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第15話ー5
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プリームラ町の南側に広がる農村から、少し東に行くと小さな森がある。
秋になると、オルキデーアの農村の豚たちは西の山――コニッリョの山――に入って木の実を食べに行くが、プリームラの農村の豚たちはこの小さな森へとやって来る。
しかし、コニッリョの山ほど木の実は豊富でなく、毎年、オルキデーアの豚たちよりも痩せ細っている状態で屠殺・食用にされていた。
フラヴィオとベル、マサムネ、ファビオがタロウのテレトラスポルトでプリームラの町や村を探し回り、森の手前にやって来たときのこと。
マサムネが「げっ」と呟いた。
森の中から飛び出して来た3匹のコニッリョが、顔色を失ってオルキデーア方面へと脱兎の勢いで逃げていく。
その様子から察したのは、この国の人間とコニッリョの融和計画が、確実に振り出しの方へと戻っていったということだった。
そして、犯人は森の中にいるということだった。
「静かに」
とタロウが、口に人差し指を当てた。
黒猫の耳を澄ませると、森の中の声や音が聞こえてくる。
激しい運動をしているかのような荒々しい呼吸。
何かを叩き切っているかのような音。
男の慟哭。
女の泣き声、震え声、笑い声。
豚の鳴き声。
何かを夢中で貪り食っているかのような、咀嚼音。
木の実?
違う。
もっと硬い何かを、噛み砕く音――
「は……?」
タロウが森の中へと向かって音を立てぬよう歩き出すと、フラヴィオとベル、マサムネ、ファビオの4人はそれに倣って付いていった。
少し進むと、風に乗って漂って来た異臭に一同が眉をひそめた。
やがて先頭のタロウが止まる。
きっと、止まらずにはいられなかったのだろう。
歩くことすら困難なほどに両足が震え、「うっ」と両手で口を塞ぐ。
タロウの背後にいたフラヴィオがその光景を覗くなり、怒号するように声を上げた。
「――見るな、ファビオ!」
ファビオが「え?」と返すと同時に、ベルが咄嗟にその目を両手で覆った。
フラヴィオの視線の先にいる者たちが一斉に硬直し、フラヴィオの前方へと出たマサムネが叫喚する。
「何してんねん、おまえら!」
フラヴィオが腰の剣を、マサムネが刀を抜き、飛び出していく。
ファビオの目を塞ぎながらその光景を確認したベルの顔が真っ青になり、タロウに続いて足が震えていく。
(なんということを……!)
血まみれの斧を持っている4人の若いプリームラ農民の男たちの足元、骨ごと細かく切り刻まれた肉や内臓が散らばっている。
まるで原形を留めていないそれが人間だと分かったのは、女のものだと分かる長い髪が付いた頭皮が見えたからだ。
それに5匹の痩せた家畜の豚が鼻を寄せ、骨を噛み砕きながら貪り食っていた。
そして少し離れたところに、子供から大人まで8人のプリームラ農民の女が後ろ手に縛られ、その首には、スピーナ公爵夫人と3人の娘の他、プリームラ貴族の女たちがナイフを突きつけていた。
フラヴィオとマサムネが刃を振るい、その場にいた豚たちの首を飛ばしていく。
スピーナ公爵夫人たちが逃げ出すと、マサムネが「タロウ!」と叫んだ。
それまで竦んでいたタロウがはっとし、彼女らの前方へとテレトラスポルトした。
衝突する寸前、手をかざして魔法を唱える――
「ラ・ネッビア・デッラ・パラーリズィ!」
彼女たちを白い霧が包み込んでいく。
するとたちまち身体が痺れ、動かせなくなり、紅葉の落ち葉の上に倒れていく。
一方でベルは、必死にファビオの目を塞いでいた。
ファビオが、ベルの手を引き剥がそうとしてくる。
「なりません! ファビオさん、なりません!」
「オ、オイラの妻は、娘は……?」
「駄目です! 見ないで下さい!」
「無事なんだべ? アニェラ…? ピッパ……?」
ベルの小さな手と細腕では、ファビオの力に敵うわけがなかった。
痛いくらいに手首を掴まれ、全身全霊の力を込めて押さえていたのに、あっけなく外される。
「――……え?」
呆然とするファビオを見上げて、溜まらずベルが泣き出した。
ふらふらと歩き出したファビオの片腕を「駄目です!」と引っ張って戻そうとしたが、その大柄な身体は止まることなく、やがて刻まれた肉の残骸の前に膝を付いた。
「何だべ、これ……」
ファビオが辺りを見渡して探す。
「アニェラ…? ピッパ……?」
そして見つけた、小さな頭部。
元の肌が見えぬほどに、血に塗れていた。
顔の右半分が、齧られて無くなっていた。
それでも分かってしまったそれを、長い腕を伸ばして取り、両手の中で見つめ、震え出す。
「う…嘘だべ……嘘だべ、ピッパ……? 嘘だべ……嘘だべ? ピッパ! アニェラ! 嘘だべ、嘘だべ!」
残骸と化した愛娘を胸に抱き締め、号哭するファビオの前に、立ち尽くしていたプリ―ムラ農民4人と、人質に取られていたのだろう女たちが土下座した。
