戦場の女神

ニタマゴ

文字の大きさ
上 下
33 / 51

第三十三話 バケモノ2

しおりを挟む
「でもね~アングレ君、せめてズボンぐらいは着た方がいいよ~」
「うん!着る!」
アングレが急に高い声を出した。
顔がお面で隠されていて表情はわからんが声から喜んでいることがわかる
「おい!ズボン!服!下着!出てこい!全部着てやるよ!」
アングレが片足を椅子に乗せ、天井に向けて叫んだ。
「ハクリ隊長、彼に死人のズボンを着せるのは呪われますかね?」
アメリアが聞いた。
「知らん、俺はそういう祟りとか信じないから」
「ならいいでしょう~」
アメリアが倒れてる死人から血のあまりないズボンをもぎ取り、アングレに渡した。
「アングレ君~これ」
「ああ~ありがとう!」
アングレがズボンを頭から被った。
「あれ?ズボンってどうやって着るん?」
「足からだよ~」
アングレの腕についていた刃が体の中に戻り、アングレはまるで思い出したかのようにズボンを着た。
「(やっぱちょっと気持ち悪い・・・)」
そんな嫌な顔をしたアングレにアメリアが微笑んだ。それにアングレも興奮した。
「大丈夫?」
「はい!大丈夫です!最高です!ありがとうございます!」
テリーが隣で嫉妬していた。
「ほら!もう任務に戻るぞ!」
ハクリ隊長が喋り、全員が任務に集中した。アングレ以外は
それから、アングレは一番前にいることを嫌い、アメリアの近くにいるようになった。
だが、テリーはそれを嫌い、アングレをアメリアから遠ざけるように二人の間に挟んだ。
アングレが角度を変えてアメリアに近づこうとして、テリーもまた角度を変えて二人の間に挟んだ。
「おいてめえ名前は!」
ついにアングレが爆発。
「俺はテリーだ。何か問題でも?」
「さっきからうぜえだよ!いちいち邪魔すんな!」
「邪魔って何を?」
アングレがテリーに胸ぐらを掴んだ。
「ああ!もう!やめろ!お前あっち行け!来んな!」
「何のことだ?」
テリーがアングレの手を引っ叩いてどかした。
「おい、静かにしろ!」
ハクリ隊長が言う。
「人がいるようだ」
「敵か?」
アングレが聞く。
「わからん」
ハクリ隊長は少し緊張して答えた。目の前にはドアがあるが、窓はすりガラス、奥に人の形らしきものが見える。
「アメリア!」
「ん?」
「何があっても僕は君を守るから怖がらないで!」
「・・・うん、ありがとうね~」
アメリアは適当に答えたが、アングレは勘違いした。
「(やっぱりだ!アメリアも僕が好きなんだ!)」
隣でテリーがまた嫉妬する。彼もまたアメリアが適当に答えてることに気づかなかった。
「行くぞ!」
「はい」
全員が銃を握りしめた。一番後ろでアメリアとアングレがいた。
「3・・・2・・・1!」
バン!
ハクリ隊長がドアを蹴り開けた。
目の前には白衣を着た研究員がいた。
研究員は素早く両手をあげて降参した。
「話のわかるやつだな~」
結束バンドを取り出し、ハクリ隊長が研究員を拘束しようとした次の瞬間・・・
研究員白衣のボタンを解いた。彼の白衣の奥には爆弾があった。
「じゃあな~ヘレ犬共が(スタラナ)」
「爆弾だ!全員さが・・・」
バゴン!
to be continued...
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】カワイイ子猫のつくり方

龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。 無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。

私の隣は、心が見えない男の子

舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。 隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。 二人はこの春から、同じクラスの高校生。 一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。 きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。

夏の青さに

詩葉
青春
小学生のころからの夢だった漫画家を目指し上京した湯川渉は、ある日才能が無いことを痛感して、専門学校を辞めた。 その日暮らしのアルバイト生活を送っていたある時、渉の元に同窓会の連絡が届くが、自分の現状を友人や家族にすら知られたくなかった彼はその誘いを断ってしまう。 次の日、同窓会の誘いをしてきた同級生の泉日向が急に渉の家に今から来ると言い出して……。 思い通りにいかない毎日に悩んで泣いてしまった時。 全てが嫌になって壊してしまったあの時。 あなたならどうしますか。あなたならどうしましたか。 これはある夏に、忘れかけていた空の色を思い出すお話。

パラダイス・ロスト

真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。 ※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

さよなら私のドッペルゲンガー

新田漣
青春
「なんとかなるでしょ、だって夏だし」 京都市内で一人暮らし中の高校生、墨染郁人は『ノリと勢いだけで生きている』と評される馬鹿だ。そんな墨染の前に、白谷凛と名乗る少女の幽霊が現れる。 なんでも凛はドッペルゲンガーに存在を奪われ、死に至ったらしい。不幸な最期を遂げた凛が願うのは、自分と成り代わったドッペルゲンガーの殺害だった。 凛の境遇に感じるものがあった墨染は、復讐劇の協力を申し出る。友人である深谷宗平も巻き込んで、奇想天外かつ法律スレスレの馬鹿騒ぎを巻き起こしながらドッペルゲンガーと接触を重ねていく――――。 幽霊になった少女の、報われない恋心と復讐心。 人間として生きるドッペルゲンガーが抱える、衝撃の真実。  ノリと勢いだけで生きる馬鹿達の、眩い青春の日々。 これは、様々な要素が交錯する夏の京都で起きた、笑いあり涙ありの青春復讐劇。 【第12回ドリーム小説大賞にて、大賞を頂きました。また、エブリスタ・ノベルアップ+でも掲載しております】

処理中です...