いてある棚をじっくり眺める。
とはいえ、めぼしいゲームは蒼太くんはほとんどやっているような気もするなぁ。
「あ、見て、蒼太くん。この前のゾンビのやつ、新しいのが夏に出るみたい!」
「うえ……ゾンビは本当に無理」
「ふふ、でもみんな楽しんでたよ。アオくんの応援いっぱいしてたもん」
この前のアオくんのゾンビゲーム挑戦回は、未だに再生数も伸びている。
他のゲームでは淡々と解説をしながら進めるアオくんの初めての苦手分野だと知って、逆に話題になっているらしい。
「蒼太くんって、こういう音ゲーはやったりするの?」
「太鼓はないかも。音ゲーだったら紫音がとんでもなく上手いからな」
「意外だね……?」
ひとつひとつのゲームについて蒼太くんと話しながら選んでゆく。
朝の緊張も少しほぐれて、わたしもスラスラと話せるようになってきた。
「――めぼしいのはこれくらいかな」
「うん、そうだね」
ざっとお店を見て回って、今までやっていなくて楽しそうなものを二つくらい見繕うことが出来た。
ほとんど蒼太くんの話を聞きながらだったので実際に役に立てたかはわからないけど……でも、楽しかった。
「……兄ちゃん遅いな。ひなは他に見たいところあったりする?」
「う、ううん、わたしは特に……」
「さっき来る時、あの店をじっと見てたよな? 兄ちゃんがいないからまだ買えないし、戻ってくるまで俺たちも自由にしよう。ほら行こう」
「えっ、あ、うん……!」
入口からこのゲームコーナーに来るまでの間に、たしかにわたし好みの雑貨屋さんがあって、わたしはついつい目を奪われていた。
ピンクとラベンダー色を基調とした、フワフワのぬいぐるみやアクセサリーがたくさんのファンシーなお店だ。
「……えっと」
お店の前まで来たけど、明らかに蒼太くんの雰囲気ではない。それにわたしも。
不安になってやっぱりやめようかと思ったけど、先にお店に入っていったのは蒼太くんだった。
「あれ、入んないの? ひなはこういうの、昔から好きじゃん」
かわいいものに囲まれた蒼太くんが、何事もないようにそう言ってくれる。
昔っていつのことだろう。
保育園のころかな、一年生のころかな。
当たり前のようにわたしの好きな物を知っていてくれて、否定をしないでくれる。
そのことに胸がいっぱいになる。
「ほらこのクラゲみたいなやつ。ひなが昔カバンにぶら下げてたのに似てる」
「ほんとだ、かわいい……!」
蒼太くんが手に取ったクラゲのキーホルダーは、確かにうんと小さい頃にお気に入りだった記憶がある。
大切にしていたのに、どこかでチェーンがちぎれてしまって無くしたんだった。
あの時は大泣きしたなあ。
懐かしい思い出を、蒼太くんもちゃんと覚えていてくれる。
それがたまらなく嬉しくなって、わたしはそのキーホルダーを大切に握りしめる。
「ひな、ちょっとそれ貸して」
「え? うん」
言われるがままにクラゲのキーホルダーを手渡すと、蒼太くんはさっと店の奥の方へと消えていってしまった。
そして。
「はい、これ」
ピンク色の包み紙に包まれたものを蒼太くんに渡される。
流石のわたしでも、これはさっきのキーホルダーだって分かる。
「えっ、蒼太くん、これ……」
「今日付き合ってくれたお礼。受け取ってくれないなら、明日から俺のランドセルにつけることになるけど」
「ふふ、なにそれ。見てみたいけど……えっと、ありがとう」
わたしはその包み紙を両手でしっかりと持って、蒼太くんに笑顔を向けた。
ちょっとぶっきらぼうだけど、優しい蒼太くん。
わたしも蒼太くんも、変わったり変わらないところもあったりしながら、時を重ねていくんだなあ。
他でもない蒼太くんだから、きっとこんな気持ちになるんだろうな。
嬉しくて楽しくて、ドキドキするような大切な気持ちが、確かにわたしの中にある。
そしてこの気持ちが、蒼太くんの中にもあったらと欲張りなことも思う。
「……あれ?」
ふと遠くを見た時、そこに見覚えのある赤っぽい服が見えた気がした。
ほんの一瞬だったけど、あのガタイの良さは、なかなか見間違えないような……
「どうかした?」
蒼太くんが首を傾げて不思議そうにしている。
「ううん、さっきあっちにカネちさんがいた気がしたんだけど……そんなわけないよね、まさか」
へへ、と笑いながらいうと、蒼太くんはその目を鋭く細めた。
「ちょっと待ってて。兄ちゃんの動きも変だし、見てくる。どっち」
「あっちの服屋さんのとこ」
「わかった」
いうが早いか、蒼太くんはさっき怪しい人がいた付近にものすごい速度で走っていった。
そして、それから数秒もしないうちに通路に現れたのは本当にカネちさんだ。
蒼太くんに後ろから睨まれている。
「……どっかに千明たちもいるだろ」
「なんでわかるんだよお」
しおしおと萎れているカネちさんはあっさりと暴露した。どうやらみんな来ているらしい。
「ったく、おかしいと思ったんだ。カネち、さっさと兄ちゃん呼んで」
蒼太くんがそういえばカネちさんはポコポコとスマホをいじって、ほとんど間を開けずに紫音くんもひょっこり戻ってきた。
ごめんごめん、と言いながら、全く悪びれた顔はしていない。
「千明たちはどこにいるの?」
「えーっと、なんか催事場で世界のカメ展をやってるらしくて、深緑くんと一緒にそこにいるみたい」
