ゴースト

ニタマゴ

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第十三話 移動

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夜になって、アダムが目を覚ました。
鉄の地面で焚き火をしている。クリタがアダムが起きたことに気づき、叫んだ。
「お兄ちゃん!アダムさんが起きた!」
廊下から、クリスが速足で歩いてきた。手には非常食と書かれたご飯が詰められてるアルミの袋があった。
米の匂いを感じたアダムは急いで起き、クリスの手から袋を奪い、手でご飯を掴んでは口の中に放り込んでいった。
「うまい・・・うますぎるぞ!」
喜びの涙を流しながら、アダムは袋一杯に詰められた米を食べた。
すると、隣にいたクリタがポツリと言った。
「具もあったよ・・・」
「はよ言えよ!」
「食べるのが速すぎるから・・・」
クリスが地面に座った。そして、喋り始めた。
「あのゴーストがいなくなったから、僕たちは発信室側の部屋も探索した。そしたら、非常食を新たに見つけたのだ!」
「それより援助はいつ来るんだ?」
アダムの問いにクリスは何も言えなかった。代わりにクリタが言った。
「この電波塔はかなり古いもので、最近はつわれてなかったんだよ。特に発信機は、市役所はここの部屋を別の会社に貸して、なんとか経費を調達してたらしいんだ。だから、かなり古い機械だから、信号がどこまで行ったのかは・・・」
アダムが立った。
「わかった。明日に援助が来なかったら、自分たちで行こう!」
しかし、次の日に援助どころか、新たな食料さえ見つからなかった。
アダムたちは、コンパスと地図から、中国の万里の長城の方向を見つけ、その方向に進むことにした。
そして、次の日に3人は残ってる非常食と水を持って、電波塔を離れた。
街の中にゴーストは現れなかった。アダムは二人をガンショップへと連れて行った。
クリタの猟銃に合う銃弾をクリタのバックに詰め込んだ。そして、クリスにはハンドガンを渡した。
ガンショップを出る前に、アダムが二人に真剣に話した。
「いいか?銃声はかなりでかい、1発でも撃てば、ゴーストは集まってくる。それに、銃はあまり奴らに効かないんだ。万が一の時以外は絶対に発砲するなよ!約束だからな!」
二人は上下に頭を強く振った。
何時間か歩くと、都市から出て、森の中に入った。
「ここら辺はもうモンゴルかもしれないな~」
アダムが言った。
その時だった。
「伏せて!」
クリタが言った。
3人がほとんど同時に体を倒した。アダムがショットガンを周りに向けている。
「ゴーストはどこだ!?」
小声でアダムが問いかけた。
「あれは多分盗賊だよ!」
よく見ると、遠くにキャンプが2つある。隣には緑色のトラック、トラックの荷台には機関銃と木箱に入った物資がある。
to be continued···
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