212 / 303
第41話ー2
しおりを挟む
――カプリコルノ国の10月末。
宮廷オルキデーア城の4階の階段脇にある7番目の天使ベルの部屋の中、国王フラヴィオがベッドの枕に顔を埋めて眠っていた。
現在午前1時で夜中ではあるが、熟睡ではなく仮眠だ。
もう少しで、カンクロ国へベルの捜索に行っているフェデリコとテンテンが戻って来る。
そうしたら今度はフラヴィオとアラブが行く番だ。すぐに行けるよう、向こうの庶民を装ったコートをもうすでに着用している。
(どこにいる、ベル……)
ベルが失踪してから1ヵ月以上が経つ。
ルフィーナとベラドンナがカンクロ国の宮廷に侵入した結果、ベルは生きていて、ワン・ジンによって宮廷ではないどこかに匿われているようだと分かった。
すぐにレオーネ国王太子マサムネが密偵をカンクロ国に送り、ベルがいる可能性の高い離宮を短期間ですべて探し出して見せた。
それで無事に見つかるかと思いきや、どの離宮にもベルがいる気配が無いと分かった10月上旬。
カンクロ国と石材貿易の取引日がやって来た。
誰ひとりやって来なかった。
取引の際に何か手掛かりが掴めるかもと少し期待した一方で、それは皆の予想通りだった。
(来られるわけがないのだ。ワン・ジンは、余に後ろめたいことがあるのだから)
その後は密偵に加えてフラヴィオとフェデリコ、アドルフォ、王子たちもマサムネの猫4匹にカンクロ国へ送ってもらい、毎日交代で町や村を捜索している。
でも、一向にベルが見つからない。
尚、ベルが失踪したことは、コラードの戴冠式の翌日にはカプリコルノ国民に伝わっていた。
それまで自ら評判を落としていたベルだったが、なんだかんだ愛する国王と国を支えてきた宰相が居なくなったことは、国民に大きな不安と悲しみを与えたようだった。
町はまるで葬式のようで、先の王妃ヴィットーリアが亡くなった時のことを彷彿とさせる。
フラヴィオはあのときのように、悲しみのあまり自身が誰であるか忘れぬよう、周りのためにも自身のためにも気丈に振る舞っているが、身体の方は正直だった。
食べ物を出される限り延々と受け付けていた胃は日に日に軋み、朝と夜に一人前を食べれば充分だった。
(どこだ…どこにいるのだ、余の大切な7番目の天使……)
もう何十年も会っていないような感じがする。
まずは何よりも、現在も無事でいるかどうかを知りたかった。
酷いことをされていないだろうか。
至宝のように大切に扱われているだろうか。
肌寒くなって来たし、体調を崩してはいないだろうか。
あたたかい部屋と、雲のようにふかふかのレットで寝起きしているだろうか。
料理長フィコの腕にも劣らない、頬が落ちそうな極上の料理を朝昼晩と献上されているだろうか。
なんかカンクロ国に来ちゃったことだし、良い機会だから主にこの大国を持って帰ろうとか野望を企んでいないだろうか――
(いるだろうな……)
フラヴィオの額から溢れ冷や汗が、ベルの枕に滲んでいく。
(頼むから危険なことをしないでくれ、天使軍の問題児。そなたと大国、余にとって本当に必要なのは、どっちか分かっているだろう……)
扉を叩く音がした。
フラヴィオがそちらを見ると、アラブが顔を覗かせた。
「陛下、交代のお時間です」
フェデリコとテンテンが帰ったらしい。
アラブが部屋に入って来ると、続いて2人と本日の送迎係のハナが入ってきた。
その顔々を見れば、訊かずともベルは見つからなかったのだと分かる。
「大丈夫ですか、兄上」
フラヴィオが「うむ」と答えてレットから出ると、フェデリコに瞼にハンカチを当てられた。
溢れ出ていたのは汗だけでは無かったことを知る。
「陛下」とテンテンが、カンクロ国の地図をレットの上に広げた。
「大公閣下とおれは今日、ココとココ、あとココの町を回ってきたんだ」
と町や村を指で差す。
「分かった」と承知したフラヴィオとアラブがどの場所を捜索するか相談する傍ら、フェデリコがまた「大丈夫か?」と、今度はハナの瞼にファッツォレットを当てた。
ベルの親友であるハナが泣いている姿も、頻繁に目撃する。
「もう、あたいも一緒に探すよっ……!」
「それはいけない、ハナ。というか、無理がある」
と、フェデリコがその頭を撫でて宥める。
