〜死ねない男〜原始時代に戻る

第十七話 成功

星野の腕が隕石に向かって伸びた。隕石の先端が拳に当たる。
そして、星野の拳は腕ごと吹っ飛んだ。
「え？」
残り30ｃｍ、20ｃｍ
「嘘だろ？」
残り10ｃｍ、まるで全てが止まったようだ。星野は目を閉じた。
「（そうだ、別に俺がやる必要などない、死んでまた復活せれば・・・）」
「アルマはどうなるんだ？」
「は？」
ソエダがいた。
「アルマさんはどうなるんですか？神様！」
「わからない、もう疲れたよ！俺がなんでこんなことに・・・」
「神様、あなたはなぜここいる？あなたは選ばれたのではないんですか？」
「俺が何に選ばれたって言うんだ？」
「＃＃＃＃＃」
星野は目を開けた。左手を思い切り振った、隕石に当たる。
バン！
隕石が粉々になった。星野の腕が消えている。
「星野、お前・・・どうやって・・・」
「はは、俺も知らねえよ・・・」
星野がその場に倒れた。体が回復した。再び目が開く。
「こういうのが嫌なんだよ、何度倒れても起き上がる。俺は何度も死のうとした、死にたかった・・・俺は死なないよりかは、死ねないって言う方が正しいと思わないか？」
「俺に聞かれても・・・」
～～～
当たりが完全に地獄絵図と化していた。星野はアルマを背負ってその中を歩く。
「一瞬で日常は崩れた、前にもあったな・・・」
「そうなのか？」
アルマが痛い痛いと叫びながら聞いた。
「本当に一瞬だったよ。今まで俺が積み上げてきた全てが、一瞬で崩れ落ちたよ」
「・・・」
星野は田中の家の方向へと走り続けた。大体の方向は合っている。残りは運命に託そうとしていた。
四方八方から焦げ臭い匂いがする。大規模の森火事になっているのだ。
「くそ！こっちはダメだ！」
火が星野を囲もうとしている。
裸足で火の上を踏み、逃げ出せた。しかし、流星群による被害の範囲は非常に大きく、どこに行っても火だらけだった。
「どこもかしこも熱いな！このまま死んだ方が良くね？」
冗談半分で話かけた星野だが、アルマは真剣に受け取ってしまった。
「やめろ！俺を道連れにするな！お願いだ！まだ死に・・・」
「黙れ、ただのジョークだろうが」
「今はジョークをする時間じゃねえだろ！」
遠く空の上で何かが光った。
「あの赤いやつ・・・なんだ？」
空中で止まり、発光している。
「信号弾か！？」
星野は考える暇もなく、足を動かし続けた。両足がすでに火だるまになっている。やけどによる痛みが、休むことなく伝わっている。
「ここ知ってるぞ！」
星野が田中と一緒にクエストを完了した場所だ。
「やっぱり来やがったか・・・星野」
「田中お前・・・」
隕石が田中のログハウスに直撃していて、瓦礫に田中が挟まっている。
「何回か逝ってたんだが、それでも抜け出せねえんだよ」
星野はアルマを木のそばに置いた。
RPGを取り出す。
「お前と俺が一緒にやったクエストの報酬だ。覚えてる？」
星野が自慢げに言い、後ろに下がった。田中の挟まっている瓦礫に標準を合わせた。
「行け！」
ボン！プッシュ～
to be continued···