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第四十一話 蘇生2
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木々の隙間から溢れた光がアングレの顔にあたり、アングレは目を覚ました。
「う・・・ここは?」
アメリアが向こうの木を背もたれにして、うつむきながら寝ている。
テリーはそう遠くない場所で周りを観察している。
アングレは立ち上がった。胸の傷はとっくに回復し、傷跡もない。
テリーがアングレに気づく。
「おい、アングレ。大丈夫か?」
「うん」
二人の会話を聞いてアメリアも起きた。
「起きた?大丈夫?」
「うん・・・何があった?」
「君死にかけたんだよ」
「え?マジ!?」
「もういい、行くよ。」
アメリアが立ち上がった。ここは研究所のそう遠くないところにある小さな森。
彼らは一時的に身を隠しただけだった。
「これからどこへ?」
テリーがアメリアに聞いた。
「市街地、戦闘音がありば、必ず仲間がいる。」
「・・・」
3人は歩き始めた。何時間か前に来た道を戻っている。周りに障害物はない、狙われたら大変危険な場所だが、今の3人はそんなことを気にしなかった。
テリーは歩きながら死んだ15番隊のみんなを考えた。アメリアは歩きながら赤ちゃんのことを思い出した目から涙がこぼれ落ちた。
だが、アングレは何も思わない。逆なぜアメリアとテリーがそんなに悲しんでいるのかわからなかった。
正確にはわからないが、かなり長い間3人は歩き続けた。そして、国際都市アラスカの高層ビルが見えてきた。元々は世界最先端の技術を誇っていた街でもあり、世界一綺麗とも認定されていたが、今ではボロボロとなってしまった廃墟にしか見えないのだ。
「これすげえ~こんな高い家初めて見た!」
アングレが驚く。
「とりあえず入るよ」
アメリアが2人の先頭に立って引っ張るように歩き続けた。
しかし、いくら進んでも銃声や戦闘音が聞こえることはなかった。
「(おかしい、アラスカの広範囲で戦闘が続いてるはずなのに・・・)」
アメリアが周りを見渡す。
「とりあえずさ~体力を温存しよう!」
適当な家に3人は入った。この行動にアメリアは少し抵抗があったがやるしかなかった。道路の真ん中で休憩するよりはマシだ。
家の2階に3人は身を寄せ合って寒い夜を過ごした。
食料もそれほどないからみんな腹を空かしていた。
朝になって3人を起こしたのは車のエンジン音だった。なんと道路にトラックが止まっていた。どこの国のもでもなく市民のものだった。市民は近くのコンビニなどで食料を回収していた。
「アメリア!俺たちも行こうぜ!もしかした食べ物を分けてくれるかも!」
アングレがアメリアを誘った。
「それはいいかも、テリーも来て、でも銃はおろしてね」
「うん」
3人が1階へと降りて、玄関を開けた。トラックの運転手がアメリアたちの存在に気づき、荷台に荷物を積ませていた人に知らせた。
荷物を積んでいた人は両手をあげて降参した。
「安心して、何もしないから」
「ヘレニム軍ですか?」
「はい」
「おい!ヘレニムの仲間だ!」
運転手が笑みを浮かべる。
「それは頼もしい!」
to be continued...
「う・・・ここは?」
アメリアが向こうの木を背もたれにして、うつむきながら寝ている。
テリーはそう遠くない場所で周りを観察している。
アングレは立ち上がった。胸の傷はとっくに回復し、傷跡もない。
テリーがアングレに気づく。
「おい、アングレ。大丈夫か?」
「うん」
二人の会話を聞いてアメリアも起きた。
「起きた?大丈夫?」
「うん・・・何があった?」
「君死にかけたんだよ」
「え?マジ!?」
「もういい、行くよ。」
アメリアが立ち上がった。ここは研究所のそう遠くないところにある小さな森。
彼らは一時的に身を隠しただけだった。
「これからどこへ?」
テリーがアメリアに聞いた。
「市街地、戦闘音がありば、必ず仲間がいる。」
「・・・」
3人は歩き始めた。何時間か前に来た道を戻っている。周りに障害物はない、狙われたら大変危険な場所だが、今の3人はそんなことを気にしなかった。
テリーは歩きながら死んだ15番隊のみんなを考えた。アメリアは歩きながら赤ちゃんのことを思い出した目から涙がこぼれ落ちた。
だが、アングレは何も思わない。逆なぜアメリアとテリーがそんなに悲しんでいるのかわからなかった。
正確にはわからないが、かなり長い間3人は歩き続けた。そして、国際都市アラスカの高層ビルが見えてきた。元々は世界最先端の技術を誇っていた街でもあり、世界一綺麗とも認定されていたが、今ではボロボロとなってしまった廃墟にしか見えないのだ。
「これすげえ~こんな高い家初めて見た!」
アングレが驚く。
「とりあえず入るよ」
アメリアが2人の先頭に立って引っ張るように歩き続けた。
しかし、いくら進んでも銃声や戦闘音が聞こえることはなかった。
「(おかしい、アラスカの広範囲で戦闘が続いてるはずなのに・・・)」
アメリアが周りを見渡す。
「とりあえずさ~体力を温存しよう!」
適当な家に3人は入った。この行動にアメリアは少し抵抗があったがやるしかなかった。道路の真ん中で休憩するよりはマシだ。
家の2階に3人は身を寄せ合って寒い夜を過ごした。
食料もそれほどないからみんな腹を空かしていた。
朝になって3人を起こしたのは車のエンジン音だった。なんと道路にトラックが止まっていた。どこの国のもでもなく市民のものだった。市民は近くのコンビニなどで食料を回収していた。
「アメリア!俺たちも行こうぜ!もしかした食べ物を分けてくれるかも!」
アングレがアメリアを誘った。
「それはいいかも、テリーも来て、でも銃はおろしてね」
「うん」
3人が1階へと降りて、玄関を開けた。トラックの運転手がアメリアたちの存在に気づき、荷台に荷物を積ませていた人に知らせた。
荷物を積んでいた人は両手をあげて降参した。
「安心して、何もしないから」
「ヘレニム軍ですか?」
「はい」
「おい!ヘレニムの仲間だ!」
運転手が笑みを浮かべる。
「それは頼もしい!」
to be continued...
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