「はあ、本当にいるのか……」
紫音くんの回答に蒼太くんはため息をつきながら肩を落とす。
でもなんだか、いつもの集まりみたいで楽しい。
「せっかくだし、みんなでハンバーガーでも食って帰ろうぜ!」
「カネちの奢りならいいよ」
「まかせろ! なんたってリーダーだからな! コソコソしてたら腹へった!」
勢いよくフードコートを目指すカネ治さんに、紫音くんも「やったー奢りだ」とついていく。
きっと千明くんたちはカメ展から直接合流することになるだろう。
「結局こうなるのか……」
蒼太くんはどこか遠い目をしている。
わたしは勇気を出して、そんな蒼太くんの手を取った。
「蒼太くん、行こう! 奢りだって」
急なことに驚いて、蒼太くんは目を丸くしている。
わたしだって強引に繋いだ手が熱いし、顔からは火が出るようだ。
緊張して声が震えてしまった気がする。
でももう、わたしは一歩踏み出した。
──何かが変わる気がする、大きな一歩を。
おわり
*******
お読みいただきありがとうございました!
途中から改行もせず(力尽きた)読みにくかったかと思いますが、最後までありがとうございます!!
小学生って…かわいいですね…ჱ̒^o̴̶̷̤ ·̫ o̴̶̷̤^)
また異世界ファンタジーでもお会いできますように!
31
お気に入りに追加
82
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
【完結】またたく星空の下
mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】
※こちらはweb版(改稿前)です※
※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※
◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇
主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。
クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。
そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。
シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。

妖精の風の吹くまま~家を追われた元伯爵令嬢は行き倒れたわけあり青年貴族を拾いました~
狭山ひびき@バカふり200万部突破
児童書・童話
妖精女王の逆鱗に触れた人間が妖精を見ることができなくなって久しい。
そんな中、妖精が見える「妖精に愛されし」少女エマは、仲良しの妖精アーサーとポリーとともに友人を探す旅の途中、行き倒れの青年貴族ユーインを拾う。彼は病に倒れた友人を助けるために、万能薬(パナセア)を探して旅をしているらしい。「友人のために」というユーインのことが放っておけなくなったエマは、「おいエマ、やめとけって!」というアーサーの制止を振り切り、ユーインの薬探しを手伝うことにする。昔から妖精が見えることを人から気味悪がられるエマは、ユーインにはそのことを告げなかったが、伝説の万能薬に代わる特別な妖精の秘薬があるのだ。その薬なら、ユーインの友人の病気も治せるかもしれない。エマは薬の手掛かりを持っている妖精女王に会いに行くことに決める。穏やかで優しく、そしてちょっと抜けているユーインに、次第に心惹かれていくエマ。けれども、妖精女王に会いに行った山で、ついにユーインにエマの妖精が見える体質のことを知られてしまう。
「……わたしは、妖精が見えるの」
気味悪がられることを覚悟で告げたエマに、ユーインは――
心に傷を抱える妖精が見える少女エマと、心優しくもちょっとした秘密を抱えた青年貴族ユーイン、それからにぎやかな妖精たちのラブコメディです。

モブの私が理想語ったら主役級な彼が翌日その通りにイメチェンしてきた話……する?
待鳥園子
児童書・童話
ある日。教室の中で、自分の理想の男の子について語った澪。
けど、その篤実に同じクラスの主役級男子鷹羽日向くんが、自分が希望した理想通りにイメチェンをして来た!
……え? どうして。私の話を聞いていた訳ではなくて、偶然だよね?
何もかも、私の勘違いだよね?
信じられないことに鷹羽くんが私に告白してきたんだけど、私たちはすんなり付き合う……なんてこともなく、なんだか良くわからないことになってきて?!
【第2回きずな児童書大賞】で奨励賞受賞出来ました♡ありがとうございます!
魔法が使えない女の子
咲間
児童書・童話
カナリア島に住む九歳の女の子エマは、自分だけ魔法が使えないことを悩んでいた。
友だちのエドガーにからかわれてつい「明日魔法を見せる」と約束してしまったエマは、大魔法使いの祖母マリアのお使いで魔法が書かれた本を返しに行く。
貸本屋ティンカーベル書房の書庫で出会ったのは、エマそっくりの顔と同じエメラルドの瞳をもつ男の子、アレン。冷たい態度に反発するが、上から降ってきた本に飲み込まれてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる