7 / 26
7.まるで契約結婚するみたいですね!
しおりを挟む
「まるで契約結婚するみたいですね」
「見合い結婚は契約結婚みたいなものだ。いろんな条件が折り合ってはじめて成立する。好き嫌いは条件のひとつに過ぎないんじゃないかな」
「好き嫌いは一番大事な条件だと思いますが」
「でも前提があってのことだろう。例えば収入とか学歴とか容姿とか性格とか、それが折り合って初めて好き嫌いの条件が入ってくる」
「それは普通のお付き合いから恋愛に入って結婚する場合でも言えることだと思います。いろんな条件をいつも当てはめてみて、お付き合いするか、結婚するか、決めているんじゃないですか?」
「一目ぼれもあるだろう。ほかの条件のことなんか考えないで一目で好きになる」
「でもその場合でも、すでに無意識で条件をクリヤーしているのではないですか? それに一目ぼれでも、お付き合いしている間にいろいろな条件に合わなければ別れてしまうと思います」
「恋愛結婚も見合い結婚も同じだといいたいの?」
「条件に合うか合わないかを判断する時期が好きになる前か後か違うだけではないかと思います」
「だから見合い結婚は契約結婚に近くていいんだと思う。あとから好きになればいいだけのことだから。終わり良ければすべて良し」
「確かにそうかもしれません」
「部屋割だけど、新しい住まいは2LDKにしたい。リビング・ダイニングは共有スペースとして、部屋はおそらく6~8畳と4畳半~6畳くらいの洋室になると思うけど」
「大きい部屋を主のあなたが使って下さい。私は寄生虫だから小さい部屋でかまいません」
「大きい部屋を使ってくれた方が良い。クローゼットも大きい。衣服がたくさん入る」
「小さい方でいいです」
「いや、大きい部屋を使ってほしい。僕の希望だ。君を大切にしたいし、広い部屋でゆっくりしてほしい」
「ご自分は狭くていいんですか」
「僕は狭い方が落ち着く。是非そうしてほしい」
「じゃあ、ご厚意を受けます」
「それから、自分のことを寄生虫と卑下することはやめてほしい。もしそう思っているのならペットといった方がよいかもしれないね。僕の大切な可愛いペットの子猫ちゃんだ。ペットがご主人になつくかどうかはご主人の愛情次第だからね」
「ペットですか?」
「心を癒してくれるペット。ペットを飼うのはお金と手数がかかるけど皆飼っているのは可愛くて癒されたいからだと思う」
「癒すなんて、そんな自信はありません」
「一緒に住んで暮らしてくれればそれだけでいい。ペットだってそうだろう。ペットはご主人を癒そうなんて考えていない。ただ、ご主人が好きで、かまってもらいたくて、ゴロニャンと鳴いて甘えているだけだと思う」
「気づかいはできると思いますが、ゴロニャンと鳴いて甘えることはできないと思います」
「ゴロニャンは例えだから笑顔でいい」
「笑顔ならなんとかなると思います」
「それで十分だ」
私のことをお金と手数がかかるペットだといった。ただ、悪気は全く感じられなかった。寄生虫と言ったから気を使って言い直してくれたのだと思う。
それを可愛いという誉め言葉ととるか、私を見下した侮辱の言葉ととるかは、私の気持ちの持ちようだ。まあ、ペットと思って可愛がって大切にしてほしい。その方が気楽だ。
「見合い結婚は契約結婚みたいなものだ。いろんな条件が折り合ってはじめて成立する。好き嫌いは条件のひとつに過ぎないんじゃないかな」
「好き嫌いは一番大事な条件だと思いますが」
「でも前提があってのことだろう。例えば収入とか学歴とか容姿とか性格とか、それが折り合って初めて好き嫌いの条件が入ってくる」
「それは普通のお付き合いから恋愛に入って結婚する場合でも言えることだと思います。いろんな条件をいつも当てはめてみて、お付き合いするか、結婚するか、決めているんじゃないですか?」
「一目ぼれもあるだろう。ほかの条件のことなんか考えないで一目で好きになる」
「でもその場合でも、すでに無意識で条件をクリヤーしているのではないですか? それに一目ぼれでも、お付き合いしている間にいろいろな条件に合わなければ別れてしまうと思います」
「恋愛結婚も見合い結婚も同じだといいたいの?」
「条件に合うか合わないかを判断する時期が好きになる前か後か違うだけではないかと思います」
「だから見合い結婚は契約結婚に近くていいんだと思う。あとから好きになればいいだけのことだから。終わり良ければすべて良し」
「確かにそうかもしれません」
「部屋割だけど、新しい住まいは2LDKにしたい。リビング・ダイニングは共有スペースとして、部屋はおそらく6~8畳と4畳半~6畳くらいの洋室になると思うけど」
「大きい部屋を主のあなたが使って下さい。私は寄生虫だから小さい部屋でかまいません」
「大きい部屋を使ってくれた方が良い。クローゼットも大きい。衣服がたくさん入る」