謝罪の言葉を繰り返し叫び、泣き崩れていく。
やがて農民たちは、力の王の足元に縋るように突っ伏していった。
「陛下っ! フラヴィオ・マストランジェロ陛下っ……どうか、オイラたちをお助けくださいだ! お助けくださいだっ……!」
「プリームラ貴族の女たちを、殺してくださいだ! 殺してくださいだっ……!」
そのとき「スィー」と返事をしたのは、力の王の補佐その3――7番目の天使だった。
振り返った一同の目線の先、7番目の天使ベルが濡れた頬を手で拭い、色々な方向を向いて倒れているスピーナ公爵夫人たちの下へと向かっていった。
魔法で身体が麻痺し、動けない彼女たちの顔々を見下ろしながら、その周りをゆっくりと歩いていく。
「プリームラの貴婦人、並びにご令嬢の方々。まずはお知らせがございます。ファビオさんは、『天使殺し』を未遂に終わっております」
スピーナ公爵夫人たちの瞳が、一斉にファビオを見た。睨んでいるのだと分かる。
「本来ならば『天使殺し』を企んだ時点で大逆罪ですが、あなた方に脅迫された上でのこと故、罪は軽くなるでしょう。それは、あちらのプリームラ農民の男性4人もです」
彼女らの瞳が、今度はベルを睨み付ける。
「あなた方は純朴な農民を脅迫し、罪を犯させました。わずか2歳ばかりの幼子までも強姦させ、殺させ、そのご遺体を切り刻ませ、家畜に与えて証拠隠滅を謀りました。すべてはあなた方が、あなた方の企んだ『天使殺し』の大逆罪から逃れるために。発端は、『税金』ですか? 一般民衆の減税、貴族の課税について陛下に提言したのはパオラさんではなく、この私です。お門違いです。大体、あなた方は命より、お金が大切だと仰るのですか?」
公爵夫人が、ベルを嘲るように笑ったのが分かった。
ベルから小さく溜め息が漏れる。
「あなた方は、こんな風に思っているのでしょうね……陛下が『女性』を、しかも『貴族』であるあなた方を、大逆罪にするわけがないと。死刑になど、まず出来るわけがないと」
フラヴィオがはっと息を呑んだ。
自身の顔面を殴り付けたい衝動に駆られたところ、代わりにマサムネが「どあほう!」と声を荒げ、胸元を強くどついてくれた。
完全に舐められていた。
元を辿れば、この酒池肉林王の『甘さ』が招いたと言っても過言ではなかった。
ベルの栗色の瞳が、フラヴィオを捉える。
「フラヴィオ様はそれで良いのです」
穏やかな声だった。
「その優しさが、国民の女性を笑顔にさせているのですから」
その後、「ただ」と続いた声は厳しくなっていた。
「今後は、公正な裁決をお願い致します。『女性』という理由で免罪、減刑していては、男性の信頼を失ってしまいます」
返す言葉も無いフラヴィオに対し、「そして」と続けた次のベルの言葉に、そこにいるすべての者が耳を疑った。
「女性の処刑は、私が受け持ちます」
プリームラ貴婦人・令嬢の瞳が揺れ動いた。
たちまち込み上げてきた恐怖に、酒池肉林王を見つめ、心の中で助けを求めて叫喚する。
その胸中は手に取るようにフラヴィオに伝わったが、同様に揺れ動くその碧眼は、彼女らを見つめ、ベルを見つめ、また彼女らを見つめて、やがて逸れていった。
「――……申し訳ない」
彼女らの瞳が絶望に染まったとき、それまでゆっくりと彼女らの周りを回っていた小さな足が、スピーナ公爵夫人の頭上で止まった。
「よろしいですか、プリームラの貴婦人、ご令嬢方。あなた方は、言語道断の悪辣・卑劣極まりない極悪人でございます。その上、『天使殺し』の大逆罪となれば、もともと貴族だろうと問答無用、裁判すら無用。泣こうが喚こうが、万死に値します」
小さな身体がゆっくりと折れ曲がり、スピーナ公爵夫人の顔を覗き込んだ。
「楽に死ねると、思わないで下さい?」
秋になると、オルキデーアの農村の豚たちは西の山――コニッリョの山――に入って木の実を食べに行くが、プリームラの農村の豚たちはこの小さな森へとやって来る。
しかし、コニッリョの山ほど木の実は豊富でなく、毎年、オルキデーアの豚たちよりも痩せ細っている状態で屠殺・食用にされていた。
フラヴィオとベル、マサムネ、ファビオがタロウのテレトラスポルトでプリームラの町や村を探し回り、森の手前にやって来たときのこと。
マサムネが「げっ」と呟いた。
森の中から飛び出して来た3匹のコニッリョが、顔色を失ってオルキデーア方面へと脱兎の勢いで逃げていく。
その様子から察したのは、この国の人間とコニッリョの融和計画が、確実に振り出しの方へと戻っていったということだった。
そして、犯人は森の中にいるということだった。
「静かに」
とタロウが、口に人差し指を当てた。
黒猫の耳を澄ませると、森の中の声や音が聞こえてくる。
激しい運動をしているかのような荒々しい呼吸。
何かを叩き切っているかのような音。
男の慟哭。
女の泣き声、震え声、笑い声。
豚の鳴き声。
何かを夢中で貪り食っているかのような、咀嚼音。
木の実?
