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第十二話 賢い者は?
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通常通り、仕事をこなし残った業務を一日で終わらす。
上司からはリモートで暇だろうから。と言う理由で、俺に仕事を山のように頼んでくるのだが、ただパソコンを打てばいい簡単な仕事で資料を手書きの方が何倍も大変な俺からして、パソコンで文字を書いてもいいこの世界に嬉しみが出ていた。
コーヒー片手にパソコンで作業をして、仕事終わる1時間前くらいには上司からの仕事の押しつけは終わる。
与えられた仕事をしながらも、部下からの電話や企業の電話には確実に出て話し合いをしながらも、パソコンを打つ手は辞めない。
これは、俺の特技でもあると自信が持てる瞬間でもあった。
自然と俺の立場は上の方にまで来ており、決定事項も俺に持たされていた。
「もしもし、お世話になっております。佐々木商事の山岡と申します。」
「お世話になっております。大翼建設総務の武田でございます。
山岡様本日はどのようなご用件でしょうか。」
「はい、是非大翼建設様に見て頂きたい土地がございまして。。」
「土地の売買のお話でしょうか?」
「はい!」
「でしたら、土地の資料はお持ちでしょうか?そちらの資料を拝見させていただきまして、この場を借りて、いくつか質問をしようと考えていたのですが、資料はございますか?」
「そうなんですか?今からPDF化しますので、少々お待ちください。」
「承知いたしました。山岡様申し訳ございませんが、今別の着信がありますので、資料をまとめてから再びお電話を頂いてもよろしいですか?」
「承知いたしました。」
「メールに資料を添付して下さると助かりますので、今から伝えますがメモの準備はいいですか?」
やはり、PDF化していない準備不足の会社はメモ帳すらすぐに準備できずにモタモタしているのだが、その慌てようにも俺は笑えていた。
呆れではなく、面白い笑いだ。これを抑えるのに必死で仕方がなかった。
俺のメールアドレスを伝えて、電話を切り電話をくれた会社に折り返しをした。
「お電話に出れずに申し訳ございません。大翼建設の総務部武田でございます。」
「折り返しのお電話とお名前もありがとうございます。ただいま担当の者に変わりますので少々お待ちくださいませ。」
電話番号でどこの会社かは把握はしているとはいえ、俺だけ名乗った事に相手の知識不足が露わになっていた。
「折り返し、ありがとうございます。武田さん。」
「いえいえ。あの、一応の確認ですが富士顔建設の伊藤様でよろしかったでしょうか?」
「あ!はい!名乗るのが遅れてしまいもうしわけございません。」
「いえいえ。ちなみに、資料は確認いたしましたが、こちらですと少し費用は掛かりますとのメールを送った際に安く出来ない?との内容でしたが、であれば、メールで差し上げた通り、プランAの内容の方がお安く済みますよ?」
「わかりますが、これから新店舗を立てるんです。その為には欠かせない物なので。」
「であれば、この値段を下げる事は出来かねます。」
「そこをなんとか。」
「そもそも、私の会社が富士顔建設会社様に贔屓をして、何か私どもにメリットはありますか?」
「あ。えーっと。」
「簡単ですよね?こちら側がそちらを無条件で安くするのに、こちらの方にはメリットは持って来ておりますよね?」
「いえ。」
「であれば、値段を下げる事は不可能です。うち以外に値段交渉を当たってください。
このまま、私の会社と取引を続けるのであれば値段を下げないのでよろしくお願いします。」
このようにメリットデメリットを明確にすることも必要だと俺は感じている。
その後も、電話の嵐は止まないのだが、業務をこなす手は止めずに、企業からのメールチェックも忘れずにやる事で、俺の業務は終わる。
愛が俺の器用さを褒めてくれるのは嬉しいのだが総務の人はこれくらいやってる姿を前の会社でも見たことあるお陰で俺はまだまだ底辺だと感じている。
もっと早くに確認をして的確に指示をしたり、意見を言う事が総務の役割である。
俺はそう思って仕事に向かっている。
部下が困った際には手助け船を送る事も必要なわけでこんなのんびりしている総務は見た事ない。俺は、きっと俺にきびしんだろうな。
少しだけ、自分の事にも笑いが込み上げてくる。
俺の笑いに釣られ愛も笑い出す。この関係はとてもいい関係だと思う。
上司からはリモートで暇だろうから。と言う理由で、俺に仕事を山のように頼んでくるのだが、ただパソコンを打てばいい簡単な仕事で資料を手書きの方が何倍も大変な俺からして、パソコンで文字を書いてもいいこの世界に嬉しみが出ていた。
コーヒー片手にパソコンで作業をして、仕事終わる1時間前くらいには上司からの仕事の押しつけは終わる。
与えられた仕事をしながらも、部下からの電話や企業の電話には確実に出て話し合いをしながらも、パソコンを打つ手は辞めない。
これは、俺の特技でもあると自信が持てる瞬間でもあった。
自然と俺の立場は上の方にまで来ており、決定事項も俺に持たされていた。
「もしもし、お世話になっております。佐々木商事の山岡と申します。」
「お世話になっております。大翼建設総務の武田でございます。
山岡様本日はどのようなご用件でしょうか。」
「はい、是非大翼建設様に見て頂きたい土地がございまして。。」
「土地の売買のお話でしょうか?」
「はい!」
「でしたら、土地の資料はお持ちでしょうか?そちらの資料を拝見させていただきまして、この場を借りて、いくつか質問をしようと考えていたのですが、資料はございますか?」
「そうなんですか?今からPDF化しますので、少々お待ちください。」
「承知いたしました。山岡様申し訳ございませんが、今別の着信がありますので、資料をまとめてから再びお電話を頂いてもよろしいですか?」
「承知いたしました。」
「メールに資料を添付して下さると助かりますので、今から伝えますがメモの準備はいいですか?」
やはり、PDF化していない準備不足の会社はメモ帳すらすぐに準備できずにモタモタしているのだが、その慌てようにも俺は笑えていた。
呆れではなく、面白い笑いだ。これを抑えるのに必死で仕方がなかった。
俺のメールアドレスを伝えて、電話を切り電話をくれた会社に折り返しをした。
「お電話に出れずに申し訳ございません。大翼建設の総務部武田でございます。」
「折り返しのお電話とお名前もありがとうございます。ただいま担当の者に変わりますので少々お待ちくださいませ。」
電話番号でどこの会社かは把握はしているとはいえ、俺だけ名乗った事に相手の知識不足が露わになっていた。
「折り返し、ありがとうございます。武田さん。」
「いえいえ。あの、一応の確認ですが富士顔建設の伊藤様でよろしかったでしょうか?」
「あ!はい!名乗るのが遅れてしまいもうしわけございません。」
「いえいえ。ちなみに、資料は確認いたしましたが、こちらですと少し費用は掛かりますとのメールを送った際に安く出来ない?との内容でしたが、であれば、メールで差し上げた通り、プランAの内容の方がお安く済みますよ?」
「わかりますが、これから新店舗を立てるんです。その為には欠かせない物なので。」
「であれば、この値段を下げる事は出来かねます。」
「そこをなんとか。」
「そもそも、私の会社が富士顔建設会社様に贔屓をして、何か私どもにメリットはありますか?」
「あ。えーっと。」
「簡単ですよね?こちら側がそちらを無条件で安くするのに、こちらの方にはメリットは持って来ておりますよね?」
「いえ。」
「であれば、値段を下げる事は不可能です。うち以外に値段交渉を当たってください。
このまま、私の会社と取引を続けるのであれば値段を下げないのでよろしくお願いします。」
このようにメリットデメリットを明確にすることも必要だと俺は感じている。
その後も、電話の嵐は止まないのだが、業務をこなす手は止めずに、企業からのメールチェックも忘れずにやる事で、俺の業務は終わる。
愛が俺の器用さを褒めてくれるのは嬉しいのだが総務の人はこれくらいやってる姿を前の会社でも見たことあるお陰で俺はまだまだ底辺だと感じている。
もっと早くに確認をして的確に指示をしたり、意見を言う事が総務の役割である。
俺はそう思って仕事に向かっている。
部下が困った際には手助け船を送る事も必要なわけでこんなのんびりしている総務は見た事ない。俺は、きっと俺にきびしんだろうな。
少しだけ、自分の事にも笑いが込み上げてくる。
俺の笑いに釣られ愛も笑い出す。この関係はとてもいい関係だと思う。
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