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第二十九話 再会
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アメリアが立っていたヘレニム兵に駆け寄った。
「あのすみません~」
「はい?」
「あ!ハクリ隊長!」
「アメリア君!君まだ生きていたのか!」
ハクリがアメリアの両肩を掴んで喜んだ。
「何ですかその私が死んでるみたいな言い方・・・」
「だってあんな爆撃から生き残るのは奇跡だよ!」(十四話参照)
「そう?」
アメリアは無事15番隊と合流、だが誰も彼女の性格が真っ反対になっていることに気づかなかった。
15番隊はあれからも色々と戦い、何人も死に、人員が足りなくなったため、こういう安全な難民保護の仕事を任された。
「ところでアメリア君・・・」
「ん?」
「そのこどもはどうしたんだい?」
「この子?たまたま助けたんですよ~」
~~~
100人ほどの難民も安全な場所に避難し、ヘレニム国内へとゆっくり歩き始めた。国際法上、一般人を殺すのは戦争犯罪であり、この先の道に戦争地帯はない、長い道のりになるが、いつかはヘレニムにつくだろう。
15番隊のほとんどの食糧と水は難民に渡した。
残ってるの最低限だ。
アメリアの顔にある血もうとっくに乾いた。他の兵士も自分の頭から自分の血を流してるやつもいるから、顔に血はそれほど珍しくないのだ。
「隊長!これからどこに?」
「ああ、これからスタラナの研究所を占拠しにいく、別部隊もいるから大丈夫だ。
ハクリ隊長とアメリアのやり取りをテリーは横で聞いていた。
テリー?あなた今テリーって誰って思ったよね?十五話の最後ら辺でもうアメリアが死亡したと15番隊の中で思われたが、テリーがそこで告白宣言をした。
もう一人の中年オヤジがいたけど、残念ながら彼は戦死したよ。悲しい最後だった・・・塹壕に手榴弾が落ちて、自分が上にのって、周りへの被害をなくしたが、彼の顔はボロボロで誰かわからなくなり、腹付近は内臓などが剥き出しになり、テリーが泣きながら漏れていた腸を押し戻していたが、テリー自身もこの中年オヤジは助からないと知っていた。
それでも彼は中年オヤジの内臓を戻し続けた。いつまでも・・・いつまでも・・・
「おい!死ぬなよ!まだおめえの名前すら聞いてないじゃないか!」
中年オヤジのドッグタグは爆弾でボロボロになって、名前すら消え去っていた。
一方ヘレニム国内では・・・
「お母さん!お父さんいつ帰ってくるの?」
小さな女の子が彼女のお母さんに聞いた。
「お父さんはね、戦争に行ったの~すぐ帰ってくるよ。あの人は優しいから、この前の手紙でも、テリーというおじさんと仲良くなってるだって!帰ってきたら、またうるさくなりそうねえ~」
決して戦争はあなたたちの考える、主人公周辺の綺麗事だけじゃない。戦いのかげ多くの物語や感情が隠されている。
たとえその人が小物でも、主人公にすると素晴らしい物語ができる。
だがその話はまたいつかしよう、今回の主人公はアメリアだ・・・
彼らは研究所に向かって歩いた。
砂や砂利を踏み締め、そして一歩一歩と、次の瞬間が誰が死ぬのかもわからないのに・・・
to be continued...
「あのすみません~」
「はい?」
「あ!ハクリ隊長!」
「アメリア君!君まだ生きていたのか!」
ハクリがアメリアの両肩を掴んで喜んだ。
「何ですかその私が死んでるみたいな言い方・・・」
「だってあんな爆撃から生き残るのは奇跡だよ!」(十四話参照)
「そう?」
アメリアは無事15番隊と合流、だが誰も彼女の性格が真っ反対になっていることに気づかなかった。
15番隊はあれからも色々と戦い、何人も死に、人員が足りなくなったため、こういう安全な難民保護の仕事を任された。
「ところでアメリア君・・・」
「ん?」
「そのこどもはどうしたんだい?」
「この子?たまたま助けたんですよ~」
~~~
100人ほどの難民も安全な場所に避難し、ヘレニム国内へとゆっくり歩き始めた。国際法上、一般人を殺すのは戦争犯罪であり、この先の道に戦争地帯はない、長い道のりになるが、いつかはヘレニムにつくだろう。
15番隊のほとんどの食糧と水は難民に渡した。
残ってるの最低限だ。
アメリアの顔にある血もうとっくに乾いた。他の兵士も自分の頭から自分の血を流してるやつもいるから、顔に血はそれほど珍しくないのだ。
「隊長!これからどこに?」
「ああ、これからスタラナの研究所を占拠しにいく、別部隊もいるから大丈夫だ。
ハクリ隊長とアメリアのやり取りをテリーは横で聞いていた。
テリー?あなた今テリーって誰って思ったよね?十五話の最後ら辺でもうアメリアが死亡したと15番隊の中で思われたが、テリーがそこで告白宣言をした。
もう一人の中年オヤジがいたけど、残念ながら彼は戦死したよ。悲しい最後だった・・・塹壕に手榴弾が落ちて、自分が上にのって、周りへの被害をなくしたが、彼の顔はボロボロで誰かわからなくなり、腹付近は内臓などが剥き出しになり、テリーが泣きながら漏れていた腸を押し戻していたが、テリー自身もこの中年オヤジは助からないと知っていた。
それでも彼は中年オヤジの内臓を戻し続けた。いつまでも・・・いつまでも・・・
「おい!死ぬなよ!まだおめえの名前すら聞いてないじゃないか!」
中年オヤジのドッグタグは爆弾でボロボロになって、名前すら消え去っていた。
一方ヘレニム国内では・・・
「お母さん!お父さんいつ帰ってくるの?」
小さな女の子が彼女のお母さんに聞いた。
「お父さんはね、戦争に行ったの~すぐ帰ってくるよ。あの人は優しいから、この前の手紙でも、テリーというおじさんと仲良くなってるだって!帰ってきたら、またうるさくなりそうねえ~」
決して戦争はあなたたちの考える、主人公周辺の綺麗事だけじゃない。戦いのかげ多くの物語や感情が隠されている。
たとえその人が小物でも、主人公にすると素晴らしい物語ができる。
だがその話はまたいつかしよう、今回の主人公はアメリアだ・・・
彼らは研究所に向かって歩いた。
砂や砂利を踏み締め、そして一歩一歩と、次の瞬間が誰が死ぬのかもわからないのに・・・
to be continued...
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