違う。
もっと硬い何かを、噛み砕く音――
「は……?」
タロウが森の中へと向かって音を立てぬよう歩き出すと、フラヴィオとベル、マサムネ、ファビオの4人はそれに倣って付いていった。
少し進むと、風に乗って漂って来た異臭に一同が眉をひそめた。
やがて先頭のタロウが止まる。
きっと、止まらずにはいられなかったのだろう。
歩くことすら困難なほどに両足が震え、「うっ」と両手で口を塞ぐ。
タロウの背後にいたフラヴィオがその光景を覗くなり、怒号するように声を上げた。
「――見るな、ファビオ!」
ファビオが「え?」と返すと同時に、ベルが咄嗟にその目を両手で覆った。
フラヴィオの視線の先にいる者たちが一斉に硬直し、フラヴィオの前方へと出たマサムネが叫喚する。
「何してんねん、おまえら!」
フラヴィオが腰の剣を、マサムネが刀を抜き、飛び出していく。
ファビオの目を塞ぎながらその光景を確認したベルの顔が真っ青になり、タロウに続いて足が震えていく。
(なんということを……!)
血まみれの斧を持っている4人の若いプリームラ農民の男たちの足元、骨ごと細かく切り刻まれた肉や内臓が散らばっている。
まるで原形を留めていないそれが人間だと分かったのは、女のものだと分かる長い髪が付いた頭皮が見えたからだ。
それに5匹の痩せた家畜の豚が鼻を寄せ、骨を噛み砕きながら貪り食っていた。
そして少し離れたところに、子供から大人まで8人のプリームラ農民の女が後ろ手に縛られ、その首には、スピーナ公爵夫人と3人の娘の他、プリームラ貴族の女たちがナイフを突きつけていた。
フラヴィオとマサムネが刃を振るい、その場にいた豚たちの首を飛ばしていく。
スピーナ公爵夫人たちが逃げ出すと、マサムネが「タロウ!」と叫んだ。
それまで竦んでいたタロウがはっとし、彼女らの前方へとテレトラスポルトした。
衝突する寸前、手をかざして魔法を唱える――
「ラ・ネッビア・デッラ・パラーリズィ!」
彼女たちを白い霧が包み込んでいく。
するとたちまち身体が痺れ、動かせなくなり、紅葉の落ち葉の上に倒れていく。
一方でベルは、必死にファビオの目を塞いでいた。
ファビオが、ベルの手を引き剥がそうとしてくる。
「なりません! ファビオさん、なりません!」
「オ、オイラの妻は、娘は……?」
「駄目です! 見ないで下さい!」
「無事なんだべ? アニェラ…? ピッパ……?」
ベルの小さな手と細腕では、ファビオの力に敵うわけがなかった。
痛いくらいに手首を掴まれ、全身全霊の力を込めて押さえていたのに、あっけなく外される。
「――……え?」
呆然とするファビオを見上げて、溜まらずベルが泣き出した。
ふらふらと歩き出したファビオの片腕を「駄目です!」と引っ張って戻そうとしたが、その大柄な身体は止まることなく、やがて刻まれた肉の残骸の前に膝を付いた。
「何だべ、これ……」
ファビオが辺りを見渡して探す。
「アニェラ…? ピッパ……?」
そして見つけた、小さな頭部。
元の肌が見えぬほどに、血に塗れていた。
顔の右半分が、齧られて無くなっていた。
それでも分かってしまったそれを、長い腕を伸ばして取り、両手の中で見つめ、震え出す。
「う…嘘だべ……嘘だべ、ピッパ……? 嘘だべ……嘘だべ? ピッパ! アニェラ! 嘘だべ、嘘だべ!」
残骸と化した愛娘を胸に抱き締め、号哭するファビオの前に、立ち尽くしていたプリ―ムラ農民4人と、人質に取られていたのだろう女たちが土下座した。
謝罪の言葉を繰り返し叫び、泣き崩れていく。
やがて農民たちは、力の王の足元に縋るように突っ伏していった。
