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第四章 真実と虚構の狭間
第七十四話
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「殿下、少々問題が……」
兵士の一人がオスカーに近づき、そう囁いた。
「何?」
「彼はルドラスの皇族だそうです」
オスカーが眉をひそめる。
「皇族? 翼がないようだけど?」
「奇形、だそうです。身分はジスラン殿下に問えば分かるそうで」
オスカーが後方を見ると、ジスランが頷く。
「確かにアロイスはルドラスの第二皇子だよ。僕の腹違いの弟って事になる」
「ふうん? 自分の身分を盾に減刑してもらおうとしたの? けど、無駄だよ。交渉の余地はないから」
オスカーが片膝を突き、アロイスの顔をのぞき込んだ。アロイスがうっすらと笑う。
「私の罪状は?」
不思議そうなその物言いは、自分は何も知らないとでも言いたげだ。
オスカーが意に介さず言う。
「言わなくても分かるでしょう? 王太子妃の魂を返して」
「残念ながら私は何もしていませんよ、王太子殿下。どこにそんな証拠が?」
「そんなものは必要ないよ。僕が黒と言えば黒になるんだから」
アロイスは目を剥いた。予想外の返答だったらしい。
「……ルドラス帝国とやりあうと?」
「必要なら」
アロイスが諭すように言う。
「……何の証拠もないまま皇族を拘束、処刑すれば、ルドラス帝国だけでなく、周辺諸国をも敵に回しますよ、王太子殿下? 多くの国の反感を買う。あなたならそれくらい分かるのでは?」
「そうだね、それが?」
オスカーの態度は崩れない。耳にした忠告を受け流す。アロイスはその様子に絶句したようだった。予想外の答えだったらしい。
「正攻法でなんかやってられない。ね、ビーの魂を閉じ込めた秘石はどこにやったの? 君は持っていないようだけど……」
アロイスは押し黙ったままだ。オスカーの杖が輝き、ふっと奇妙な顔をする。
「……こいつ本当に奇形で翼がなかったの?」
「そうだよ? 見ればわかるじゃない」
オスカーの問いにジスランが答える。
「……それは変だね」
「変?」
「だって、魔術の針が通らないもの。妙だよ、これ。奇形で元々翼がなかったのなら、魔術の針は通るはずだもの。ね、君達はどうして魔術を弾くのか知らないの?」
「え? さあ?」
「そうか、魔術を馬鹿にしているから、因果関係なんか調べないんだ。翼だよ。翼が盾の役割をしている。だからね、ルドラスの皇族を捕まえて、どうしても呪いをかけたい場合は、翼をもぐの」
「……え?」
「ただ切り落とすだけじゃ駄目だけどね? 根元からえぐり取る。翼根が残っていると、やっぱりこんな風に魔術を弾いちゃうから。だから、こいつは多分……」
オスカーに頭を押さえつけられて、拘束されていたアロイスに初めて慌てたような色が見えた。
「止めろ!」
オスカーが解き放った風の刃が、アロイスの衣服を背中から切り裂けば、もぎ取られた翼の残骸がそこにあった。翼根の色は白金……ルドラスで最も尊いとされる色だ。ジスランやノエルの白い翼より格上の……。限りなく白に近い金色はこの上もなく美しい。そのままであったなら、さぞかし見事であったろう。
ジスランは目を剥いた。
「これ、は……」
オスカーの表情は変わらない。淡々と言う。
「ね、翼を切り取るってさ、制裁って意味もあるよね? 奴隷落ちになるのと同じくらいの屈辱だって聞いてるけど、こいつ何をやったの?」
吐き気を覚えたジスランは口元を手で覆った。本当に吐きそうだった。
「知ら、ない……いや、知りようがないよ。だって、物心つく頃から、アロイスには翼がなかったんだ。っていうことは……赤ん坊の時に切り取られた?」
ジスランが呻くように言う。
「こんなの、こんなの大罪だよ! 処刑よりなお悪い! 僕達は神徒の末裔なんだ。その象徴を勝手に切り落とすなんて、神官達が黙っちゃいない! 神に対する冒涜だ! どうして言わなかったの!」
「言ってどうなる!」
アロイスの呻くような怒気が返される。
「言ってどうにかなるのか? あんな連中に何が出来る! 翼を返してくれるとでも? 精々哀れまれるだけだ」
「犯人を見つけ出して裁くことくらい……」
「余計な世話だ!」
アロイスが吐き捨てた。
「そんなものとうに見つけている! この無能が!」
「見つけて、る? で、でも、それって、赤ん坊の時の出来事だろ? 僕達に魔術は効かないし、一体どうやって?」
ジスランがそう問うても、アロイスに答える様子はない。
「もしかして内側から入り込んだ?」
オスカーの声が割って入る。
「内側からってどういうこと?」
ジスランが怪訝そうに問うと、オスカーが答えた。
「体内から魔術をかけるの。手っ取り早いところだと、口の中に手を突っ込んで呪文を唱える。ただ、指を食いちぎられたりするから、あまりお勧めはしない。つまり、口内のように内部からだと、魔法を浸透させやすいんだよ。ほら、魔法薬を飲むと、君達有翼人でも最初は効果あるでしょ? 翼が魔術を無力化するんで、結局消えちゃうけどさ。そういった関係で、体内からだと君達有翼人にも効果のある魔法がかけられる。持続性はないけれど」
「じゃあ、やっぱり魔術で犯人を割り出したの?」
「多分ね。真実薬が使えれば一番良かったんだろうけど……あれは遅効性だから君達には効果がない。多分……記憶探査じゃないかな? 過去の記憶をあぶり出す」
ジスランはアロイスの姿を見下ろし、
「で、犯人は誰だったんだ? 君の翼を切り落とした奴は」
「……現皇妃」
アロイスが答え、ジスランは目を剥いた。
「現皇妃!? なのに何で彼女に従っているの!」
「いくらでも従ってやる! 目的を果たすまでは!」
アロイスがそう吐き捨てた。
「目的?」
「言う必要は無い」
アロイスが、ふいっとそっぽを向く。
「言ってもらうよ、悪いけど」
オスカーが割り込んだ。
「ビーに手を出した時点で、君の黙秘は認めてないから。痛い目を見て口を割らされるより、今言っておいた方が良い。君なら魔術の怖さを知っているよね?」
「……翼根をえぐり取る気か?」
アロイスが皮肉るも、オスカーは意に介さず言う。
「そんな真似をしなくても、君がやったのと同じ方法で記憶を引きずり出せば良い。内部から記憶探査をかける」
「……私が抵抗すれば、思い通りの記憶は引き出せないぞ?」
そう言われてもオスカーの表情は変わらない。
「そうだね。記憶探査は普通、相手が気を許した状態じゃないと上手くいかないものね? その上、君は魔術師だから、記憶を封鎖する気でしょう? 幾重もの防壁を張り巡らせて僕の力を寄せ付けないようにする。でも、無駄だから。僕の力はその防御をすり抜けるよ」
「何?」
オスカーが先を続けた。
「もう一度言おうか? 僕の魔術はその防御をすり抜ける。無理矢理こじ開けて侵入出来るんだ。僕の幻術がどうして現実と寸分違わないのか、少しは考えてみたら? 僕の魔力が通常なら入り込めない次元にまで入り込めるからなんだよ。ただし、無理矢理こじ開けるから、やられた相手の命の保証はできない」
アロイスを見下ろすオスカーの目はあくまで冷徹だ。
「まぁ、正直言って、君が何故皇妃に従うのか、なんていう部分には全く興味は無いよ。言いたくなければ、そこは言わなくていい。ね、ビーの魂を閉じ込めた秘石はどこにやったの? 僕が欲しい情報はただそれだけなんだ」
オスカーがアロイスの前で片膝を突き、
「それとも、さっき言ったことは、はったりだって思ってる?」
柔らかく笑ってみせる。その微笑みは、いっそ優しいと感じるほどだったが、同時にぞくりとした怖気が走る。
アロイスはオスカーのその笑みを見て、ふっと既視感を味わった。どこかで見た眼差しだと、そう思ったのだ。藍色の瞳の奥に宿るのは、激しい怒りと憎しみの色。これとよく似たものを、自分は鏡の向こうで見はしなかったか?
オスカーがアロイスの肩を掴んだ。右手には大ぶりのナイフが握られている。
「だったら身をもって味わうといい!」
左肩に激痛が走り、アロイスは負傷したことを知る。
兵士の一人がオスカーに近づき、そう囁いた。
「何?」
「彼はルドラスの皇族だそうです」
オスカーが眉をひそめる。
「皇族? 翼がないようだけど?」
「奇形、だそうです。身分はジスラン殿下に問えば分かるそうで」
オスカーが後方を見ると、ジスランが頷く。
「確かにアロイスはルドラスの第二皇子だよ。僕の腹違いの弟って事になる」
「ふうん? 自分の身分を盾に減刑してもらおうとしたの? けど、無駄だよ。交渉の余地はないから」
オスカーが片膝を突き、アロイスの顔をのぞき込んだ。アロイスがうっすらと笑う。
「私の罪状は?」
不思議そうなその物言いは、自分は何も知らないとでも言いたげだ。
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「残念ながら私は何もしていませんよ、王太子殿下。どこにそんな証拠が?」
「そんなものは必要ないよ。僕が黒と言えば黒になるんだから」
アロイスは目を剥いた。予想外の返答だったらしい。
「……ルドラス帝国とやりあうと?」
「必要なら」
アロイスが諭すように言う。
「……何の証拠もないまま皇族を拘束、処刑すれば、ルドラス帝国だけでなく、周辺諸国をも敵に回しますよ、王太子殿下? 多くの国の反感を買う。あなたならそれくらい分かるのでは?」
「そうだね、それが?」
オスカーの態度は崩れない。耳にした忠告を受け流す。アロイスはその様子に絶句したようだった。予想外の答えだったらしい。
「正攻法でなんかやってられない。ね、ビーの魂を閉じ込めた秘石はどこにやったの? 君は持っていないようだけど……」
アロイスは押し黙ったままだ。オスカーの杖が輝き、ふっと奇妙な顔をする。
「……こいつ本当に奇形で翼がなかったの?」
「そうだよ? 見ればわかるじゃない」
オスカーの問いにジスランが答える。
「……それは変だね」
「変?」
「だって、魔術の針が通らないもの。妙だよ、これ。奇形で元々翼がなかったのなら、魔術の針は通るはずだもの。ね、君達はどうして魔術を弾くのか知らないの?」
「え? さあ?」
「そうか、魔術を馬鹿にしているから、因果関係なんか調べないんだ。翼だよ。翼が盾の役割をしている。だからね、ルドラスの皇族を捕まえて、どうしても呪いをかけたい場合は、翼をもぐの」
「……え?」
「ただ切り落とすだけじゃ駄目だけどね? 根元からえぐり取る。翼根が残っていると、やっぱりこんな風に魔術を弾いちゃうから。だから、こいつは多分……」
オスカーに頭を押さえつけられて、拘束されていたアロイスに初めて慌てたような色が見えた。
「止めろ!」
オスカーが解き放った風の刃が、アロイスの衣服を背中から切り裂けば、もぎ取られた翼の残骸がそこにあった。翼根の色は白金……ルドラスで最も尊いとされる色だ。ジスランやノエルの白い翼より格上の……。限りなく白に近い金色はこの上もなく美しい。そのままであったなら、さぞかし見事であったろう。
ジスランは目を剥いた。
「これ、は……」
オスカーの表情は変わらない。淡々と言う。
「ね、翼を切り取るってさ、制裁って意味もあるよね? 奴隷落ちになるのと同じくらいの屈辱だって聞いてるけど、こいつ何をやったの?」
吐き気を覚えたジスランは口元を手で覆った。本当に吐きそうだった。
「知ら、ない……いや、知りようがないよ。だって、物心つく頃から、アロイスには翼がなかったんだ。っていうことは……赤ん坊の時に切り取られた?」
ジスランが呻くように言う。
「こんなの、こんなの大罪だよ! 処刑よりなお悪い! 僕達は神徒の末裔なんだ。その象徴を勝手に切り落とすなんて、神官達が黙っちゃいない! 神に対する冒涜だ! どうして言わなかったの!」
「言ってどうなる!」
アロイスの呻くような怒気が返される。
「言ってどうにかなるのか? あんな連中に何が出来る! 翼を返してくれるとでも? 精々哀れまれるだけだ」
「犯人を見つけ出して裁くことくらい……」
「余計な世話だ!」
アロイスが吐き捨てた。
「そんなものとうに見つけている! この無能が!」
「見つけて、る? で、でも、それって、赤ん坊の時の出来事だろ? 僕達に魔術は効かないし、一体どうやって?」
ジスランがそう問うても、アロイスに答える様子はない。
「もしかして内側から入り込んだ?」
オスカーの声が割って入る。
「内側からってどういうこと?」
ジスランが怪訝そうに問うと、オスカーが答えた。
「体内から魔術をかけるの。手っ取り早いところだと、口の中に手を突っ込んで呪文を唱える。ただ、指を食いちぎられたりするから、あまりお勧めはしない。つまり、口内のように内部からだと、魔法を浸透させやすいんだよ。ほら、魔法薬を飲むと、君達有翼人でも最初は効果あるでしょ? 翼が魔術を無力化するんで、結局消えちゃうけどさ。そういった関係で、体内からだと君達有翼人にも効果のある魔法がかけられる。持続性はないけれど」
「じゃあ、やっぱり魔術で犯人を割り出したの?」
「多分ね。真実薬が使えれば一番良かったんだろうけど……あれは遅効性だから君達には効果がない。多分……記憶探査じゃないかな? 過去の記憶をあぶり出す」
ジスランはアロイスの姿を見下ろし、
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「……現皇妃」
アロイスが答え、ジスランは目を剥いた。
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「いくらでも従ってやる! 目的を果たすまでは!」
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「言う必要は無い」
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「……翼根をえぐり取る気か?」
アロイスが皮肉るも、オスカーは意に介さず言う。
「そんな真似をしなくても、君がやったのと同じ方法で記憶を引きずり出せば良い。内部から記憶探査をかける」
「……私が抵抗すれば、思い通りの記憶は引き出せないぞ?」
そう言われてもオスカーの表情は変わらない。
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「何?」
オスカーが先を続けた。
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アロイスを見下ろすオスカーの目はあくまで冷徹だ。
「まぁ、正直言って、君が何故皇妃に従うのか、なんていう部分には全く興味は無いよ。言いたくなければ、そこは言わなくていい。ね、ビーの魂を閉じ込めた秘石はどこにやったの? 僕が欲しい情報はただそれだけなんだ」
オスカーがアロイスの前で片膝を突き、
「それとも、さっき言ったことは、はったりだって思ってる?」
柔らかく笑ってみせる。その微笑みは、いっそ優しいと感じるほどだったが、同時にぞくりとした怖気が走る。
アロイスはオスカーのその笑みを見て、ふっと既視感を味わった。どこかで見た眼差しだと、そう思ったのだ。藍色の瞳の奥に宿るのは、激しい怒りと憎しみの色。これとよく似たものを、自分は鏡の向こうで見はしなかったか?
オスカーがアロイスの肩を掴んだ。右手には大ぶりのナイフが握られている。
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