「君やタロウ、ナナ・ネネは魔力が高過ぎるんだ。モストロの目には目立ち過ぎて、すぐに向こうのカーネ・ロッソたちに密偵だとバレてしまう」
「そうだけどっ……どうしてベルが見つからないんだ! 離宮を全部見つけたらすぐに見つかると思ったのに! なんでっ……なんで!」
戸口から「ごめんなさい」と2つの声が聞こえた。
それはルフィーナとベラドンナで、こちらもまた泣きながら部屋の中に入ってきた。
「ワタシたちが金の腕輪をカンクロの宮廷に置いて来ちゃったからだわ……!」
「だからきっとワン・ジンに気付かれてしまったんです、ごめんなさい……!」
「いや、そなたたちは本当によくやってくれた。もう向こうへ行くのは危険だから、ここで宰相の帰りを待っていてくれ」
とフラヴィオは2人に自身のファッツォレットを渡した後、カンクロ国の地図の一ヵ所を指で差しながらハナを見た。
頷いたハナが、フラヴィオとアラブを連れてテレトラスポルトする。
場所はカンクロ国の副都イビスコ近くにある川岸だった。
イビスコの他、アラブのテレトラスポルトで問題なく届く範囲にはあと2つの町と1つの村があり、どれもまだ捜索していない場所だ。
ハナがカッポットの帽子を深く被った2人の顔を見上げる。
帽子で顔を半分隠したところで、碧眼の絶世の美男と、カンクロ人よりも浅黒い肌と遥かに濃すぎる目鼻立ちを持つ美男では、やはり目立つ。
「通行証を持ってるとはいえ、念のため門番は避けてテレトラスポルトで侵入した方がいいぞ。そこの副都イビスコに入る際も、付近の町と村に入る際にも。どっちも一目で異国人ってバレバレだ。あと人によっては、国をボッコボコのギッタンギッタンにしやがってくれた憎いカプリコルノ人とヴィルジネ人だってすぐに分かるかも。毒矢とか飛んでくるかもしれないから、充分に気を付けてな。じゃ、6時間後にまたここで」
とハナがレオーネ国へ飛んで行った後、アラブはフラヴィオの「行くぞ」の合図で副都イビスコの中へとテレトラスポルトした。
雑踏している町の中を、目立たぬよう俯きがちになって進んでいく。
会話は小声でした。
「ワン・ジンが離宮でない場所にベルさんを匿っているとしたら……いえ、もうそうとしか考えられませんが、厄介なことになりましたね陛下。何せ、カプリコルノ国の8000倍もある大国ですから」
「ああ。だが、そうやってワン・ジンが余からだけではなく、王太后からもベルを守っているというのなら逆に少し気が楽になる――いや、あいつのことはこの先、永遠に許せないがな?」
「ええ、あと王太后もです。人間の女性を酷く嫌っているようですが、それってベルさんだけでなく、カンクロ国の人間が危機に晒されているということでは」
「ああ……もしかしたら、カンクロは内戦勃発寸前なのかもな。ベルが巻き込まれる前に早く見つけ出すぞ」
アラブが「スィー」と返事をしてから5分。
人間よりも優秀なその耳が、遠くの楽器の音を聞き取った。
「ん? 琴の音色か?」
「琴……って、ああ、レオーネ国の弦楽器か。あれってカンクロにもあるのか」
「そのようですね。そういえば、カンクロからレオーネに伝わった楽器だったかな? それにしても見事な演奏です。行ってみましょう」
と、アラブがその音色の聞こえる方へと歩いていく。
フラヴィオも共に付いて行くと、ふと遠くの立派な邸宅の塀の前に人だかりが出来ているのが見えた。
同時にその演奏も聞こえてくる。
「あの邸宅の中から聞こえるようです」
「なんと優雅な演奏よ。きっと奏者も美しいに違いない。早く行ってみよう」
2人がそんな会話をしているとき、琴の音色がぴたりと止んだ。
「あれ」と足が止まる。
「終わってしまいましたね」
「中途半端というか、演奏が不自然に止んだな。待ってれば再開されるんじゃないか?」
「しかし、一ヵ所に長く留まるのは避けた方が良いでしょう」
とアラブが背後の方に目配せをすると、フラヴィオが「そうだな」と小さく溜め息を吐いた。
「もう町の衛兵に怪しまれているようだしな、おまえの顔が濃すぎて」
「いや、陛下が碧眼だからでしょう。金髪だって見えてますし。付近の町と村を回って、また最後にここへ来てみましょう」
「そうしよう」
とフラヴィオがもう一度残念そうに、琴の音色が聞こえた邸宅を見るや否や、アラブがテレトラスポルトで副都イビスコを後にした。
