ゴースト

第二十一話 真実

アダムは食堂に居た。エネルギーを補充するため、いつも食べているのだ。
ロッチが足早にアダムのそばに座った。
「説明してる暇はない！」
そう言い、ロッチはアダムに注射を打った。
「痛っ、何を・・・」
アダムの脳内の黒い鎧を身に包んだ男がゴーストの大群を連れている姿が入ってきた。
「これはなんだよ！？」
「アダム、君がなぜゴーストができるかわかるか？」
「いや・・・」
「それは、君の体内のゴースト細胞にお陰だ。」
アダムは驚いた。自分がゴーストできるのは自分の超能力みたいなものだと思っていて、まさかそんな科学的なものだとは思っていなかったからだ。
「そして私にもゴースト細胞がある」
ロッチの言葉によりアダムの頭は情報を処理しきれなくなり、パンクした。
「でも、私はゴースト化ができない、私のゴースト細胞は情報に特化しているからだ。でも、2～3ほどのゴーストを短時間操れる。今君の体打ったのは、私のゴースト細胞だ。」
「そうなんですか？」
「ともかく、君の最大の敵はあの男だ。あの男こそ、この悲劇を起こした元凶！大量殺人鬼だ！」
アダムの脳内に一瞬だけ、ゴーストに食われるキャリーの姿を思い出した。
「お兄ちゃん助けて！」
アダムはそんな声がまた聞こえるような感覚になった。
「ああ、殺すよ！絶対に！あいつだけは！」
～～～
それからアダムは訓練場でゴースト化して、戦う練習などした。ロッチからも、ゴーストの体の構造について教わり、どれぐらい破損したら、体を作り変えるのかを学んだ。
2週間が経過した。中国はすでに国境を解放していたが、ゴーストの姿を発見したと情報が伝わり、万里の長城の門を固く閉ざしていた。
何時かが経過した後に、ゴーストの大群が一気に万里の長城を襲撃した。今までにない数だった。
それでも中国の国境防衛軍は大砲を撃ち続けた。
「おい！もっと砲弾を運んでこい！」
「わかりました！」
一人の兵士が壁の中に入る、貯蔵庫から砲弾が入った木箱を何度も繰り返して大砲の隣のおいた。
ゴースト側の地面はえぐれていた、大砲による何度もの砲撃で、地面は歩けないほどえぐれていた。
ゴーストは何体も壁に近づくと、他のゴーストの体をよじ登り、万里の長城を越える可能性があるから、ゴーストを壁に近づけないよう、兵士たちは必死だった。
しかし、次の瞬間・・・
森の中からウジャウジャとゴーストが出てきて、地面すら見えなくなった。
すると、砲撃音は明らかに減ってしまった。戦意喪失しているのだ・・・
to be continued···