「小さい方でいいです」
「いや、大きい部屋を使ってほしい。僕の希望だ。君を大切にしたいし、広い部屋でゆっくりしてほしい」
「ご自分は狭くていいんですか」
「僕は狭い方が落ち着く。是非そうしてほしい」
「じゃあ、ご厚意を受けます」
「それから、自分のことを寄生虫と卑下することはやめてほしい。もしそう思っているのならペットといった方がよいかもしれないね。僕の大切な可愛いペットの子猫ちゃんだ。ペットがご主人になつくかどうかはご主人の愛情次第だからね」
「ペットですか?」
「心を癒してくれるペット。ペットを飼うのはお金と手数がかかるけど皆飼っているのは可愛くて癒されたいからだと思う」
「癒すなんて、そんな自信はありません」
「一緒に住んで暮らしてくれればそれだけでいい。ペットだってそうだろう。ペットはご主人を癒そうなんて考えていない。ただ、ご主人が好きで、かまってもらいたくて、ゴロニャンと鳴いて甘えているだけだと思う」
「気づかいはできると思いますが、ゴロニャンと鳴いて甘えることはできないと思います」
「ゴロニャンは例えだから笑顔でいい」
「笑顔ならなんとかなると思います」
「それで十分だ」
私のことをお金と手数がかかるペットだといった。ただ、悪気は全く感じられなかった。寄生虫と言ったから気を使って言い直してくれたのだと思う。
それを可愛いという誉め言葉ととるか、私を見下した侮辱の言葉ととるかは、私の気持ちの持ちようだ。まあ、ペットと思って可愛がって大切にしてほしい。その方が気楽だ。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
冬の雨に濡れてー家出JKと鬼畜サラリーマンの凄まじいラブストーリー
登夢
恋愛
欲望に任せて家出JKにやりたい放題のオッサンと言いなりになったJKは同居生活を始めるが、二人にあるのは明るい未来か? それとも悲惨な現実か? これはその4年8か月を綴った凄まじいラブストーリーです。
地味子と偽装同棲始めました―恋愛関係にはならないという契約で!
登夢
恋愛
都会で就職した老舗の御曹司が父親所有のマンションに引っ越しますが、維持費がかかり過ぎることから同居人を探しました。そして地味な契約女子社員を見つけて同居雇用契約をして偽装同棲を始めます。御曹司は地味子がとても性格の良い娘だと次第に分かってきましたが、合コンで出会った陰のある可愛い娘に一目ぼれをしてしまいます。これは老舗の御曹司が地味子と偽装同棲したら運命の赤い糸に絡め捕られてしまったお話です。
【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?
曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」
エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。
最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。
(王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様)
しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……?
小説家になろう様でも更新中
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
待ち遠しかった卒業パーティー
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢アンネットは、暴力を振るう父、母亡き後に父の後妻になった継母からの虐め、嘘をついてアンネットの婚約者である第四王子シューベルを誘惑した異母姉を卒業パーティーを利用して断罪する予定だった。
しかし、その前にアンネットはシューベルから婚約破棄を言い渡された。
それによってシューベルも一緒にパーティーで断罪されるというお話です。
もう彼女でいいじゃないですか
キムラましゅろう
恋愛
ある日わたしは婚約者に婚約解消を申し出た。
常にわたし以外の女を腕に絡ませている事に耐えられなくなったからだ。
幼い頃からわたしを溺愛する婚約者は婚約解消を絶対に認めないが、わたしの心は限界だった。
だからわたしは行動する。
わたしから婚約者を自由にするために。
わたしが自由を手にするために。
残酷な表現はありませんが、
性的なワードが幾つが出てきます。
苦手な方は回れ右をお願いします。
小説家になろうさんの方では
ifストーリーを投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる