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おもしろ小話番外編
3、紡がれる糸(後編:ベネット視点)
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「ご領主様……じゃなくて、王子殿下!」
城内でエイドリアンを見かけたベネットは、すかさず呼び止めた。
エイドリアンの美貌は柔らかい。オーギュストと同じ黒髪でも、その色さえ違って見えてしまう。王族らしい豪奢な衣服に身を包み、こうして颯爽と歩いていても、全身から人の良さがにじみ出ていて、気負うことなく声を掛けられた。
「あんた頭どうかしてないか?」
ベネットの言い様は無礼千万で、付き従っていた侍従が顔をしかめたが、ベネットはあえて無視する。それどころじゃない。
「何で俺があんたの護衛兵なんだよ? 分かってんのか? 俺は元盗賊だぜ? あんたは今、国のトップにいるんだぞ? 次期女王の旦那なんだ。そのへんちっとは考えろよ」
エイドリアンは困ったように言った。
「何でって、その……ベネットが首になりそうだったから、つい……」
その答えにベネットは目を剥いた。のわあ! 何でだぁ!
「どうして俺が首!?」
勢い身を乗り出せば、エイドリアンは気圧されたように身を引いた。
「その、ベネットの勤務態度に問題があるって、兵長が話しているのを聞いたんだ。それで、陛下に護衛兵に指名したい奴はいるかと聞かれた時、とっさに……。迷惑だったのなら今からでも陛下に進言……」
「いや、グッジョブ、ナイス王子殿下。恩に着る」
ベネットはすかさず、まるっと意見を変えた。エイドリアンの台詞を遮り、肩をぱんぱん叩く。
首は嫌だ。それなら苦痛な護衛兵を引き受けた方がまだましである。「不敬ですよ」と厳しい視線を向けてきた侍従に対して、ベネットは作り笑いを浮かべて誤魔化し、エイドリアンと別れた後、ふと首を捻ってしまう。
――勤務態度は至って普通。
そんなオーギュストの台詞を思い出したからだ。勤務態度に問題があるとは、ひとっことも言っていなかったけど、どういうことだろう? 首にするほど酷いのなら、流石に注意くらいされると思うのだが……。どうしても腑に落ちない。
聞いてみたいが、気軽に声を掛けられる相手ではない。城内でたまに見かけることがあっても、はっきり言って近づくことすら困難だ。周囲の視線が痛すぎる。特に影のように付き従う二人の護衛の視線が……。
これで何度目になるか、オーギュストの背を見送った後、ベネットが身を翻すと、
「おい、グイン! この腰巾着野郎!」
背後から突然そう怒鳴られた。
振り向けば、そこには見覚えのある男が、顔を真っ赤にして仁王立ちだ。あばた面の大男で、例の盗賊の一味を見つけた時、自分の上司だった男だ。手が足りないからと、一時的に彼の下に配属されたのである。
名前はライリー・イーストン。
やたらと居丈高な男だったか。
王都に出入りする不審人物のチェックをしていた際、あやしい動きをする男を見つけたベネットの指摘を、馬鹿馬鹿しいと一蹴したのがこいつだ。
あいつが盗賊の一味? 身なりの良い商人じゃないか、馬鹿を言うな、そう言ってライリー兵長は取り合わなかったが、偶然通りかかった兵団長が、ベネットの指摘を重く見てくれたので、後日、下見役だった盗賊共々一網打尽に出来たというわけである。
「何でしょう? 兵長殿」
へらりと愛想良くベネットが笑う。
「何でしょう、じゃねぇ! どうやって取り入った?」
ライリーに詰め寄られ、戸惑うしかない。
「取り入る、とは?」
飄々としたベネットの物言いが気に食わなかったか、ライリーがさらに激高した。指を突きつけ、唾を飛ばしつつ、がなりたてる。
「お、お前が、王子殿下の護衛役だと? ふざけるな! 俺は認めないからな! 大体、何で俺が降格なんだよ! 一兵士からやり直せって、どういうことだ!」
降格……そう聞いたベネットは、ぶうっと吹き出しそうになったものの、ぐっとこらえた。笑いたいが笑えない。ここで笑ったら絶対乱闘になる。何をやらかした? ベネットとしては、詳しく聞きたいところだったが我慢した。
一生懸命真面目な顔を装い、
「それはご愁傷様です」
そう言ってのけた。指差して、やーい、やーい、ざまぁみろと言ってやりたいが言えない。ジレンマだ。
「だから、何で他人事なんだ! お前、一体上に何を言ったんだよ?」
ライリーが目を血走らせがなり立てる。意味不明だ。
「あのう、兵長殿」
あ、元兵長か……ベネットはそう思ったものの、面倒なので、そのままにした。
「何だよ!」
「俺ごときの意見が上に通るとは思えませんが?」
ベネットがさらりとそう言えば、ライリーはぐっと言葉に詰まった。少し考えれば分かるだろうに。呆れ気味にベネットは鈍色の髪をばりばりと掻く。
