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第二十七話 奇襲
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全員が人員搬送車へと乗った、周りの兵士は「やっと撤退できる!」などと声を上げていたが、アメリアにその言葉はわからず、恐怖でしかなかった。
それほど厚くない鉄鋼製の装甲に覆われていた人員搬送車、かなり簡単な作りで、ドアなどの隙間からは外の光も漏れており、大きなエンジン音を鳴らして、国際都市アラスカの道路で走っていた。
白い縞々模様がある横断歩道を何回も越えたが、今では歩行者はいない。
人員搬送車は全速力でアラスカを撤退していた。
グレドニが肩にかけていたAKライフルを隊長に見せた。
「隊長、見てください!さっき敵から奪ったAKライフルですよ!すこくないすか!」
「ああ、かなりの出来物だな!上層部に売れば、金が降りるぞ、その金どうする?」
グレドニが自分の足元を見つめた。
「やっぱり・・・家に寄付ですね・・・親にはかなり助けられたので・・・」
「お前、偉いじゃねえか!俺なら全部酒に溶かすけどな~」
グレドニが不意のアメリアの方を見た。アメリアもグレドニの方を見ていて、二人の視線ファ合った。
グレドニはすぐに視線をそらしたが、何日もの疲れて思考判断力が著しく低下しているアメリアはグレドニをまだ見ていた。
そんな時だった。
パン!
車がパンクする。全速力を出していたため、人員搬送車が地面と大きく摩擦しながら、前へと傾く。
車内の全員が揺らされる。
「何があったんだよ!」
隊長が運転手に聞いた。
「おそらくパンクだ。すぐ直す、車から出るな」
運転手が運転席の上にあるケースを開けて、予備のタイヤを出す。
そして、ドアを開けたその時だった。
銃声と共に運転手の脳天が銃弾に貫かれ、地面に倒れた。
「敵襲!」
隊長が大声で叫んだ。
「クソが!」
一人の隊員が車の後ろのドアを開けようとしたが、隊長が止めた。
「馬鹿野郎!敵がいるかもしれないだぞ!」
みんなパニックになっていたが、アメリアは、運転手が倒れてるのに気付き、助けようとした。
彼女はバックから煙幕弾を出し、安全ピンを抜き、運転席のドアから外に投げ出した。
10秒ほどで大きな煙幕が車のほとんどを包んだ。
車の後ろのスペースから、アメリアは運転席へと行き、外へ出た。安全のため、赤ちゃんは運転席に置いた。
煙幕の中、アメリアが少し咳したが、耐えて運転手の状況を確認。
「そんな・・・致命傷だ」
煙幕に気づいた隊長がドアを開け、外へでた。
「全員出ろ!搬送車はもう無理だ!」
隊長が煙幕から少し顔を出して、外を覗いた。
隣の5階建てのビルに、敵の狙撃手がいた。
「(どうする!?)」
to be continued...
それほど厚くない鉄鋼製の装甲に覆われていた人員搬送車、かなり簡単な作りで、ドアなどの隙間からは外の光も漏れており、大きなエンジン音を鳴らして、国際都市アラスカの道路で走っていた。
白い縞々模様がある横断歩道を何回も越えたが、今では歩行者はいない。
人員搬送車は全速力でアラスカを撤退していた。
グレドニが肩にかけていたAKライフルを隊長に見せた。
「隊長、見てください!さっき敵から奪ったAKライフルですよ!すこくないすか!」
「ああ、かなりの出来物だな!上層部に売れば、金が降りるぞ、その金どうする?」
グレドニが自分の足元を見つめた。
「やっぱり・・・家に寄付ですね・・・親にはかなり助けられたので・・・」
「お前、偉いじゃねえか!俺なら全部酒に溶かすけどな~」
グレドニが不意のアメリアの方を見た。アメリアもグレドニの方を見ていて、二人の視線ファ合った。
グレドニはすぐに視線をそらしたが、何日もの疲れて思考判断力が著しく低下しているアメリアはグレドニをまだ見ていた。
そんな時だった。
パン!
車がパンクする。全速力を出していたため、人員搬送車が地面と大きく摩擦しながら、前へと傾く。
車内の全員が揺らされる。
「何があったんだよ!」
隊長が運転手に聞いた。
「おそらくパンクだ。すぐ直す、車から出るな」
運転手が運転席の上にあるケースを開けて、予備のタイヤを出す。
そして、ドアを開けたその時だった。
銃声と共に運転手の脳天が銃弾に貫かれ、地面に倒れた。
「敵襲!」
隊長が大声で叫んだ。
「クソが!」
一人の隊員が車の後ろのドアを開けようとしたが、隊長が止めた。
「馬鹿野郎!敵がいるかもしれないだぞ!」
みんなパニックになっていたが、アメリアは、運転手が倒れてるのに気付き、助けようとした。
彼女はバックから煙幕弾を出し、安全ピンを抜き、運転席のドアから外に投げ出した。
10秒ほどで大きな煙幕が車のほとんどを包んだ。
車の後ろのスペースから、アメリアは運転席へと行き、外へ出た。安全のため、赤ちゃんは運転席に置いた。
煙幕の中、アメリアが少し咳したが、耐えて運転手の状況を確認。
「そんな・・・致命傷だ」
煙幕に気づいた隊長がドアを開け、外へでた。
「全員出ろ!搬送車はもう無理だ!」
隊長が煙幕から少し顔を出して、外を覗いた。
隣の5階建てのビルに、敵の狙撃手がいた。
「(どうする!?)」
to be continued...
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