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第10話-1 友人
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「天使軍元帥閣下よ、助けてくれー」
と、寝室のベッドの中。
フラヴィオが滅入った様子で、天使軍元帥こと王妃ヴィットーリア――妻の胸に抱き付くと、「ほほほ」と愉快そうな笑い声が返って来た。
「全く面白くないぞ」
とフラヴィオが顔を上げて口を尖らせると、ヴィットーリアはフラヴィオを宥めるように抱き締めた。
「天使軍の『優等生』だと思ってのう、7番目の天使は」
「『問題児』の間違いだ、7番目の天使――ベルはっ……!」
「まぁ、そなたの気持ちを考えればそうかもしれぬ。しかし、そなたの助けになることは天使の仕事のひとつなのじゃ。私はベルを誉めてやりたい」
「誉めないで叱ってくれ。天使称号を剥奪すると言えば反省して謝りに来ると思ったのに、その気配がないってどういうことだ。さっきの晩餐の席でも、余はベルのすぐ隣でまともに口を聞いてやらず、怒った顔をしていたのに何も言わん。天使じゃなくなったら身の安全が無くなることは分かっている筈なのに、それでもまだモストロと結婚して子供を産むとか馬鹿なことを考えているというのか?」
ヴィットーリアがまた「ほほほ」と笑った。
「そう怒るでない、『優等生』を」
「だから『問題児』だ」
「『優等生』じゃ、天使軍一のな。言ったではないか、ベルは己の命と引き換えにでもそなたを守ると。ベルにとって、別に好きでもない男が相手だろうがモストロが相手だろうが、結婚して子を作り、産むことくらいどうってことないということじゃ。例え、民衆から罵詈雑言や石、ゴミを投げかけられようがな。ベルの過去を思えば、尚のことそなたには堪えがたいことだとも分かるが、実際その結果、国は良い方へ向かうじゃろう。それに私はそなたに側室が出来ても気にせぬが、そなたの方は乗り気でないようだし、ベラやアリー、妻を愛するフェーデやドルフ――つまりそなたの大切な者たちだって、側室が出来るとなると少なからず傷付いてしまうからのう。ベルは、そのことも考えてのことじゃろうて。いやいやまったく、『優等生』には天晴れじゃ」
「いいや、『問題児』だ。これまで天使軍の問題児といったらベラだったから、ベルは『問題児その2』だ。ベルは肝心な余の気持ちを軽く考えている」
「それはない。ただ少し、自身がどれだけ大切にされているか分かっていないようには感じる。ベルと話していると、どうも必要以上に卑下しているというか……」
それはフラヴィオも感じていた。
この国ならではの『天使』という称号は、身分で言ったら貴族と同等か、その貴族にも守られる存在なのだからそれ以上と言っても良い。
それにも関わらず、生まれが農民で、また過去10年の間に奴隷とされていたせいか、ベルはやたらと自己評価が低い。
フラヴィオは長嘆息すると、再びヴィットーリアの胸に顔を埋めた。
「明日も余が怒った顔をして口を聞かなかったら、流石に分かってくれるだろうか」
「大丈夫かえ、フラヴィオや? さっきの晩餐会ですら、ベルを抱っこしたくてうずうずしていた癖に」
「が……頑張るのだ」
とそこへ、扉を叩く音と、マサムネの声が廊下から聞こえて来た。
「なぁ、フラビー? まだ起きとるやろー?」
ふと、フラヴィオの眉間に皺が寄る。
マサムネは昨夜の晩餐会では『側室』の件であんなにうるさかったのに、さっきの晩餐会ではもう何も言わなくなっていた。
やたらと上機嫌で、向かいの席のベルとばかり話していた。
「ムネの奴、どうも不審なんだよな……」
フラヴィオはレットから出ると、戸口の方へと歩いて行って扉を開けた。
そこにはマサムネの他、タロウとハナ、そしてベルがいた。
そのベルの小さな肩をマサムネが抱いていて、少しムッとする。
それは表情に出たらしく、ハナが「オイ」と言ってベルの肩を抱いているマサムネの手を叩いて離させた。
フラヴィオが何の用かと問うと、マサムネが答えた。
「あんな? 明日、ワイら国に帰るやろ? そんとき、ベルも連れてくわ」
「は?」