自分が何か言って、兵長を降格できるのなら、いくらでも言い立てたいところだが、縦社会のこの構造は強固だ。上に立つ者の意見の方が断然強い。出来るわけがない。それが分からないとしたら相当なアーパーだと思う。
「う、うるせぇ! お前だ、絶対お前が何かやったんだ!」
ライリーに胸ぐらを掴まれたベネットは、流石にむっとなる。さりげにライリーの弁慶の泣き所を蹴れば、彼はぴょんぴょんと蛙のように跳ねた。
「おや、兵長殿、どうなさいました?」
ベネットがへらりと笑えば、ライリーのあばた顔が怒りでどす黒く染まった。
「お前!」
「あ、陛下、ご機嫌麗しゅう」
ベネットの言葉で、ライリーはぎょっとしたように振り向くも、オーギュストの姿などどこにもない。
どういうことだと、ライリーはベネットに詰め寄ろうとするも、再び振り返ったその時には、ベネットの姿は影も形もなかった。面倒だとばかりに、さっさと逃げ出したからである。
「あんの野郎ぉおおおおおおおおおおお!」
ベネットに揶揄われたと気が付いたライリーは地団駄を踏む。
腹立ち紛れに、その場で散々悪態をつきまくったライリーは、この後、勢い兵団長に当たってしまい、さらに酷いことになったのだが、とんずらを決め込んだベネットには、あずかり知らぬ事であった。
「何か用か?」
ある日の事。
いつものように胸壁前で見張りに立ち、ぼーっとしていたベネットは、背後から声をかけられ、飛び上がりそうになった。二度目ともなると、顔を見なくても相手は誰だか分かる。分かってしまう。
「陛下……」
恐る恐るベネットが振り向けば、思った通りそこに立っていたのは美貌の国王様だ。いつもながら恐ろしいほど整った顔立ちである。なんでこんなに迫力があるのか分からない。傍にこうして立たれるだけで気圧されてしまう。
「視線が鬱陶しい。言いたいことがあるなら今話せ」
オーギュストにそう言われ、ベネットは身を縮めた。
「あー、その、俺の勤務態度に問題があるって聞いたんですけど」
オーギュストの表情は変わらない。
「お前の勤務態度なら問題ない。お前の思惑通り許容内だ」
「いや、でも、確かに……」
「誰から何を聞いた?」
エイドリアンから聞いた話をすると、
「ああ、それなら単なるやっかみだ」
さらっとそんな風に答えられた。
「やっかみ?」
「お前が手柄を立てたのが気に食わない、そんなところだろう。だから難癖を付けて追い出そうとしていたんだ」
ベネットは、はたと気が付く。
「手柄って……あ! もしかして盗賊の一味を見つけた例のあれか? じゃあ、勤務態度に問題があるって言いやがったのは、俺の上司じゃなくて、兵長だったライリー・イーストンかよ?」
勢い、あんのあばた面のくそ野郎! とベネットが叫ぶ。
「そうだ。自分より下に見ていた者に馬鹿にされた、そう思ったんだろう。お前の警告をイーストンが一蹴し、問題ないと結論づけた。その結果はお前も知っての通りだ。お前が正しく、兵長の判断が間違っていたというわけだ。それを認められず、権力を使って当たり散らした。残念ながらこういったことはよくある」
「あの、でも、よく……」
分かりましたね、ベネットがそう口にする。
「話は多方面から聞くものだ」
オーギュストはそう答えた。ベネットは再度びっくりしてしまう。
つまり、聞き込みをしてくれたって事か? たかが一介の兵士の為に国王が動いた……信じられなかった。国のトップが? 末端の兵士の為に? お貴族様なんて、偉そうにふんぞり返って、あれこれ命令するだけだと、そう思っていたけれど、これは……。
ベネットがまじまじと見入っていると、
「他に質問は?」
オーギュストにそう問われ、
「ありません」
ベネットはそう答えた。それ以外に答えようがない。
「結構。仕事に励め」
立ち去るオーギュストの背をベネットはその場で見送った。頭のいかれた国王に、ほんのちょっぴり好意を抱いた瞬間でもあった。
城内でエイドリアンを見かけたベネットは、すかさず呼び止めた。
エイドリアンの美貌は柔らかい。オーギュストと同じ黒髪でも、その色さえ違って見えてしまう。王族らしい豪奢な衣服に身を包み、こうして颯爽と歩いていても、全身から人の良さがにじみ出ていて、気負うことなく声を掛けられた。
「あんた頭どうかしてないか?」
ベネットの言い様は無礼千万で、付き従っていた侍従が顔をしかめたが、ベネットはあえて無視する。それどころじゃない。
「何で俺があんたの護衛兵なんだよ? 分かってんのか? 俺は元盗賊だぜ? あんたは今、国のトップにいるんだぞ? 次期女王の旦那なんだ。そのへんちっとは考えろよ」
エイドリアンは困ったように言った。
「何でって、その……ベネットが首になりそうだったから、つい……」
その答えにベネットは目を剥いた。のわあ! 何でだぁ!
