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第1部 都会・同居編
9.2次会の手伝いをしてあげた!
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今日は朝の内に篠原さんから同窓会があるから帰りは10時以降と聞いていた。仕事が忙しかったので夕食が済むとベッドで休んでいると眠ってしまったみたい。携帯の音で目が覚めた。まだ8時半だった。篠原さんだ。
「これからマンションで2次会をすることになった。俺も含めて10人くらいだ。30分ぐらいで着くと思う。それで突然で申し訳ないが、以前言っていたように、給仕を手伝ってほしい」
「分かりました。それで服装はどうしますか?」
「そうだな、地味な方がいいから黒のスーツにエプロンというのはどうかな」
「分かりました。そうします。何か準備しておくことはありますか?」
「お酒は買い置きがある。途中のコンビニでつまみ、飲み物、ミネラルウオーターや氷を買っていくから、着いたらすぐにつまみを皿に盛りつけてほしい。それからグラスを人数分準備しておいてくれればいい。リビングダイニングの食器棚に入っている」
「分かりました」
すぐに着替えて、2次会の準備を始める。食器棚からグラスを10個出して洗っておいた。それから大きなお皿を3枚出してこれも洗っておいた。
もう来る頃かなと待っていると、玄関ドアが開いて、がやがやと大勢の人が入って来た。女性も3人いる。皆さん一様にリビングダイニングを歩き回っている。外を見ている人もいる。今の時間は夜景が美しい。
篠原さんから手渡された2個のレジ袋から品物を出して準備をする。
「ここが2次会の会場です。皆さん、遠慮しないで寛いでください。ここは11時でお開きにします。それまで2時間くらいありますので、カラオケでも歌ってください。カラオケには最新の曲も仕入れてあります」
「すごいところに住んでいるね。学生の時とは雲泥の差だな」
「親父のマンションだ。維持費は自分持ちなので、金がかかって困っている」
「ここに住めるならその位はいいじゃないの」
「彼女を紹介してくれないのか?」
「そうか、皆さん、手伝ってくれているのは俺の従妹で結衣といいます。ここに一緒に住んでいます。ただし、手出し無用でお願いします」
私を紹介してくれた。手出し無用か、もう少し言い方があると思う。小さくお辞儀して、準備を続ける。
「そういえば顔が似ているかな」
「まあ、そういうことにしておいてやろう」
誰かがそう言っているうちに、カラオケが始まった。それで皆の関心はカラオケに移った。
私はウイスキーの水割りを作って各人の席の前に置いて回る。3皿に盛ったつまみを座卓とダイニングテーブルに置いて回る。私の給仕を3人の女子が席で手伝ってくれた。
皆さんが交代で歌を歌っている。こうしてみると立派なパーティー会場になっている。篠原さんもこの様子を見て満足そうだ。始めは大勢の客さんでどうなるのかと思っていたけど、なんとかなった。ダイニングテーブルの隅に立っているとお客さんから話しかけられた。
「夜遅くお手伝い大変だね。いつも今頃は何しているの?」
手出し無用と言ってくれたのに、話しかけられた。少し酔っているみたい。酔っぱらいとはあまりお話はしたくない。何と答えていいものか?
「おい、おい、俺の従妹にちょっかいをかけるのはやめてくれよ。せっかく機嫌をとって手伝ってもらっているんだから」
「そう言う訳ではないんだけどね、話してみたくなっただけだ、そう、目くじらをたてるなよ」
よかった。席に戻って行った。篠原さんは結構私に気を遣ってくれているのが分かった。私にテーブルの席に座っているように目で合図した。それからゆっくりと私に近づいて来た。
「すまないな、夜遅く、突然に」
「契約どおりですから、大丈夫です」
「11時にはお開きにするから」
「その方がいいです」
「君も一曲歌ってみる?」
「遠慮しておきます」
「君も友達をつれてきてパーティーをしたらいい。事前に分かれば、俺は遅く帰るなり部屋に閉じ籠るなりするから大丈夫だ」
「そのうちお願いするかもしれません」
「遠慮はいらない。ここで歌うなら費用はかからない」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
丁度11時に篠原さんが声をかけて2次会はお開きになった。だらだらと続けないのが篠原さんの良いところだ。参加者全員が私にも挨拶して引き上げて行った。篠原さんは下まで皆さんを送りに行った。
すぐにリビングダイニングのガラス戸をすべて開けて室内に風を通して空気を入れ替える。夜風が気持ちいい。その間にテーブルの片付けを始める。
グラス10個とお皿が3枚だからすぐに片付いた。テーブルと座卓の上を雑巾がけしてお仕舞い。ガラス戸を閉め終えたところへ篠原さんが戻ってきた。
「もう片付けてくれたんだね、ありがとう」
「皆さん、楽しまれているようでよかったですね。誰でもここへ来ると驚くと思います」
「維持費が高いから有効に使わないとね」
「篠原さんは恵まれています。ご両親に感謝しないと」
「白石さんのご両親は健在なの?」
「母一人子一人ですが、母は元気にしています。今は離れて暮らしていますので、親不孝をしています」
「一度ここへ連れて来たら、そして泊ってもらうといい」
「ありがとうございます。でも母は仕事が忙しくて来られないと思います」
「ところで、お礼を支払っておきたいけど、3時間だから3千円でいいか?」
「そうですね、時間的には3時間にはなっていませんが、それでよろしければいただきます」
「ありがとう助かった。コンビニの買い物を含めても安上がりだった。次の機会も頼めるかな?」
「はい、喜んで。人の歌う歌を聞いているのも楽しいですね。選曲で人柄が分かります」
「もう遅いから、休もう、おやすみ」
「おやすみなさい」
なかなか素敵なパーティーだったと思う。せっかくこんなよいところに住んでいるのだから私も友達を招いてパーティーをしてみたい。
「これからマンションで2次会をすることになった。俺も含めて10人くらいだ。30分ぐらいで着くと思う。それで突然で申し訳ないが、以前言っていたように、給仕を手伝ってほしい」
「分かりました。それで服装はどうしますか?」
「そうだな、地味な方がいいから黒のスーツにエプロンというのはどうかな」
「分かりました。そうします。何か準備しておくことはありますか?」
「お酒は買い置きがある。途中のコンビニでつまみ、飲み物、ミネラルウオーターや氷を買っていくから、着いたらすぐにつまみを皿に盛りつけてほしい。それからグラスを人数分準備しておいてくれればいい。リビングダイニングの食器棚に入っている」
「分かりました」
すぐに着替えて、2次会の準備を始める。食器棚からグラスを10個出して洗っておいた。それから大きなお皿を3枚出してこれも洗っておいた。
もう来る頃かなと待っていると、玄関ドアが開いて、がやがやと大勢の人が入って来た。女性も3人いる。皆さん一様にリビングダイニングを歩き回っている。外を見ている人もいる。今の時間は夜景が美しい。
篠原さんから手渡された2個のレジ袋から品物を出して準備をする。
「ここが2次会の会場です。皆さん、遠慮しないで寛いでください。ここは11時でお開きにします。それまで2時間くらいありますので、カラオケでも歌ってください。カラオケには最新の曲も仕入れてあります」
「すごいところに住んでいるね。学生の時とは雲泥の差だな」
「親父のマンションだ。維持費は自分持ちなので、金がかかって困っている」
「ここに住めるならその位はいいじゃないの」
「彼女を紹介してくれないのか?」
「そうか、皆さん、手伝ってくれているのは俺の従妹で結衣といいます。ここに一緒に住んでいます。ただし、手出し無用でお願いします」
私を紹介してくれた。手出し無用か、もう少し言い方があると思う。小さくお辞儀して、準備を続ける。
「そういえば顔が似ているかな」
「まあ、そういうことにしておいてやろう」
誰かがそう言っているうちに、カラオケが始まった。それで皆の関心はカラオケに移った。
私はウイスキーの水割りを作って各人の席の前に置いて回る。3皿に盛ったつまみを座卓とダイニングテーブルに置いて回る。私の給仕を3人の女子が席で手伝ってくれた。
皆さんが交代で歌を歌っている。こうしてみると立派なパーティー会場になっている。篠原さんもこの様子を見て満足そうだ。始めは大勢の客さんでどうなるのかと思っていたけど、なんとかなった。ダイニングテーブルの隅に立っているとお客さんから話しかけられた。
「夜遅くお手伝い大変だね。いつも今頃は何しているの?」
手出し無用と言ってくれたのに、話しかけられた。少し酔っているみたい。酔っぱらいとはあまりお話はしたくない。何と答えていいものか?
「おい、おい、俺の従妹にちょっかいをかけるのはやめてくれよ。せっかく機嫌をとって手伝ってもらっているんだから」
「そう言う訳ではないんだけどね、話してみたくなっただけだ、そう、目くじらをたてるなよ」
よかった。席に戻って行った。篠原さんは結構私に気を遣ってくれているのが分かった。私にテーブルの席に座っているように目で合図した。それからゆっくりと私に近づいて来た。
「すまないな、夜遅く、突然に」
「契約どおりですから、大丈夫です」
「11時にはお開きにするから」
「その方がいいです」
「君も一曲歌ってみる?」
「遠慮しておきます」
「君も友達をつれてきてパーティーをしたらいい。事前に分かれば、俺は遅く帰るなり部屋に閉じ籠るなりするから大丈夫だ」
「そのうちお願いするかもしれません」
「遠慮はいらない。ここで歌うなら費用はかからない」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
丁度11時に篠原さんが声をかけて2次会はお開きになった。だらだらと続けないのが篠原さんの良いところだ。参加者全員が私にも挨拶して引き上げて行った。篠原さんは下まで皆さんを送りに行った。
すぐにリビングダイニングのガラス戸をすべて開けて室内に風を通して空気を入れ替える。夜風が気持ちいい。その間にテーブルの片付けを始める。
グラス10個とお皿が3枚だからすぐに片付いた。テーブルと座卓の上を雑巾がけしてお仕舞い。ガラス戸を閉め終えたところへ篠原さんが戻ってきた。
「もう片付けてくれたんだね、ありがとう」
「皆さん、楽しまれているようでよかったですね。誰でもここへ来ると驚くと思います」
「維持費が高いから有効に使わないとね」
「篠原さんは恵まれています。ご両親に感謝しないと」
「白石さんのご両親は健在なの?」
「母一人子一人ですが、母は元気にしています。今は離れて暮らしていますので、親不孝をしています」
「一度ここへ連れて来たら、そして泊ってもらうといい」
「ありがとうございます。でも母は仕事が忙しくて来られないと思います」
「ところで、お礼を支払っておきたいけど、3時間だから3千円でいいか?」
「そうですね、時間的には3時間にはなっていませんが、それでよろしければいただきます」
「ありがとう助かった。コンビニの買い物を含めても安上がりだった。次の機会も頼めるかな?」
「はい、喜んで。人の歌う歌を聞いているのも楽しいですね。選曲で人柄が分かります」
「もう遅いから、休もう、おやすみ」
「おやすみなさい」
なかなか素敵なパーティーだったと思う。せっかくこんなよいところに住んでいるのだから私も友達を招いてパーティーをしてみたい。
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