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第二十六話 終戦
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中国市街地
そこには戦車や兵士がたくさんいた。迫り来るゴーストの少しでも足止めになろうとしている。そこに現れたのは、一人の頭を持った白い生命体。
生命体は戦車や兵士の前でこう言った。
「我々は勝利した。人類はゴーストに勝ったのだ!」
ロシア語だが、翻訳機があったため、何を言ってるのかはすぐにわかった。
それを聞いた兵士たちは武器を捨てて歓声を上げた。アダムはゴーストの中から出てきた。まだ黒くなってないのは右手の人差し指の先端だけだった。
アダムは父の頭を抱えて戦車の後ろに行った。そこにはロッチが乗っているヘリコプターがあった。
「ありがとう・・・」
「僕の父さんだったんですね。」
「・・・」
ヘリコプターが飛び上がった。
「言ったら邪魔になると思って・・・ごめんな」
「これからどうするつもりですか?僕は家に戻ります。」
「家って?」
「僕の故郷です。」
~1ヶ月後~
中国政府はこの間、誰に関わらず空も陸も海も国境を越えることを許さなかった。そして、やっと国境が開放されたのだ。
アダムが乗っていた飛行機がロシアのXX空港に着いた。滑走路は綺麗だったが、空港内部は荒れ放題で、多くの死体やゴキブリ、ネズミがいた。
アダムはガルクを連れて車に乗った。ガルクも自分の故郷に戻りたかったのだ。
車が街に着いた。道路にはバリケードがあり、これ以上の車での走行は不可能となった。すると、アダムは車を降りた。そして、一人でに歩き出す。
「ここは・・・」
アダムがまだ3年生の頃に、トルターと一緒にヘリコプターで避難したところだ。残骸を見るからに、バリケードは突破され、中にいた人々はおそらくゴーストに喰われたのだろう。
また、アダムが自分の家に向かって歩き出した。
後から車を降りたガルクが後ろを追いかけた。
アダムにとっては全てが懐かしかった。毎日駆け回った自分の故郷、懐かしい街の風景、めでたい日に行っていたちょっと高級なレストラン、いつもおもちゃやお菓子を買っていた売店、通学路の近道・・・そして、自分の家。
アダムは立ち止まった。
「何年ぶりだろう・・・」
玄関のドアは壊れていた。アダムは中に入る。一階のリビングのソファーに置きっぱなしのリュックがあった。
アダムはそれを開けた。
「そうか、あの日はプールがあったのか!」
中からビニール袋に入ったもうカビてる水着があった。アダムはソファーに顔をつけて息を吸った。
「なんて懐かしい匂いだ!」
そして、2階へと上がる。キャリーの部屋は乾いた血痕と包丁が残っていた。
「・・・」
アダムはその場を後にした。鍵がかかっていて、一度も入れなかった父に書斎のドアを壊し、足を踏み入れた。
to be continued···
そこには戦車や兵士がたくさんいた。迫り来るゴーストの少しでも足止めになろうとしている。そこに現れたのは、一人の頭を持った白い生命体。
生命体は戦車や兵士の前でこう言った。
「我々は勝利した。人類はゴーストに勝ったのだ!」
ロシア語だが、翻訳機があったため、何を言ってるのかはすぐにわかった。
それを聞いた兵士たちは武器を捨てて歓声を上げた。アダムはゴーストの中から出てきた。まだ黒くなってないのは右手の人差し指の先端だけだった。
アダムは父の頭を抱えて戦車の後ろに行った。そこにはロッチが乗っているヘリコプターがあった。
「ありがとう・・・」
「僕の父さんだったんですね。」
「・・・」
ヘリコプターが飛び上がった。
「言ったら邪魔になると思って・・・ごめんな」
「これからどうするつもりですか?僕は家に戻ります。」
「家って?」
「僕の故郷です。」
~1ヶ月後~
中国政府はこの間、誰に関わらず空も陸も海も国境を越えることを許さなかった。そして、やっと国境が開放されたのだ。
アダムが乗っていた飛行機がロシアのXX空港に着いた。滑走路は綺麗だったが、空港内部は荒れ放題で、多くの死体やゴキブリ、ネズミがいた。
アダムはガルクを連れて車に乗った。ガルクも自分の故郷に戻りたかったのだ。
車が街に着いた。道路にはバリケードがあり、これ以上の車での走行は不可能となった。すると、アダムは車を降りた。そして、一人でに歩き出す。
「ここは・・・」
アダムがまだ3年生の頃に、トルターと一緒にヘリコプターで避難したところだ。残骸を見るからに、バリケードは突破され、中にいた人々はおそらくゴーストに喰われたのだろう。
また、アダムが自分の家に向かって歩き出した。
後から車を降りたガルクが後ろを追いかけた。
アダムにとっては全てが懐かしかった。毎日駆け回った自分の故郷、懐かしい街の風景、めでたい日に行っていたちょっと高級なレストラン、いつもおもちゃやお菓子を買っていた売店、通学路の近道・・・そして、自分の家。
アダムは立ち止まった。
「何年ぶりだろう・・・」
玄関のドアは壊れていた。アダムは中に入る。一階のリビングのソファーに置きっぱなしのリュックがあった。
アダムはそれを開けた。
「そうか、あの日はプールがあったのか!」
中からビニール袋に入ったもうカビてる水着があった。アダムはソファーに顔をつけて息を吸った。
「なんて懐かしい匂いだ!」
そして、2階へと上がる。キャリーの部屋は乾いた血痕と包丁が残っていた。
「・・・」
アダムはその場を後にした。鍵がかかっていて、一度も入れなかった父に書斎のドアを壊し、足を踏み入れた。
to be continued···
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