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【33】睦み合い

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 脱いだ服の下には古いのや新しいのが混じった無数の傷の数々……。

「樹、これって……」

 ここまでとは思いもしなかった亮の震える指先は傷を確かめるようにそっと撫で、愛おし気にあちらこちらにキスをして返す。
 感謝したい気持ちと謝罪したい気持ちが入り混じった複雑な感情が亮をそうさせたのだ。

「この傷の一つ一つが僕を守ってくれたんだね」

「あぁ……」

「僕への愛がいっぱい詰まっている……。そう感じるよ」

 無数の傷の上に頬を寄せ、けっして敵わないなという思いから樹の背中は広く感じた。
 ただそこにあるというだけで安心感もあり、傷を癒したいという思いに駆られ――。

「んっ……! そこは――」

「痛かった? ごめん……」

 自然と――まるで動物のように傷を舐めてしまった。

「フフッ……。大丈夫だよ。亮に舐められるのは……なんだか、気持ちが良い」

 照れ恥ずかしそうに樹は囁く。
 ミラーらなんかから無理矢理されるのとは違い、亮との情事では樹は穏やかな昂りで……。
 樹も亮もじっくりと互いを確認し合い、ドキドキしながらも『初めて』を創っていく。
 脱ぎ捨てられた下着さえもかさなって……。

「初めてなのに……。こんなになってしまってちょっと恥ずかしい」

 両手で覆い隠そうとするが隠しきれない亮のモノはまっすぐと天を向き、ニスを塗ったように艶々としていた。

「可愛い亮。愛しの亮……。もう、苦しいだろ? 俺が可愛がってやるよ――」

 パクリと嬉しそうに樹の口に含まれた亮のモノは舌先でチロチロと刺激され、十数度前後に動いたかと思えばあっという間に果ててしまった。
 しかしすぐに臨戦態勢となり、再び三度と……何度も樹を求めるのだった。
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