異世界に転生したら風俗商会の女主になっていた！？

第9章

半ば

 北のナティーニノーベに行く事になったエリザベス達は荷物をまとめると、店の前に出た。
 前には待たせていた仕入れ担当のケンタウロス、サベール・ビバッナとヌニーナ・ナムーカトが天幕が付いた馬車を下半身である馬の部分に付けて、待機していた。

「マスター、今日は北行きの港までいいんでしたよね？」
「そうそう」
「んじゃ、荷台に荷物乗せたら、そのまま中にいてくださいな」
「はいよ～」

 エリザベスとナユミが荷台にトランクを乗せてる間、二人のケンタウロスはの港までの打ち合わせを確認しあっていた。

「積んだよ～」
「分かりましたっ！行くぜ相棒！」
「あいさ～」

 ずいぶん気合いの入った掛け声をしたサベールと対照的なヌニーナが、ゆっくりと進み出した。
 今頃だが、港まで転移指輪などで転移した方がいいと思う人もいるだろう。
 しかしエリザベスは、ただでさえ前世で趣味と言う趣味がなかった。その為、この異世界で野宿と言う物が楽しく思える。

「ホント……楽しい事を見つけないとやっていけないよなぁ………」
「ん？ 何か言いました？」

 ナユミに独り言を聞かれたが、「ナユミは何か楽しい事とか仕事の疲れがぶっ飛びそうな事ある？」って逆に質問した。

「お恥ずかしながら自分の尻尾をブラッシングしたりですかね」
「前のお二人さんは何か楽しい事とかある？」
「そうさなぁ……あたいは平原を全力疾走して、風を感じる事が好きさなぁ！」
「私は～寝る前に本を読む事が好きですね～♪」

 確かナユミは前にも言ってたなぁっと思いながらも、寝る前に読書とかもいいなぁっと感じたエリザベスは、他にも楽しい事をしようかと考えた。

「マスターは何かあるんですかい？」

 サベールが聞いて来たのが、今のところ魔法を使った実験や魔法を使う事、野宿以外で面白い事がないが、「うーん、お店の皆と遊んだり話したりする事や魔法を使う事かなぁ」っとホントの事を伝えた。