ゴースト

第二十三話 絶望の中の希望

漆黒の鎧を身に包んだ男は中国の市街地へと歩き始めた。そこに一つの核ミサイルが落とされた。
言葉に表せられないほどの轟音が響き渡った。そして、キノコ雲が出来上がったのだ。普通のゴーストは被曝され、皮膚は焼け落ち衝撃はで粉々になり散った。
キノコ雲のせいで男の姿は見えなくなった。
衛星映像を世界同時中継している番組があった視聴率は驚異の96％まで上がった。
一方アダムは、軍用機に乗った。そして、軍用機がキノコ雲の方へと飛び始めた。中にはロッチとアダムがいる。アダムは背にパラシュートをつけていた。
「アダム、今日の君の勝敗で人類の運命が決まるんだ・・・私の助言できることはこれだけだ・・・死んでも勝つんだ！」
「ああ～絶対勝つよ・・・奴は殺す！」
1時間ほどが経った。キノコ雲はほぼ完全に消えたが、あたりが真っ黒に焼けているため、あの男の生死が確認できない。
しかし、衛星はすぐに動く物体を見つけた拡大すると、無傷の男が当然のように歩いていた。
ニュースのキャスターが言った。
「もう終わりだ・・・人類はあれに勝てるはずがない！」
誰もが絶望していた・・・もし、人類の最強の兵器は何？と聞かれた時、多くの人は「核兵器」と答えるだろう・・・
そんな最強の兵器があの男に敗北した。人類に勝ち目などもうないのだ・・・
そう、思われたが・・・突如上空に飛行機が現れ、何かが投下された。
アダムだ。
アダムは人生初のスカイダイビングを果たした。そして、パラシュートが開き、地上10mほどの地点でゴースト化した。
アダムは目の前にいる男を見つめた。男もアダムを見つめていた。
「（こいつが！全ての元凶！母さんもキャリーもこいつのせいで！）」
アダムのゴーストは叫び、男に飛びかかった。そして、鎧の頭部が殴り、鎧にかすり傷をつけた。男はアダムの腹部を蹴った。一瞬のアダムのゴーストの腹と下半身が消し去った。すぐにアダムは新たなゴーストを作った。
男の目には驚きと迷いがあった。そして、口を開けた。
「アダムか？それともロッチ？」
アダムのゴーストの動きが止まった。聞き間違えるはずがない、あの優しくて力強い声、父さんだ。アダムはそう思った。でも父さんがこんな悲劇を・・・
でも、すぐに考えを切り替えた。父さんは自分が1年生になった頃に姿を消した。それから何があったかは自分も知らないんだ。でも、信じられない！そんなはずは・・・
「大きくなったな～ゴーストまでできるようになったのか？」
to be continued···