「い、1日だけだよ、1日だけ!」
と慌てた様子で声を上げたタロウが、フラヴィオの顔色をうかがいながら続ける。
「ほ、ほら、ベルってレオーネ国に来たことないでしょ? せっかく仲良くなったことだし、観光に連れて行ってあげたいなって……」
ハナも続く。
「心配するな、フラビー。本当にただの観光だし、あたいと兄貴も一緒だ。ベルには常に、バッリエーラを五重掛けしておくからさ」
バッリエーラは、人間の目には見えない魔法の盾だ。
王太子付きのタロウとハナのバッリエーラは優秀で、五重掛けともなれば早々破られるものじゃない。
そういう意味では安心だった。
しかし、ベルが自身の目の届かぬところに行くというだけで、フラヴィオは憂惧してしまう。
承知の返事をしないフラヴィオに向かって、マサムネが短く笑ってこう言った。
「ええやろ、別に? おまえ、さっきの晩餐会の時、ずーっとずーっとベルが目障りそうやったし。天使称号を剥奪する気もあるくらいやから、もうベルいらへんのやろ? ワイはこのめっちゃ優秀な天使が心底気に入ったから、喉から手ぇ出るほど欲しいから、うちの国気に入ってもらえるよう観光案内すんのや」
怒声を上げそうになったフラヴィオだったが、ぐっと堪えてベルを見た。
見たといっても、ほとんど睨まれているベルが口を開く。
「ご許可を頂けますか?」
どうやら、ベルの意思でもあるらしい。
そう思ったら尚のこと苛立ちを覚えてしまい、声高気味にこう答えていた。
「好きにするが良い」
「あっそー、ほなするわー」
と軽い口調で返したマサムネに扉を閉められると、フラヴィオは頬を膨らませて部屋の中央まで歩いて行った。
と思ったら、くるりと踵を返して戸口へと向かって行き。
廊下に出るのかと思いきやまた戻って来て、また行っての繰り返しだった。
部屋の中央に戻って来たところで、レットに横臥しているヴィットーリアが「フラヴィオや」と呼ぶと、ようやく立ち止まった。
「ベルは、余と『86400秒』もの時間を離れていても平気だというのか!」
「たった『1日』じゃ。わざわざ秒にして考えるでない。ベルが行くとなると、ティーナも行きたいと騒ぐじゃろうな」
「更に心配ではないか!」
「明日はフェーデの休日ではあるが」
そうだった、ここはフェデリコにベルとヴァレンティーナの護衛を頼もうと、フラヴィオが戸口の方へ向かって行く途中、ヴィットーリアの言葉は続く。
「アリーが久々に夫婦でデートじゃと、嬉しそうに言っておった」
「む……じゃ、駄目だ」
と、また部屋の中央に戻って来たと思ったフラヴィオ。
立ち止まって、腕組みして、片方の靴を鳴らしながら黙考して数分後。
結局、戸口の方へと向かって行った。
そして隣の部屋――フェデリコ・アリーチェ夫妻の部屋の前まで足早に歩いて行き、その扉を叩いた。
コンコンと軽く2回叩く予定だったが、ゴゴゴゴゴッとぶっ叩いてしまう。
「フェーデ起きてるか、フェーデ!」
もしや夜襲かと、慌てて戸口にやって来て扉を開けたフェデリコは半裸だった。
扉の隙間から、部屋の奥のレットに横たわるアリーチェの露出した肩が見える。
「マストランジェロ一族の男としての、重大な夜間任務を遂行中に申し訳ない」
「ぎりぎり遂行『前』です。どうしました、兄上」
「明日の休日はアリーとアップンタメントらしいな、それは素晴らしい、アリーを存分に楽しませて来るんだぞ。アップンタメントの場所は決まっているのか? あぁ、決まっていなかったか、そうか。では兄上が、アリーが喜んでくれる『国』を教えてやろう」
突如嫌な予感がして、フェデリコの眉間に皺が寄る。
フラヴィオの笑顔が妙に不自然だ。
大体、アップンタメントの場所は決まっていて、久々に城下のオルキデーア町でゆっくり過ごす予定なのだ。
ていうか今、その『場所』が規模のでかいことに『国』とか言ったのは気のせいだろうか。
「どこかって? この小さな島よりも40倍近く広大で、この宝島にも負けじと裕福で、虫一匹殺せぬほど心優しいアリーの好きな動物――ていうかモストロ――とも仲良しこよしの楽園……そう、レオーネ国だ! さぁ、フェーデ!」
と、フェデリコの肩を叩いたフラヴィオの碧眼は、涙ぐんでいた。
「行って来てくれ……頼むっ……!」
「………………」
どうやら明日は、『仕事』らしい。
と、寝室のベッドの中。
フラヴィオが滅入った様子で、天使軍元帥こと王妃ヴィットーリア――妻の胸に抱き付くと、「ほほほ」と愉快そうな笑い声が返って来た。
「全く面白くないぞ」
とフラヴィオが顔を上げて口を尖らせると、ヴィットーリアはフラヴィオを宥めるように抱き締めた。
「天使軍の『優等生』だと思ってのう、7番目の天使は」
「『問題児』の間違いだ、7番目の天使――ベルはっ……!」
「まぁ、そなたの気持ちを考えればそうかもしれぬ。しかし、そなたの助けになることは天使の仕事のひとつなのじゃ。私はベルを誉めてやりたい」
「誉めないで叱ってくれ。天使称号を剥奪すると言えば反省して謝りに来ると思ったのに、その気配がないってどういうことだ。さっきの晩餐の席でも、余はベルのすぐ隣でまともに口を聞いてやらず、怒った顔をしていたのに何も言わん。天使じゃなくなったら身の安全が無くなることは分かっている筈なのに、それでもまだモストロと結婚して子供を産むとか馬鹿なことを考えているというのか?」
ヴィットーリアがまた「ほほほ」と笑った。
「そう怒るでない、『優等生』を」
「だから『問題児』だ」
「『優等生』じゃ、天使軍一のな。言ったではないか、ベルは己の命と引き換えにでもそなたを守ると。ベルにとって、別に好きでもない男が相手だろうがモストロが相手だろうが、結婚して子を作り、産むことくらいどうってことないということじゃ。例え、民衆から罵詈雑言や石、ゴミを投げかけられようがな。ベルの過去を思えば、尚のことそなたには堪えがたいことだとも分かるが、実際その結果、国は良い方へ向かうじゃろう。それに私はそなたに側室が出来ても気にせぬが、そなたの方は乗り気でないようだし、ベラやアリー、妻を愛するフェーデやドルフ――つまりそなたの大切な者たちだって、側室が出来るとなると少なからず傷付いてしまうからのう。ベルは、そのことも考えてのことじゃろうて。いやいやまったく、『優等生』には天晴れじゃ」
「いいや、『問題児』だ。これまで天使軍の問題児といったらベラだったから、ベルは『問題児その2』だ。ベルは肝心な余の気持ちを軽く考えている」
「それはない。ただ少し、自身がどれだけ大切にされているか分かっていないようには感じる。ベルと話していると、どうも必要以上に卑下しているというか……」
それはフラヴィオも感じていた。
この国ならではの『天使』という称号は、身分で言ったら貴族と同等か、その貴族にも守られる存在なのだからそれ以上と言っても良い。
それにも関わらず、生まれが農民で、また過去10年の間に奴隷とされていたせいか、ベルはやたらと自己評価が低い。
フラヴィオは長嘆息すると、再びヴィットーリアの胸に顔を埋めた。
「明日も余が怒った顔をして口を聞かなかったら、流石に分かってくれるだろうか」
「大丈夫かえ、フラヴィオや? さっきの晩餐会ですら、ベルを抱っこしたくてうずうずしていた癖に」
「が……頑張るのだ」
とそこへ、扉を叩く音と、マサムネの声が廊下から聞こえて来た。
「なぁ、フラビー? まだ起きとるやろー?」
ふと、フラヴィオの眉間に皺が寄る。
マサムネは昨夜の晩餐会では『側室』の件であんなにうるさかったのに、さっきの晩餐会ではもう何も言わなくなっていた。
やたらと上機嫌で、向かいの席のベルとばかり話していた。
「ムネの奴、どうも不審なんだよな……」
フラヴィオはレットから出ると、戸口の方へと歩いて行って扉を開けた。
そこにはマサムネの他、タロウとハナ、そしてベルがいた。
そのベルの小さな肩をマサムネが抱いていて、少しムッとする。
それは表情に出たらしく、ハナが「オイ」と言ってベルの肩を抱いているマサムネの手を叩いて離させた。
フラヴィオが何の用かと問うと、マサムネが答えた。
「あんな? 明日、ワイら国に帰るやろ? そんとき、ベルも連れてくわ」
「は?」
「い、1日だけだよ、1日だけ!」
と慌てた様子で声を上げたタロウが、フラヴィオの顔色をうかがいながら続ける。
「ほ、ほら、ベルってレオーネ国に来たことないでしょ? せっかく仲良くなったことだし、観光に連れて行ってあげたいなって……」
