22 / 27
22.新庄君の恋の成就と相談!
しおりを挟む
月曜日に席に着くとすぐに新庄君が席に来て小声で話かけてきた。仕事を終えたら話を聞いてほしいと言うので、駅前の居酒屋で話を聞くことにした。
居酒屋には新庄君が先に着いて待っていた。
「話って」
「相談したことについて聞いてもらいたくて」
「聞こうじゃないか」
「あれから、磯村さんに言われたとおり、野坂先輩を誘って飲みに行きました。そこで、思い切って、好きだから付き合って下さいと話しました」
「それで」
「返事を待ってほしいと言われました。断られるかと思っていたのですが」
「それから」
「土曜日にもう一度会うことになって」
「どうした」
「付き合っても良いと言ってくれました。ただし、社外に限ると言って」
「そりゃそうだろう、大体、社内では付き合っていることは内密にしておいた方が良いに決まっている。俺たちもそうだから」
「俺たちって?」
「いや、どうでもいいだろう。それより、どうするんだ」
「付き合います。休日に」
「それで、どうしたらいいかと思って」
「それなら、毎週でもデートをするのがいいだろう。お互いにもっと知り合うために」
「どんなところがいいですか? 野坂さんは大人の女性ですから、僕には適当なところが思い当たりません。高級レストランとかはどうですか? 磯村さんと野坂さんは時々飲みに行っていたんでしょう。飲みに行くとかではだめなんですか?」
「あれはただ話をするためだ。友達付き合いだから。もし恋人だったら違うところへ行くよ」
「そうですか」
「野坂さんは大人の女性だからこそ、どちらかというと若い恋人同士が行くようなところへ誘ったらいい。例えばディズニーランドとか遊園地とか」
「僕はいままで若い女性と付き合ったことがないんです」
「そんなことないだろう。君はイケメンでカッコいいし、米山さんが惚れたぐらいだから」
「本当なんです。いままで女性と付き合いたいとは思いませんでした」
「君が好きな人と行きたいと思うところへ行けばいい。大人の女性だなんて気にするな。そして恋人同士がするように手を繋いで肩を抱いて、それからは自分が恋人にしたいことをすればいい。自分に素直になったらいい。自分の大切な人にどうすればいいか、どうしてあげればいいか、自分で考えろ。野坂さんにはそれが一番いいと思う」
「分かりました。自分に素直になってやってみます」
「でもよかったな。こんな相談なら歓迎だ、うまくいくことを願っているよ。でも自分のこととなると話は別で難しいけどね」
新庄君は何か吹っ切れたように帰っていった。これでうまくいってくれればいいのだが。
居酒屋には新庄君が先に着いて待っていた。
「話って」
「相談したことについて聞いてもらいたくて」
「聞こうじゃないか」
「あれから、磯村さんに言われたとおり、野坂先輩を誘って飲みに行きました。そこで、思い切って、好きだから付き合って下さいと話しました」
「それで」
「返事を待ってほしいと言われました。断られるかと思っていたのですが」
「それから」
「土曜日にもう一度会うことになって」
「どうした」
「付き合っても良いと言ってくれました。ただし、社外に限ると言って」
「そりゃそうだろう、大体、社内では付き合っていることは内密にしておいた方が良いに決まっている。俺たちもそうだから」
「俺たちって?」
「いや、どうでもいいだろう。それより、どうするんだ」
「付き合います。休日に」
「それで、どうしたらいいかと思って」
「それなら、毎週でもデートをするのがいいだろう。お互いにもっと知り合うために」
「どんなところがいいですか? 野坂さんは大人の女性ですから、僕には適当なところが思い当たりません。高級レストランとかはどうですか? 磯村さんと野坂さんは時々飲みに行っていたんでしょう。飲みに行くとかではだめなんですか?」
「あれはただ話をするためだ。友達付き合いだから。もし恋人だったら違うところへ行くよ」
「そうですか」
「野坂さんは大人の女性だからこそ、どちらかというと若い恋人同士が行くようなところへ誘ったらいい。例えばディズニーランドとか遊園地とか」
「僕はいままで若い女性と付き合ったことがないんです」
「そんなことないだろう。君はイケメンでカッコいいし、米山さんが惚れたぐらいだから」
「本当なんです。いままで女性と付き合いたいとは思いませんでした」
「君が好きな人と行きたいと思うところへ行けばいい。大人の女性だなんて気にするな。そして恋人同士がするように手を繋いで肩を抱いて、それからは自分が恋人にしたいことをすればいい。自分に素直になったらいい。自分の大切な人にどうすればいいか、どうしてあげればいいか、自分で考えろ。野坂さんにはそれが一番いいと思う」
「分かりました。自分に素直になってやってみます」
「でもよかったな。こんな相談なら歓迎だ、うまくいくことを願っているよ。でも自分のこととなると話は別で難しいけどね」
新庄君は何か吹っ切れたように帰っていった。これでうまくいってくれればいいのだが。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
同期に恋して
美希みなみ
恋愛
近藤 千夏 27歳 STI株式会社 国内営業部事務
高遠 涼真 27歳 STI株式会社 国内営業部
同期入社の2人。
千夏はもう何年も同期の涼真に片思いをしている。しかし今の仲の良い同期の関係を壊せずにいて。
平凡な千夏と、いつも女の子に囲まれている涼真。
千夏は同期の関係を壊せるの?
「甘い罠に溺れたら」の登場人物が少しだけでてきます。全くストーリには影響がないのでこちらのお話だけでも読んで頂けるとうれしいです。
極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
葉月 まい
恋愛
『極上の彼女と最愛の彼』第3弾
メンバーが結婚ラッシュの中、未だ独り身の吾郎
果たして彼にも幸せの女神は微笑むのか?
そして瞳子や大河、メンバー達のその後は?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
会社の後輩が諦めてくれません
碧井夢夏
恋愛
満員電車で助けた就活生が会社まで追いかけてきた。
彼女、赤堀結は恩返しをするために入社した鶴だと言った。
亀じゃなくて良かったな・・
と思ったのは、松味食品の営業部エース、茶谷吾郎。
結は吾郎が何度振っても諦めない。
むしろ、変に条件を出してくる。
誰に対しても失礼な男と、彼のことが大好きな彼女のラブコメディ。
クリスマスに咲くバラ
篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる