ゴースト

第十二話 反撃

クリタが猟銃を操作して、見事にゴーストの手に直撃したが、ゴーストは少し痛みを感じただけで、それ以外は何もなかった。
アダムは銃をもう一度ゴーストの頭に向けて撃った。今度は少し離れていたこともあるため、ゴーストは動じなかった。しかしゴーストの頭部からは黒い血が流れ出ているため、負傷してることは確かだ。
「いくら頭が硬くても貫けないってわけじゃないな！」
興奮してきたアダムが大声で言った。そして、何発もの銃弾をゴーストに浴びせた。ゴーストもやばいと思ったのか、一旦その場を離れた。
ゴーストの姿が消えると、アダムはバリケードの上から降りてきた。
「クリタ！奴がきたら発砲してくれ！」
「わかった！」
そして、アダムは発信室の鉄のドアを開いた。
中にはマイクやいろんなボタンがあった。そして、キーボードと画面もある。
「機械化が進んでんだな～」
キーボードにSOSを打つと、自動で『SOS信号を発信しますか？』と出てきた。もちろんアダムは『はい』と答え、『発信しました。』と表示された。
「よし、これでいいな！」
喜んだアダムは急いで発信室のドアを開けた。
「クリタ、クリス！やったぞ！」
でも、アダムはすぐに異変に気づいた。クリスとクリタの顔が真っ青になった。そして、重い足音が右からする。振り向いた時には、ゴーストはもういた。銃を向ける暇も与えられずに、ゴーストはアダムを掴み胴体を噛んだが血も何も出ない。なぜなら、アダムの胴体の右はゴーストの皮膚たから、しかし、怒ったゴーストはさらに強くかみ、アダムの体の一部を噛みちぎられた。
「（ああ、痛えな～何があったんだ？何も見えない・・・）」
地面がアダムの血で染まっている。
＜またか？情けないな～こっちの細胞にも上限があるんだ？＞
「（誰だ？）」
＜まあいい、お互いの利益のためさ＞
アダムの右腹の肉を美味しくいただいたゴーストはまたも、アダムに手を伸ばし、クリタは撃ったが、今回は当たらなかった。
そして、アダムの身体中から黒い肉質が現れ、彼を包み、手足を生やし、頭まで作り上げた。
ゴーストの動きは止まった。なぜなら、奴にとって目の前にいるこのゴースト（アダム）から圧倒的オーラを感じている。
「最近の若者は礼儀というものを知らないんだな～」
そう言い、アダムゴーストはゴーストの口を両手でこじ開け、引き裂ぎ、真っ二つにして捕食した。
to be continued···