宮廷オルキデーア城の4階の階段脇にある7番目の天使ベルの部屋の中、国王フラヴィオがベッドの枕に顔を埋めて眠っていた。
現在午前1時で夜中ではあるが、熟睡ではなく仮眠だ。
もう少しで、カンクロ国へベルの捜索に行っているフェデリコとテンテンが戻って来る。
そうしたら今度はフラヴィオとアラブが行く番だ。すぐに行けるよう、向こうの庶民を装ったコートをもうすでに着用している。
(どこにいる、ベル……)
ベルが失踪してから1ヵ月以上が経つ。
ルフィーナとベラドンナがカンクロ国の宮廷に侵入した結果、ベルは生きていて、ワン・ジンによって宮廷ではないどこかに匿われているようだと分かった。
すぐにレオーネ国王太子マサムネが密偵をカンクロ国に送り、ベルがいる可能性の高い離宮を短期間ですべて探し出して見せた。
それで無事に見つかるかと思いきや、どの離宮にもベルがいる気配が無いと分かった10月上旬。
カンクロ国と石材貿易の取引日がやって来た。
誰ひとりやって来なかった。
取引の際に何か手掛かりが掴めるかもと少し期待した一方で、それは皆の予想通りだった。
(来られるわけがないのだ。ワン・ジンは、余に後ろめたいことがあるのだから)
その後は密偵に加えてフラヴィオとフェデリコ、アドルフォ、王子たちもマサムネの猫4匹にカンクロ国へ送ってもらい、毎日交代で町や村を捜索している。
でも、一向にベルが見つからない。
尚、ベルが失踪したことは、コラードの戴冠式の翌日にはカプリコルノ国民に伝わっていた。
それまで自ら評判を落としていたベルだったが、なんだかんだ愛する国王と国を支えてきた宰相が居なくなったことは、国民に大きな不安と悲しみを与えたようだった。
町はまるで葬式のようで、先の王妃ヴィットーリアが亡くなった時のことを彷彿とさせる。
フラヴィオはあのときのように、悲しみのあまり自身が誰であるか忘れぬよう、周りのためにも自身のためにも気丈に振る舞っているが、身体の方は正直だった。
食べ物を出される限り延々と受け付けていた胃は日に日に軋み、朝と夜に一人前を食べれば充分だった。
(どこだ…どこにいるのだ、余の大切な7番目の天使……)
もう何十年も会っていないような感じがする。
まずは何よりも、現在も無事でいるかどうかを知りたかった。
酷いことをされていないだろうか。
至宝のように大切に扱われているだろうか。
肌寒くなって来たし、体調を崩してはいないだろうか。
あたたかい部屋と、雲のようにふかふかのレットで寝起きしているだろうか。
料理長フィコの腕にも劣らない、頬が落ちそうな極上の料理を朝昼晩と献上されているだろうか。
なんかカンクロ国に来ちゃったことだし、良い機会だから主にこの大国を持って帰ろうとか野望を企んでいないだろうか――
(いるだろうな……)
フラヴィオの額から溢れ冷や汗が、ベルの枕に滲んでいく。
(頼むから危険なことをしないでくれ、天使軍の問題児。そなたと大国、余にとって本当に必要なのは、どっちか分かっているだろう……)
扉を叩く音がした。
フラヴィオがそちらを見ると、アラブが顔を覗かせた。
「陛下、交代のお時間です」
フェデリコとテンテンが帰ったらしい。
アラブが部屋に入って来ると、続いて2人と本日の送迎係のハナが入ってきた。
その顔々を見れば、訊かずともベルは見つからなかったのだと分かる。
「大丈夫ですか、兄上」
フラヴィオが「うむ」と答えてレットから出ると、フェデリコに瞼にハンカチを当てられた。
溢れ出ていたのは汗だけでは無かったことを知る。
「陛下」とテンテンが、カンクロ国の地図をレットの上に広げた。
「大公閣下とおれは今日、ココとココ、あとココの町を回ってきたんだ」
と町や村を指で差す。
「分かった」と承知したフラヴィオとアラブがどの場所を捜索するか相談する傍ら、フェデリコがまた「大丈夫か?」と、今度はハナの瞼にファッツォレットを当てた。
ベルの親友であるハナが泣いている姿も、頻繁に目撃する。
「もう、あたいも一緒に探すよっ……!」
「それはいけない、ハナ。というか、無理がある」
と、フェデリコがその頭を撫でて宥める。
「君やタロウ、ナナ・ネネは魔力が高過ぎるんだ。モストロの目には目立ち過ぎて、すぐに向こうのカーネ・ロッソたちに密偵だとバレてしまう」
