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【8】子供と大人
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「『可愛い』って……僕はもう子供じゃないんだよ」
二歳違いとはいえ、十八歳も超えたもう大人。
いつまでも自分のことを子供のように見ていると感じられたその言葉に、亮はカチンときて反発するのだった。
「そういうんじゃない! 子供じゃないって言うのなら……分かるだろ?」
押し黙って何も答えない亮。
「……俺にとってお前が『可愛い』っていうのは、こういうことだよ」
何かを決したように樹は覆いかぶさり、その勢いのまま亮を組敷いた。
「えっ? 冷たっ! 離してよっ」
持っていたコップの酒はバシャリと亮の服にかかり、体へとしみていく。
「オコサマな亮には言葉ではなく、体で語らないと解らないみたいだな。俺の気持ちが……」
意地悪くフッと笑った樹はその言葉を聞き流し、再び重ねられた唇。
そして先程のキスとは違い、今度は情欲を語るように舌を無理矢理に侵入させた。
「ぅん……んぁっ」
本人の意識とは関係なく亮から漏れ出る吐息。
樹の舌は亮の舌を捕らえ、ゆっくりと絡めとられた。
口腔内を蹂躙していく樹の舌は強張っていた亮の意識を蕩けさせていく。
上気した頬に手をやると熱く、そこから肌を確かめるようにゆっくりと下に撫でる。
その手を追いかけるようにして樹の唇は首筋、鎖骨へと味わうカ所を移動させ――。
「はぁうっ!」
初めて味わうくすぐったいような心地良さに体をビクビクと震わせながら自然とあがった喘ぎ声。
が、亮は信じられないといった様子で初めて聞くその自分の声にハッとし、思わず口を手で押さえるのだった。
「いぁ……や、だ……」
ハァハァと息を乱しながら真っ赤な顔をして恥ずかしがるその目は潤み、小さく呟かれた否定の言葉は樹を煽ってくる以外のなにものでもなかった。
二歳違いとはいえ、十八歳も超えたもう大人。
いつまでも自分のことを子供のように見ていると感じられたその言葉に、亮はカチンときて反発するのだった。
「そういうんじゃない! 子供じゃないって言うのなら……分かるだろ?」
押し黙って何も答えない亮。
「……俺にとってお前が『可愛い』っていうのは、こういうことだよ」
何かを決したように樹は覆いかぶさり、その勢いのまま亮を組敷いた。
「えっ? 冷たっ! 離してよっ」
持っていたコップの酒はバシャリと亮の服にかかり、体へとしみていく。
「オコサマな亮には言葉ではなく、体で語らないと解らないみたいだな。俺の気持ちが……」
意地悪くフッと笑った樹はその言葉を聞き流し、再び重ねられた唇。
そして先程のキスとは違い、今度は情欲を語るように舌を無理矢理に侵入させた。
「ぅん……んぁっ」
本人の意識とは関係なく亮から漏れ出る吐息。
樹の舌は亮の舌を捕らえ、ゆっくりと絡めとられた。
口腔内を蹂躙していく樹の舌は強張っていた亮の意識を蕩けさせていく。
上気した頬に手をやると熱く、そこから肌を確かめるようにゆっくりと下に撫でる。
その手を追いかけるようにして樹の唇は首筋、鎖骨へと味わうカ所を移動させ――。
「はぁうっ!」
初めて味わうくすぐったいような心地良さに体をビクビクと震わせながら自然とあがった喘ぎ声。
が、亮は信じられないといった様子で初めて聞くその自分の声にハッとし、思わず口を手で押さえるのだった。
「いぁ……や、だ……」
ハァハァと息を乱しながら真っ赤な顔をして恥ずかしがるその目は潤み、小さく呟かれた否定の言葉は樹を煽ってくる以外のなにものでもなかった。
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