41 / 49
第2部 再会・自立編
8.離婚が成立した!
しおりを挟む
月曜日にアパートに帰ると、9時ごろに携帯が鳴った。未希からだった。今日、離婚届を提出して受理されたとのことだった。これで離婚が成立した。未希と誰はばかることなく交際できるようになった。
未希のところへこれから行っても良いかと聞いたら来てほしいと言った。ドアを開けると未希が抱きついてくる。俺は未希を抱き締める。
「良かったね、これで未希は自由だ」
「これで私を抱いて今までのように可愛がってくれますね」
「そのことを考えていたんだ。俺は未希と一からやり直したいと思っている」
「どういうことですか? すぐに今からでもやり直しができます」
「未希には俺との関係をもう一度考えてもらいたいと思っている。俺は未希が俺の元を去ってからも未希のことをずっと考えていた。でも、こんなことになろうとは思ってもみなかった」
「私をどう思ってくれているのですか?」
「未希を俺のものにしたいと今も思っている。でも離婚して100日間は結婚できない。その間を冷却期間として、俺も二人の関係をもう一度考えてみたいと思っている」
「私はどうすればいいんですか?」
「未希の仕事は見つかったのか?」
「社員食堂を運営している会社に勤めることにしました。お陰様で、調理師免許を持っていると給料はソコソコですが、求人はいくらでもあるので就職先には事欠きません。社員食堂だと休日がおじさんと一緒になるのですれ違いが無くていいと思いました。彼とあんなことになったのはすれ違いも原因の一つだったと思っています」
「それは良かった。就職先も決まったので、未希はこれで完全に自立して自由になった。俺からの借りは俺の元を去った時にすべて返し終えていると思ってほしい。だからもう俺に義理立てする必要は全くない。これからは自立したひとりの大人の女性として自由な立場から、俺と付き合ってくれればいい。俺も保護者としてではなく、ただの一人の男として未希と付き合いたい。未希と俺は10歳以上も歳が離れている。そういうこともよく考えてほしい。それでお互いがやはり必要であることが分かれば一緒になればいい。その方が長い目で見れば二人のためになると思っている」
「おじさんがそう言うのならそうします」
「それで、ひとつ頼みがあるんだが、俺のことをもうおじさんと呼ばないでくれないか? 確かに未希と年も離れていて、もう35歳のおじさんだけど、山内さんとか名前で呼んでくれないか?」
「そうします。私は今までどおり未希でいいですけど」
「大人の女性に呼び捨てもなんだから、美崎さんではどうかな?」
「それは他人行儀すぎます」
「未希さんは?」
「それもいやだなあ」
「未希ちゃん?」
「自立した大人の女性が未希ちゃんではおかしいでしょう。やはり、いままでどおり、未希でお願いします」
「それでいいのなら、そうしよう」
「でも困ったことがあったら何でも言ってくれ。力になるから」
「とてもありがたいですが、そんなことをいうのは、まだ私を自立した女性と見ていないからだと思いますけど」
「ごめん、そうか? そのとおりだ、気をつける」
「そこが、おじさん,いえ、山内さんの良いところで、好きなところです。困ったことがあったら、相談にのって下さい。頼りにしています」
やれやれ俺の方が未希から自立していないのかもしれない。俺も少し冷静になってこれからの未希とのことを考えようと思う。
次の日、山本真一に未希が離婚届を提出したと伝えた。そして、彼にシフトを聞いた。
彼が不在という水曜日にホテルに問い合わせて出勤を確認してから、未希と一緒に彼のアパートへ行って、未希の荷物を引き上げてきた。
未希はスーツケースを、俺は大きな海外旅行用のスーツケースとリュックを持って行った。衣類、アルバム、料理の本、食器、身の回りの小物などを持ち帰った。
未希は彼に置手紙をして、その上に指輪を置いていた。何と書いたのか聞いたら、今までのお礼とお詫びと元気で暮らしてほしいと書いたと言っていた。これで彼も再出発が出来るだろう。
未希のところへこれから行っても良いかと聞いたら来てほしいと言った。ドアを開けると未希が抱きついてくる。俺は未希を抱き締める。
「良かったね、これで未希は自由だ」
「これで私を抱いて今までのように可愛がってくれますね」
「そのことを考えていたんだ。俺は未希と一からやり直したいと思っている」
