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【27】疑惑と嫉妬
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一晩中交わった際にミラーにぶっ掛けられたのと自分の白い体液のあの独特の臭い……。
革のベルトで散々責められ続けた時に皮膚が切れて滲んだ血の臭い……。
それらが汗と混じって体にまとわりつき、何があったのかを亮に理解させるには十分で――。
「こんな……こんな傍に寄っただけで嗅がなくても分かるほどに強烈な臭いをプンプンとさせて……朝帰りで……。『仕事』ではないって言ってたよね? じゃあなんでこんな臭いを僕の前でさせてるのさっ! そういうことじゃ――ないの!?」
樹の胸ぐらを掴んで壁に押し付け、亮はカッとなって詰め寄る。
「ねぇっ! なんとか言っ――っ!」
そこで偶然にも気付いたのだった。
服の隙間からチラリと見えた歯形に……。
「これっ――!」
ちゃんと確認しようと亮は思い、服を捲ろうとすると――。
「やめっ――!」
激しく抵抗し、捲ろうと伸ばした手を樹は振り払う。
「大丈夫っ! ……大丈夫だから……」
顔を背け、とっさに亮をドンと押して自分から遠ざけようとするも――。
嫌な感覚がした亮は無理矢理に服を捲り、抵抗される中でわき腹の方が少し見えた。
「また――またそうやって隠す……。ちゃんと……ちゃんと話してよ。何があったか……」
見えた傷痕に唖然として顔を青くする。
自分勝手に浮気なのかと傷付いて問い詰めてしまい、否定されたが自分から遠ざけようとまでした手の意味。
そんな中から見てしまった傷痕に亮は酷く落ち込んだ。
「あっ……っ!」
見られてしまったと気付いた樹は目を泳がせて口篭もる。
今時珍しくまるで生まれたての子供のようにピュアなままの亮に知られることが憚られたのだった。
革のベルトで散々責められ続けた時に皮膚が切れて滲んだ血の臭い……。
それらが汗と混じって体にまとわりつき、何があったのかを亮に理解させるには十分で――。
「こんな……こんな傍に寄っただけで嗅がなくても分かるほどに強烈な臭いをプンプンとさせて……朝帰りで……。『仕事』ではないって言ってたよね? じゃあなんでこんな臭いを僕の前でさせてるのさっ! そういうことじゃ――ないの!?」
樹の胸ぐらを掴んで壁に押し付け、亮はカッとなって詰め寄る。
「ねぇっ! なんとか言っ――っ!」
そこで偶然にも気付いたのだった。
服の隙間からチラリと見えた歯形に……。
「これっ――!」
ちゃんと確認しようと亮は思い、服を捲ろうとすると――。
「やめっ――!」
激しく抵抗し、捲ろうと伸ばした手を樹は振り払う。
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「また――またそうやって隠す……。ちゃんと……ちゃんと話してよ。何があったか……」
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自分勝手に浮気なのかと傷付いて問い詰めてしまい、否定されたが自分から遠ざけようとまでした手の意味。
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「あっ……っ!」
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