「どうして俺が首!?」
勢い身を乗り出せば、エイドリアンは気圧されたように身を引いた。
「その、ベネットの勤務態度に問題があるって、兵長が話しているのを聞いたんだ。それで、陛下に護衛兵に指名したい奴はいるかと聞かれた時、とっさに……。迷惑だったのなら今からでも陛下に進言……」
「いや、グッジョブ、ナイス王子殿下。恩に着る」
ベネットはすかさず、まるっと意見を変えた。エイドリアンの台詞を遮り、肩をぱんぱん叩く。
首は嫌だ。それなら苦痛な護衛兵を引き受けた方がまだましである。「不敬ですよ」と厳しい視線を向けてきた侍従に対して、ベネットは作り笑いを浮かべて誤魔化し、エイドリアンと別れた後、ふと首を捻ってしまう。
――勤務態度は至って普通。
そんなオーギュストの台詞を思い出したからだ。勤務態度に問題があるとは、ひとっことも言っていなかったけど、どういうことだろう? 首にするほど酷いのなら、流石に注意くらいされると思うのだが……。どうしても腑に落ちない。
聞いてみたいが、気軽に声を掛けられる相手ではない。城内でたまに見かけることがあっても、はっきり言って近づくことすら困難だ。周囲の視線が痛すぎる。特に影のように付き従う二人の護衛の視線が……。
これで何度目になるか、オーギュストの背を見送った後、ベネットが身を翻すと、
「おい、グイン! この腰巾着野郎!」
背後から突然そう怒鳴られた。
振り向けば、そこには見覚えのある男が、顔を真っ赤にして仁王立ちだ。あばた面の大男で、例の盗賊の一味を見つけた時、自分の上司だった男だ。手が足りないからと、一時的に彼の下に配属されたのである。
名前はライリー・イーストン。
やたらと居丈高な男だったか。
王都に出入りする不審人物のチェックをしていた際、あやしい動きをする男を見つけたベネットの指摘を、馬鹿馬鹿しいと一蹴したのがこいつだ。
あいつが盗賊の一味? 身なりの良い商人じゃないか、馬鹿を言うな、そう言ってライリー兵長は取り合わなかったが、偶然通りかかった兵団長が、ベネットの指摘を重く見てくれたので、後日、下見役だった盗賊共々一網打尽に出来たというわけである。
「何でしょう? 兵長殿」
へらりと愛想良くベネットが笑う。
「何でしょう、じゃねぇ! どうやって取り入った?」
ライリーに詰め寄られ、戸惑うしかない。
「取り入る、とは?」
飄々としたベネットの物言いが気に食わなかったか、ライリーがさらに激高した。指を突きつけ、唾を飛ばしつつ、がなりたてる。
「お、お前が、王子殿下の護衛役だと? ふざけるな! 俺は認めないからな! 大体、何で俺が降格なんだよ! 一兵士からやり直せって、どういうことだ!」
降格……そう聞いたベネットは、ぶうっと吹き出しそうになったものの、ぐっとこらえた。笑いたいが笑えない。ここで笑ったら絶対乱闘になる。何をやらかした? ベネットとしては、詳しく聞きたいところだったが我慢した。
一生懸命真面目な顔を装い、
「それはご愁傷様です」
そう言ってのけた。指差して、やーい、やーい、ざまぁみろと言ってやりたいが言えない。ジレンマだ。
「だから、何で他人事なんだ! お前、一体上に何を言ったんだよ?」
ライリーが目を血走らせがなり立てる。意味不明だ。
「あのう、兵長殿」
あ、元兵長か……ベネットはそう思ったものの、面倒なので、そのままにした。
「何だよ!」
「俺ごときの意見が上に通るとは思えませんが?」
ベネットがさらりとそう言えば、ライリーはぐっと言葉に詰まった。少し考えれば分かるだろうに。呆れ気味にベネットは鈍色の髪をばりばりと掻く。
自分が何か言って、兵長を降格できるのなら、いくらでも言い立てたいところだが、縦社会のこの構造は強固だ。上に立つ者の意見の方が断然強い。出来るわけがない。それが分からないとしたら相当なアーパーだと思う。
「う、うるせぇ! お前だ、絶対お前が何かやったんだ!」
ライリーに胸ぐらを掴まれたベネットは、流石にむっとなる。さりげにライリーの弁慶の泣き所を蹴れば、彼はぴょんぴょんと蛙のように跳ねた。
「おや、兵長殿、どうなさいました?」
ベネットがへらりと笑えば、ライリーのあばた顔が怒りでどす黒く染まった。
「お前!」
「あ、陛下、ご機嫌麗しゅう」
ベネットの言葉で、ライリーはぎょっとしたように振り向くも、オーギュストの姿などどこにもない。
どういうことだと、ライリーはベネットに詰め寄ろうとするも、再び振り返ったその時には、ベネットの姿は影も形もなかった。面倒だとばかりに、さっさと逃げ出したからである。
「あんの野郎ぉおおおおおおおおおおお!」
ベネットに揶揄われたと気が付いたライリーは地団駄を踏む。
腹立ち紛れに、その場で散々悪態をつきまくったライリーは、この後、勢い兵団長に当たってしまい、さらに酷いことになったのだが、とんずらを決め込んだベネットには、あずかり知らぬ事であった。
「何か用か?」
ある日の事。
いつものように胸壁前で見張りに立ち、ぼーっとしていたベネットは、背後から声をかけられ、飛び上がりそうになった。二度目ともなると、顔を見なくても相手は誰だか分かる。分かってしまう。
「陛下……」
恐る恐るベネットが振り向けば、思った通りそこに立っていたのは美貌の国王様だ。いつもながら恐ろしいほど整った顔立ちである。なんでこんなに迫力があるのか分からない。傍にこうして立たれるだけで気圧されてしまう。
「視線が鬱陶しい。言いたいことがあるなら今話せ」
オーギュストにそう言われ、ベネットは身を縮めた。
「あー、その、俺の勤務態度に問題があるって聞いたんですけど」
オーギュストの表情は変わらない。
「お前の勤務態度なら問題ない。お前の思惑通り許容内だ」
「いや、でも、確かに……」
「誰から何を聞いた?」
エイドリアンから聞いた話をすると、
「ああ、それなら単なるやっかみだ」
さらっとそんな風に答えられた。
「やっかみ?」
「お前が手柄を立てたのが気に食わない、そんなところだろう。だから難癖を付けて追い出そうとしていたんだ」
ベネットは、はたと気が付く。
「手柄って……あ! もしかして盗賊の一味を見つけた例のあれか? じゃあ、勤務態度に問題があるって言いやがったのは、俺の上司じゃなくて、兵長だったライリー・イーストンかよ?」
勢い、あんのあばた面のくそ野郎! とベネットが叫ぶ。
「そうだ。自分より下に見ていた者に馬鹿にされた、そう思ったんだろう。お前の警告をイーストンが一蹴し、問題ないと結論づけた。その結果はお前も知っての通りだ。お前が正しく、兵長の判断が間違っていたというわけだ。それを認められず、権力を使って当たり散らした。残念ながらこういったことはよくある」
「あの、でも、よく……」
分かりましたね、ベネットがそう口にする。
「話は多方面から聞くものだ」
オーギュストはそう答えた。ベネットは再度びっくりしてしまう。
つまり、聞き込みをしてくれたって事か? たかが一介の兵士の為に国王が動いた……信じられなかった。国のトップが? 末端の兵士の為に? お貴族様なんて、偉そうにふんぞり返って、あれこれ命令するだけだと、そう思っていたけれど、これは……。
ベネットがまじまじと見入っていると、
「他に質問は?」
オーギュストにそう問われ、
「ありません」
ベネットはそう答えた。それ以外に答えようがない。
「結構。仕事に励め」
立ち去るオーギュストの背をベネットはその場で見送った。頭のいかれた国王に、ほんのちょっぴり好意を抱いた瞬間でもあった。
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