「どういうことですか? すぐに今からでもやり直しができます」
「未希には俺との関係をもう一度考えてもらいたいと思っている。俺は未希が俺の元を去ってからも未希のことをずっと考えていた。でも、こんなことになろうとは思ってもみなかった」
「私をどう思ってくれているのですか?」
「未希を俺のものにしたいと今も思っている。でも離婚して100日間は結婚できない。その間を冷却期間として、俺も二人の関係をもう一度考えてみたいと思っている」
「私はどうすればいいんですか?」
「未希の仕事は見つかったのか?」
「社員食堂を運営している会社に勤めることにしました。お陰様で、調理師免許を持っていると給料はソコソコですが、求人はいくらでもあるので就職先には事欠きません。社員食堂だと休日がおじさんと一緒になるのですれ違いが無くていいと思いました。彼とあんなことになったのはすれ違いも原因の一つだったと思っています」
「それは良かった。就職先も決まったので、未希はこれで完全に自立して自由になった。俺からの借りは俺の元を去った時にすべて返し終えていると思ってほしい。だからもう俺に義理立てする必要は全くない。これからは自立したひとりの大人の女性として自由な立場から、俺と付き合ってくれればいい。俺も保護者としてではなく、ただの一人の男として未希と付き合いたい。未希と俺は10歳以上も歳が離れている。そういうこともよく考えてほしい。それでお互いがやはり必要であることが分かれば一緒になればいい。その方が長い目で見れば二人のためになると思っている」
「おじさんがそう言うのならそうします」
「それで、ひとつ頼みがあるんだが、俺のことをもうおじさんと呼ばないでくれないか? 確かに未希と年も離れていて、もう35歳のおじさんだけど、山内さんとか名前で呼んでくれないか?」
「そうします。私は今までどおり未希でいいですけど」
「大人の女性に呼び捨てもなんだから、美崎さんではどうかな?」
「それは他人行儀すぎます」
「未希さんは?」
「それもいやだなあ」
「未希ちゃん?」
「自立した大人の女性が未希ちゃんではおかしいでしょう。やはり、いままでどおり、未希でお願いします」
「それでいいのなら、そうしよう」
「でも困ったことがあったら何でも言ってくれ。力になるから」
「とてもありがたいですが、そんなことをいうのは、まだ私を自立した女性と見ていないからだと思いますけど」
「ごめん、そうか? そのとおりだ、気をつける」
「そこが、おじさん,いえ、山内さんの良いところで、好きなところです。困ったことがあったら、相談にのって下さい。頼りにしています」
やれやれ俺の方が未希から自立していないのかもしれない。俺も少し冷静になってこれからの未希とのことを考えようと思う。
次の日、山本真一に未希が離婚届を提出したと伝えた。そして、彼にシフトを聞いた。
彼が不在という水曜日にホテルに問い合わせて出勤を確認してから、未希と一緒に彼のアパートへ行って、未希の荷物を引き上げてきた。
未希はスーツケースを、俺は大きな海外旅行用のスーツケースとリュックを持って行った。衣類、アルバム、料理の本、食器、身の回りの小物などを持ち帰った。
未希は彼に置手紙をして、その上に指輪を置いていた。何と書いたのか聞いたら、今までのお礼とお詫びと元気で暮らしてほしいと書いたと言っていた。これで彼も再出発が出来るだろう。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

春の雨に濡れて―オッサンが訳あり家出JKを嫁にするお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。なお、本作品はヒロイン目線の裏ストーリー「春の雨はあたたかい」のオリジナルストーリーです。
春の雨の日の夜、主人公(圭)は、駅前にいた家出JK(美香)に頼まれて家に連れて帰る。家出の訳を聞いた圭は、自分と同じに境遇に同情して同居することを認める。同居を始めるに当たり、美香は家事を引き受けることを承諾する一方、同居の代償に身体を差し出すが、圭はかたくなに受け入れず、18歳になったら考えると答える。3か月間の同居生活で気心が通い合って、圭は18歳になった美香にプロポーズする。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる