ゴースト

第十六話 兵器

ゲート前でバンバンと鉄製の扉を叩く人溜りができていた。
「助けて！」
「開けろや！なんで閉めんねん！？」
彼らの叫び声よりも、地下の奥からドンドンとする足音の方が大きかった。
すぐにゴーストの姿が彼らの目に映った。
ゆっくりとアダムは彼らに近づく、代わりにゲートを開けてあげようと思っていた。
そんな時、後ろから銃声がした。
（銃は効かねんだよ！）
うんざりになったアダムは振り向いた。
二人に特殊部隊とその真ん中に白服を着た中年男性がいた。
「私の武器を試す時が来た。」
中年男性はそう言い、手に持っていた。銃口が人間の腕くらい太い銃をアダムに向けた。
（・・・）
バン！
地下内に大きな轟音が響き渡った。大きな銃弾はゴーストの頭部貫いた。そして、ゴーストは倒れ、博士は銃の反動で倒れた。
「よし！成功だ！これをもっと改良すれば、誰でも簡単にゴーストを殺せるぞ！」
地下内が歓声に埋め尽くされたが、すぐに歓声は消えた。
アダムがまたも立った。
頭から血を流したまま呆然と立っていた。
そんな状態を見た博士は銃にもう1発銃弾を詰めた。
銃弾がアダムの足元を貫き、体勢を崩したゴーストが倒れた。
ゴーストの背中が裂けてアダムが出てきた。
「（あと何回ゴーストになれるんだ？）」
＜2回だ＞
「なあ、中国政府に連絡してくれないか？」
しかしカザフスタン人にロシア語はわからなかった。もちろん、アダムにもカザフスタン語はわからなかった。
逆にカザフスタン人はこの状況から、アダムが喋っているのは宇宙人の言語ではないかと考えていた。
緊迫した状況が長時間続き、ついにゲートが開かれたが、そこには兵士と警察がいて、全員の身分証を調べて逮捕していた。警察もこの地下の違法行為などを調査していたため、全員が犯罪者だとわかっていた。
一方のアダムは言葉すら通じないため、銃を向けられたままだった。
すると、アダムは何か思いつき、隣にあるゴーストの死体の血を使って地面に中国国旗を書いた。
「これに連絡して、ロッチっていう髭男がいるから！」
「中国？一応連絡しよう・・・」
カザフスタンは中国との外交もあるため、連絡はうまく取れ、アダムの情報が伝わった。
その間アダムは壁の隅に立たされて、ずっと銃を向けられていた。
何時間かすると、スーツ着た何人かの男がここにやってきた。通訳が何か話すと、アダムは釈放された。
「さあ、行こうアダム君。空港でロッチさんが待っているぞ」
「なんだよ、あいつも来たのかよ？」
アダムが嫌味を言った。
「君も反抗期か？はは」
to be continued···