ハナも続く。
「心配するな、フラビー。本当にただの観光だし、あたいと兄貴も一緒だ。ベルには常に、バッリエーラを五重掛けしておくからさ」
バッリエーラは、人間の目には見えない魔法の盾だ。
王太子付きのタロウとハナのバッリエーラは優秀で、五重掛けともなれば早々破られるものじゃない。
そういう意味では安心だった。
しかし、ベルが自身の目の届かぬところに行くというだけで、フラヴィオは憂惧してしまう。
承知の返事をしないフラヴィオに向かって、マサムネが短く笑ってこう言った。
「ええやろ、別に? おまえ、さっきの晩餐会の時、ずーっとずーっとベルが目障りそうやったし。天使称号を剥奪する気もあるくらいやから、もうベルいらへんのやろ? ワイはこのめっちゃ優秀な天使が心底気に入ったから、喉から手ぇ出るほど欲しいから、うちの国気に入ってもらえるよう観光案内すんのや」
怒声を上げそうになったフラヴィオだったが、ぐっと堪えてベルを見た。
見たといっても、ほとんど睨まれているベルが口を開く。
「ご許可を頂けますか?」
どうやら、ベルの意思でもあるらしい。
そう思ったら尚のこと苛立ちを覚えてしまい、声高気味にこう答えていた。
「好きにするが良い」
「あっそー、ほなするわー」
と軽い口調で返したマサムネに扉を閉められると、フラヴィオは頬を膨らませて部屋の中央まで歩いて行った。
と思ったら、くるりと踵を返して戸口へと向かって行き。
廊下に出るのかと思いきやまた戻って来て、また行っての繰り返しだった。
部屋の中央に戻って来たところで、レットに横臥しているヴィットーリアが「フラヴィオや」と呼ぶと、ようやく立ち止まった。
「ベルは、余と『86400秒』もの時間を離れていても平気だというのか!」
「たった『1日』じゃ。わざわざ秒にして考えるでない。ベルが行くとなると、ティーナも行きたいと騒ぐじゃろうな」
「更に心配ではないか!」
「明日はフェーデの休日ではあるが」
そうだった、ここはフェデリコにベルとヴァレンティーナの護衛を頼もうと、フラヴィオが戸口の方へ向かって行く途中、ヴィットーリアの言葉は続く。
「アリーが久々に夫婦でデートじゃと、嬉しそうに言っておった」
「む……じゃ、駄目だ」
と、また部屋の中央に戻って来たと思ったフラヴィオ。
立ち止まって、腕組みして、片方の靴を鳴らしながら黙考して数分後。
結局、戸口の方へと向かって行った。
そして隣の部屋――フェデリコ・アリーチェ夫妻の部屋の前まで足早に歩いて行き、その扉を叩いた。
コンコンと軽く2回叩く予定だったが、ゴゴゴゴゴッとぶっ叩いてしまう。
「フェーデ起きてるか、フェーデ!」
もしや夜襲かと、慌てて戸口にやって来て扉を開けたフェデリコは半裸だった。
扉の隙間から、部屋の奥のレットに横たわるアリーチェの露出した肩が見える。
「マストランジェロ一族の男としての、重大な夜間任務を遂行中に申し訳ない」
「ぎりぎり遂行『前』です。どうしました、兄上」
「明日の休日はアリーとアップンタメントらしいな、それは素晴らしい、アリーを存分に楽しませて来るんだぞ。アップンタメントの場所は決まっているのか? あぁ、決まっていなかったか、そうか。では兄上が、アリーが喜んでくれる『国』を教えてやろう」
突如嫌な予感がして、フェデリコの眉間に皺が寄る。
フラヴィオの笑顔が妙に不自然だ。
大体、アップンタメントの場所は決まっていて、久々に城下のオルキデーア町でゆっくり過ごす予定なのだ。
ていうか今、その『場所』が規模のでかいことに『国』とか言ったのは気のせいだろうか。
「どこかって? この小さな島よりも40倍近く広大で、この宝島にも負けじと裕福で、虫一匹殺せぬほど心優しいアリーの好きな動物――ていうかモストロ――とも仲良しこよしの楽園……そう、レオーネ国だ! さぁ、フェーデ!」
と、フェデリコの肩を叩いたフラヴィオの碧眼は、涙ぐんでいた。
「行って来てくれ……頼むっ……!」
「………………」
どうやら明日は、『仕事』らしい。
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