29 / 49
第1部 家出・同居編
29.19歳の誕生祝い
しおりを挟む
未希は早生まれだから歳を取るのが人より遅い。今日は 19歳の誕生日なので、6時からいつものレストランで、高校の卒業と19歳の誕生日と調理師学校の入学を兼ねたお祝いをした。
アルバイトを終えた未希とレストランへ電車で向かう。このごろ、未希は落ち着いて来た。アルバイトをしてある程度の貯金もあるので、お金の心配がなくなっていることもあるのだろうと思う。それに俺が未希の一切の面倒を見ていることが一番なのだろう。
席に着くとすぐに未希は俺にいった。
「こうして高校を卒業して、調理師学校へ入学出来るのも、すべておじさんのお陰です。ありがとうございます」
「俺は未希との約束を守っているだけだ」
「おじさんの身体があんなことになって、約束どおりに身体で返せていません」
未希は声を落として話す。俺も声を落とす。
「いいんだ、それは俺の問題だから、あれからも夜寝る時に返してもらっているから」
「ただ、抱き締めて寝てくれているだけです」
「今の俺にはそれで十分なんだ」
「それでいいのなら私は言うことはありません」
料理が運ばれてくる。
「未希、調理師学校では一生懸命に勉強して力をつけたらいい。社会に出たらそれだけがたよりになる」
「分かっています」
「未希は料理がそれほど得意ではなかったからね」
「お母さんは私に余り家事の手伝いをさせませんでした。私が勉強に集中できるようにと思ってのことだけど、それがお母さんの負担を増やして過労になったのだと思います。もう少しお手伝いしていたらと後悔しています」
「おかあさんは未希に勉強してもらいたかったんだ」
「おかあさんは高校中退だったから就職に苦労したみたいで、私には高校を卒業させたかったようです」
「これでお母さんは安心しているだろう」
「これからは学校から帰ったら私が夕食の準備をしようと思っています」
「確かにそれが学校での復習にもなるし良いことかもしれない。俺にもメリットがある。是非そうしてほしい」
「最初はうまくできないかもしれませんが、いいですか」
「あまり期待しないことにしよう」
「でも頑張りますから、少しは期待してください」
「ごめん、本当は楽しみにしている」
未希は4月に調理師専門が通い始めたら、夕食を作ってくれると言う。未希の決心は確かのようだ。高校生の時とは別の生活が楽しみでもある。
アルバイトを終えた未希とレストランへ電車で向かう。このごろ、未希は落ち着いて来た。アルバイトをしてある程度の貯金もあるので、お金の心配がなくなっていることもあるのだろうと思う。それに俺が未希の一切の面倒を見ていることが一番なのだろう。
席に着くとすぐに未希は俺にいった。
「こうして高校を卒業して、調理師学校へ入学出来るのも、すべておじさんのお陰です。ありがとうございます」
「俺は未希との約束を守っているだけだ」
「おじさんの身体があんなことになって、約束どおりに身体で返せていません」
未希は声を落として話す。俺も声を落とす。
「いいんだ、それは俺の問題だから、あれからも夜寝る時に返してもらっているから」
「ただ、抱き締めて寝てくれているだけです」
「今の俺にはそれで十分なんだ」
「それでいいのなら私は言うことはありません」
料理が運ばれてくる。
「未希、調理師学校では一生懸命に勉強して力をつけたらいい。社会に出たらそれだけがたよりになる」
「分かっています」
「未希は料理がそれほど得意ではなかったからね」
「お母さんは私に余り家事の手伝いをさせませんでした。私が勉強に集中できるようにと思ってのことだけど、それがお母さんの負担を増やして過労になったのだと思います。もう少しお手伝いしていたらと後悔しています」
「おかあさんは未希に勉強してもらいたかったんだ」
「おかあさんは高校中退だったから就職に苦労したみたいで、私には高校を卒業させたかったようです」
「これでお母さんは安心しているだろう」
「これからは学校から帰ったら私が夕食の準備をしようと思っています」
「確かにそれが学校での復習にもなるし良いことかもしれない。俺にもメリットがある。是非そうしてほしい」
「最初はうまくできないかもしれませんが、いいですか」
「あまり期待しないことにしよう」
「でも頑張りますから、少しは期待してください」
「ごめん、本当は楽しみにしている」
未希は4月に調理師専門が通い始めたら、夕食を作ってくれると言う。未希の決心は確かのようだ。高校生の時とは別の生活が楽しみでもある。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
春の雨に濡れて―オッサンが訳あり家出JKを嫁にするお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。なお、本作品はヒロイン目線の裏ストーリー「春の雨はあたたかい」のオリジナルストーリーです。
春の雨の日の夜、主人公(圭)は、駅前にいた家出JK(美香)に頼まれて家に連れて帰る。家出の訳を聞いた圭は、自分と同じに境遇に同情して同居することを認める。同居を始めるに当たり、美香は家事を引き受けることを承諾する一方、同居の代償に身体を差し出すが、圭はかたくなに受け入れず、18歳になったら考えると答える。3か月間の同居生活で気心が通い合って、圭は18歳になった美香にプロポーズする。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる