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第四十六話 火が灯るクリスマス
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砲撃後の轟音がアメリアの耳を包んだ。
何秒か耳鳴りが続き、そこら辺を目的もなく彼女は歩いた。
隣の通信兵は何度も呼びかける。
「おい!君!建物から出るな!」
鳴り止まないピーという音がアメリアを耳を塞いでいた。そこに雑音が少し混ざる感じで小さな声が聞こえる。でも、何を言っているのだろうか。
アメリアは片耳を地面に向けながら道路へと出る。首からはSKのアサルトライフルが紐で垂れ下がっていた。
カチャ…カチャ…
「(なんで?)」
彼女は耳鳴りで何も聞こえないはずなのに、その銃が揺れる音だけはっきりと聞こえた。
アメリアは頭を上げる。目の前には崩れ落ちる建物がある。夜のはずがあたりは朝よりも明るい。
そして、もう彼女は何も聞こえなくなっていた。いや、聞きたくないのだろうか。
ゆっくりと歩きながら彼女は自然と歌い出した。
「ジングルベル~ジングルベル~す…ずが鳴る…」
周りの戦いに備えていたヘレニムの兵士も、燃え盛る瓦礫の近くて立っているアメリアを見つめる。そして、耳慣れたあの音楽たち。
「メリークリスマス!」
誰かが叫ぶ。
そして、兵士たちは自然と歌い出した。
アメリアにもその歌声が届く。
そしt、振り向いた。その瞬間、爆発がアメリアの隣で起きた。
さっきまで続いていたクリスマスソングは瞬く間に悲鳴と叫び声に変わり、人々は逃げまとった。空には大型の爆撃機や砲艇が飛んでいた。
アメリアはゆっくりと立ち上がる
「(うう…)」
彼女は自分の左腕を握り締める。なぜなら、肘から下はもうどこかにフッ飛んで行ったらしい。
「ああああ!痛い!」
その瞬間、アメリアは自分が戦場に来たことを後悔した。何歩か歩いたが、彼女はその場倒れる。
目の前に映るのは、自分の部屋のベッドにいる自分、朝起きて、好きなだけ水が飲め、その後満足するまで朝食を堪能していた自分。そんな最高な生活を自分はつまらないとさえ思っていた。
「(もう、ここまでなんだ…私はもう…)」
彼女は目を瞑った。死が訪れるその瞬間まで。まぶたに閉ざされた世界で彼女が目にしたのは自分の墓の前で泣く母の姿。その泣き姿がアメリアの脳内に焼き付く、そして、彼女は起き上がる。
「こんな場所で死んでたまるか!」
口の中に土や砂が大量に入るが、彼女は気にしない。
木の棒や石ころに傷つけられた両足を動かした。果たしてこれは高校生が経験すべきことなのか?
叫ぶことで、痛みが緩和されるかのよう、アメリアは進み続けた。
「(せめて、陣地に戻れれば!)」
爆撃音が始まる。振り向くと、さっき自分がいた場所はもう爆弾の炎に包まれる。まだ10mほどしか離れていない。そして、アメリアは本当に諦めた。
「もう、無理だ。ごめん、お母さん。あなたの言葉を信じるべきだった。」
今度こそアメリアは運命に抗うこと諦めた。
「せっかくのクリスマスなのにな…」
爆弾が空気を切り裂ける音がアメリアの頭上で起こる。
「(ああ、終わりだ。どうせなら苦しくないように麻酔でも打った方いいか?)」
ぱちゃ ぱちゃ
アメリアは泥の地面をブーツで踏む音が聞こえる
「誰?」
「諦めんなよ。」
「え?」
「なあ、アメリア!」
アメリアは恐る恐る目を開ける。なんと気づかないうちに彼女はアングレにお姫様抱っこされていた。声がアングレじゃなかったらアメリアは仮面を外したアングレを見分けつかなかった。
「え?なんで」
「アメリア!俺の気持ち全部言わせてもらうぞ!」
「え?」
「俺は君が好きだ!だから死んでほしくないんだ!君とテリーは初めて俺を人として認めてくれたんだ!そんな大切な人はもうアメリアしかいないんだ!だから、たとえ君が諦めたとしても俺は諦めさせない!戦争が終わったら結婚してしてくれ!」
アングレは息を切らして、走りながらそう言った。
アメリアが少し微笑む。
「なんか、アングレっぽいな~安心した。」
あたりはもう火の海で爆撃は続いていた。アメリアは親に抱かれた子供のように体を縮めてアングレの体に寄った。
「少しでいいから寝させてよね。アングレ…」
「おい、アメリア。寝るな!こういうのは寝たら死ぬんじゃないのか?」
アメリアは返事しなかった。
「おい!おい!アメリア!返事しろ」
アメリアは動かない!
「嘘だろ!」
何も喋らず、アングレはヘレニムの前線陣地に着いたが、泣き喚く兵士しかいない。
彼は目的地を変えた。最後に生きてるテリーと一緒にいた場所に戻った。
「はあ~はあ~」
壊れたコンクリートの建物で、床には彼が投げ捨てていた仮面があった。
アングレはアメリアを地面に横たわせ、仮面の裏にある黒い小さな機械を取り出し、それを地面に置く。そして、さらに小さな注射器を取り出す。注射器の中には黄色と茶色の中間色の透明な液体があった。
「アメリア、ごめん。君の許可もないけど、僕は君に死んでほしくないんだ!」
ブスッ
to be continued…
何秒か耳鳴りが続き、そこら辺を目的もなく彼女は歩いた。
隣の通信兵は何度も呼びかける。
「おい!君!建物から出るな!」
鳴り止まないピーという音がアメリアを耳を塞いでいた。そこに雑音が少し混ざる感じで小さな声が聞こえる。でも、何を言っているのだろうか。
アメリアは片耳を地面に向けながら道路へと出る。首からはSKのアサルトライフルが紐で垂れ下がっていた。
カチャ…カチャ…
「(なんで?)」
彼女は耳鳴りで何も聞こえないはずなのに、その銃が揺れる音だけはっきりと聞こえた。
アメリアは頭を上げる。目の前には崩れ落ちる建物がある。夜のはずがあたりは朝よりも明るい。
そして、もう彼女は何も聞こえなくなっていた。いや、聞きたくないのだろうか。
ゆっくりと歩きながら彼女は自然と歌い出した。
「ジングルベル~ジングルベル~す…ずが鳴る…」
周りの戦いに備えていたヘレニムの兵士も、燃え盛る瓦礫の近くて立っているアメリアを見つめる。そして、耳慣れたあの音楽たち。
「メリークリスマス!」
誰かが叫ぶ。
そして、兵士たちは自然と歌い出した。
アメリアにもその歌声が届く。
そしt、振り向いた。その瞬間、爆発がアメリアの隣で起きた。
さっきまで続いていたクリスマスソングは瞬く間に悲鳴と叫び声に変わり、人々は逃げまとった。空には大型の爆撃機や砲艇が飛んでいた。
アメリアはゆっくりと立ち上がる
「(うう…)」
彼女は自分の左腕を握り締める。なぜなら、肘から下はもうどこかにフッ飛んで行ったらしい。
「ああああ!痛い!」
その瞬間、アメリアは自分が戦場に来たことを後悔した。何歩か歩いたが、彼女はその場倒れる。
目の前に映るのは、自分の部屋のベッドにいる自分、朝起きて、好きなだけ水が飲め、その後満足するまで朝食を堪能していた自分。そんな最高な生活を自分はつまらないとさえ思っていた。
「(もう、ここまでなんだ…私はもう…)」
彼女は目を瞑った。死が訪れるその瞬間まで。まぶたに閉ざされた世界で彼女が目にしたのは自分の墓の前で泣く母の姿。その泣き姿がアメリアの脳内に焼き付く、そして、彼女は起き上がる。
「こんな場所で死んでたまるか!」
口の中に土や砂が大量に入るが、彼女は気にしない。
木の棒や石ころに傷つけられた両足を動かした。果たしてこれは高校生が経験すべきことなのか?
叫ぶことで、痛みが緩和されるかのよう、アメリアは進み続けた。
「(せめて、陣地に戻れれば!)」
爆撃音が始まる。振り向くと、さっき自分がいた場所はもう爆弾の炎に包まれる。まだ10mほどしか離れていない。そして、アメリアは本当に諦めた。
「もう、無理だ。ごめん、お母さん。あなたの言葉を信じるべきだった。」
今度こそアメリアは運命に抗うこと諦めた。
「せっかくのクリスマスなのにな…」
爆弾が空気を切り裂ける音がアメリアの頭上で起こる。
「(ああ、終わりだ。どうせなら苦しくないように麻酔でも打った方いいか?)」
ぱちゃ ぱちゃ
アメリアは泥の地面をブーツで踏む音が聞こえる
「誰?」
「諦めんなよ。」
「え?」
「なあ、アメリア!」
アメリアは恐る恐る目を開ける。なんと気づかないうちに彼女はアングレにお姫様抱っこされていた。声がアングレじゃなかったらアメリアは仮面を外したアングレを見分けつかなかった。
「え?なんで」
「アメリア!俺の気持ち全部言わせてもらうぞ!」
「え?」
「俺は君が好きだ!だから死んでほしくないんだ!君とテリーは初めて俺を人として認めてくれたんだ!そんな大切な人はもうアメリアしかいないんだ!だから、たとえ君が諦めたとしても俺は諦めさせない!戦争が終わったら結婚してしてくれ!」
アングレは息を切らして、走りながらそう言った。
アメリアが少し微笑む。
「なんか、アングレっぽいな~安心した。」
あたりはもう火の海で爆撃は続いていた。アメリアは親に抱かれた子供のように体を縮めてアングレの体に寄った。
「少しでいいから寝させてよね。アングレ…」
「おい、アメリア。寝るな!こういうのは寝たら死ぬんじゃないのか?」
アメリアは返事しなかった。
「おい!おい!アメリア!返事しろ」
アメリアは動かない!
「嘘だろ!」
何も喋らず、アングレはヘレニムの前線陣地に着いたが、泣き喚く兵士しかいない。
彼は目的地を変えた。最後に生きてるテリーと一緒にいた場所に戻った。
「はあ~はあ~」
壊れたコンクリートの建物で、床には彼が投げ捨てていた仮面があった。
アングレはアメリアを地面に横たわせ、仮面の裏にある黒い小さな機械を取り出し、それを地面に置く。そして、さらに小さな注射器を取り出す。注射器の中には黄色と茶色の中間色の透明な液体があった。
「アメリア、ごめん。君の許可もないけど、僕は君に死んでほしくないんだ!」
ブスッ
to be continued…
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