「陛下っ! フラヴィオ・マストランジェロ陛下っ……どうか、オイラたちをお助けくださいだ! お助けくださいだっ……!」
「プリームラ貴族の女たちを、殺してくださいだ! 殺してくださいだっ……!」
そのとき「スィー」と返事をしたのは、力の王の補佐その3――7番目の天使だった。
振り返った一同の目線の先、7番目の天使ベルが濡れた頬を手で拭い、色々な方向を向いて倒れているスピーナ公爵夫人たちの下へと向かっていった。
魔法で身体が麻痺し、動けない彼女たちの顔々を見下ろしながら、その周りをゆっくりと歩いていく。
「プリームラの貴婦人、並びにご令嬢の方々。まずはお知らせがございます。ファビオさんは、『天使殺し』を未遂に終わっております」
スピーナ公爵夫人たちの瞳が、一斉にファビオを見た。睨んでいるのだと分かる。
「本来ならば『天使殺し』を企んだ時点で大逆罪ですが、あなた方に脅迫された上でのこと故、罪は軽くなるでしょう。それは、あちらのプリームラ農民の男性4人もです」
彼女らの瞳が、今度はベルを睨み付ける。
「あなた方は純朴な農民を脅迫し、罪を犯させました。わずか2歳ばかりの幼子までも強姦させ、殺させ、そのご遺体を切り刻ませ、家畜に与えて証拠隠滅を謀りました。すべてはあなた方が、あなた方の企んだ『天使殺し』の大逆罪から逃れるために。発端は、『税金』ですか? 一般民衆の減税、貴族の課税について陛下に提言したのはパオラさんではなく、この私です。お門違いです。大体、あなた方は命より、お金が大切だと仰るのですか?」
公爵夫人が、ベルを嘲るように笑ったのが分かった。
ベルから小さく溜め息が漏れる。
「あなた方は、こんな風に思っているのでしょうね……陛下が『女性』を、しかも『貴族』であるあなた方を、大逆罪にするわけがないと。死刑になど、まず出来るわけがないと」
フラヴィオがはっと息を呑んだ。
自身の顔面を殴り付けたい衝動に駆られたところ、代わりにマサムネが「どあほう!」と声を荒げ、胸元を強くどついてくれた。
完全に舐められていた。
元を辿れば、この酒池肉林王の『甘さ』が招いたと言っても過言ではなかった。
ベルの栗色の瞳が、フラヴィオを捉える。
「フラヴィオ様はそれで良いのです」
穏やかな声だった。
「その優しさが、国民の女性を笑顔にさせているのですから」
その後、「ただ」と続いた声は厳しくなっていた。
「今後は、公正な裁決をお願い致します。『女性』という理由で免罪、減刑していては、男性の信頼を失ってしまいます」
返す言葉も無いフラヴィオに対し、「そして」と続けた次のベルの言葉に、そこにいるすべての者が耳を疑った。
「女性の処刑は、私が受け持ちます」
プリームラ貴婦人・令嬢の瞳が揺れ動いた。
たちまち込み上げてきた恐怖に、酒池肉林王を見つめ、心の中で助けを求めて叫喚する。
その胸中は手に取るようにフラヴィオに伝わったが、同様に揺れ動くその碧眼は、彼女らを見つめ、ベルを見つめ、また彼女らを見つめて、やがて逸れていった。
「――……申し訳ない」
彼女らの瞳が絶望に染まったとき、それまでゆっくりと彼女らの周りを回っていた小さな足が、スピーナ公爵夫人の頭上で止まった。
「よろしいですか、プリームラの貴婦人、ご令嬢方。あなた方は、言語道断の悪辣・卑劣極まりない極悪人でございます。その上、『天使殺し』の大逆罪となれば、もともと貴族だろうと問答無用、裁判すら無用。泣こうが喚こうが、万死に値します」
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