「そうだけどっ……どうしてベルが見つからないんだ! 離宮を全部見つけたらすぐに見つかると思ったのに! なんでっ……なんで!」
戸口から「ごめんなさい」と2つの声が聞こえた。
それはルフィーナとベラドンナで、こちらもまた泣きながら部屋の中に入ってきた。
「ワタシたちが金の腕輪をカンクロの宮廷に置いて来ちゃったからだわ……!」
「だからきっとワン・ジンに気付かれてしまったんです、ごめんなさい……!」
「いや、そなたたちは本当によくやってくれた。もう向こうへ行くのは危険だから、ここで宰相の帰りを待っていてくれ」
とフラヴィオは2人に自身のファッツォレットを渡した後、カンクロ国の地図の一ヵ所を指で差しながらハナを見た。
頷いたハナが、フラヴィオとアラブを連れてテレトラスポルトする。
場所はカンクロ国の副都イビスコ近くにある川岸だった。
イビスコの他、アラブのテレトラスポルトで問題なく届く範囲にはあと2つの町と1つの村があり、どれもまだ捜索していない場所だ。
ハナがカッポットの帽子を深く被った2人の顔を見上げる。
帽子で顔を半分隠したところで、碧眼の絶世の美男と、カンクロ人よりも浅黒い肌と遥かに濃すぎる目鼻立ちを持つ美男では、やはり目立つ。
「通行証を持ってるとはいえ、念のため門番は避けてテレトラスポルトで侵入した方がいいぞ。そこの副都イビスコに入る際も、付近の町と村に入る際にも。どっちも一目で異国人ってバレバレだ。あと人によっては、国をボッコボコのギッタンギッタンにしやがってくれた憎いカプリコルノ人とヴィルジネ人だってすぐに分かるかも。毒矢とか飛んでくるかもしれないから、充分に気を付けてな。じゃ、6時間後にまたここで」
とハナがレオーネ国へ飛んで行った後、アラブはフラヴィオの「行くぞ」の合図で副都イビスコの中へとテレトラスポルトした。
雑踏している町の中を、目立たぬよう俯きがちになって進んでいく。
会話は小声でした。
「ワン・ジンが離宮でない場所にベルさんを匿っているとしたら……いえ、もうそうとしか考えられませんが、厄介なことになりましたね陛下。何せ、カプリコルノ国の8000倍もある大国ですから」
「ああ。だが、そうやってワン・ジンが余からだけではなく、王太后からもベルを守っているというのなら逆に少し気が楽になる――いや、あいつのことはこの先、永遠に許せないがな?」
「ええ、あと王太后もです。人間の女性を酷く嫌っているようですが、それってベルさんだけでなく、カンクロ国の人間が危機に晒されているということでは」
「ああ……もしかしたら、カンクロは内戦勃発寸前なのかもな。ベルが巻き込まれる前に早く見つけ出すぞ」
アラブが「スィー」と返事をしてから5分。
人間よりも優秀なその耳が、遠くの楽器の音を聞き取った。
「ん? 琴の音色か?」
「琴……って、ああ、レオーネ国の弦楽器か。あれってカンクロにもあるのか」
「そのようですね。そういえば、カンクロからレオーネに伝わった楽器だったかな? それにしても見事な演奏です。行ってみましょう」
と、アラブがその音色の聞こえる方へと歩いていく。
フラヴィオも共に付いて行くと、ふと遠くの立派な邸宅の塀の前に人だかりが出来ているのが見えた。
同時にその演奏も聞こえてくる。
「あの邸宅の中から聞こえるようです」
「なんと優雅な演奏よ。きっと奏者も美しいに違いない。早く行ってみよう」
2人がそんな会話をしているとき、琴の音色がぴたりと止んだ。
「あれ」と足が止まる。
「終わってしまいましたね」
「中途半端というか、演奏が不自然に止んだな。待ってれば再開されるんじゃないか?」
「しかし、一ヵ所に長く留まるのは避けた方が良いでしょう」
とアラブが背後の方に目配せをすると、フラヴィオが「そうだな」と小さく溜め息を吐いた。
「もう町の衛兵に怪しまれているようだしな、おまえの顔が濃すぎて」
「いや、陛下が碧眼だからでしょう。金髪だって見えてますし。付近の町と村を回って、また最後にここへ来てみましょう」
「そうしよう」
とフラヴィオがもう一度残念そうに、琴の音色が聞こえた邸宅を見るや否や、アラブがテレトラスポルトで副都イビスコを後にした。
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる