戦場の女神

ニタマゴ

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第二十五話 凶弾

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ジャックは廊下にあったベンチを体の前に立てて、ゆっくりと進んだ。
左手はベンチの足を掴んで、固定、右手は銃を前に出している。
曲がり角にすぐ近くに着き、ジャックは深呼吸をし、止まった。
「(さあ、もうすぐだ・・・)」
足音が近づく。
ジャックはもう一度銃を確認、そして握りしめる。
パタッ
ジャックの目にテロリストの足が見えた。
次の瞬間、ジャックベンチを盾にし、一人のテロリスト接近、テロリストは押し倒された。
ジャックはベンチを挟んで自分下にいるテロリストの頭に銃弾を2発お見舞いしてやった。
もう一人のテロリスト2秒経った後、反応しAKライフルをジャックに向けた。
「このクソが!(ヘレニム)」
何発もの銃弾だジャックの防弾チョッキに当たる。後退りしながら、ジャックがテロリストの防弾チョッキを撃った。テロリストも流石に痛み、階段の方へと後ずり、廊下の角を挟み、二人は相手が見えなくなる。
ジャックが素早くリロードを行い、銃弾を装填した。
少し、一瞬だけジャックが気を抜いた。その瞬間、さっき被弾した腹付近からえげつない痛みが襲ってくる。
「ウッ!あ・・・」
「(出血してるかも・・・)」
そんなことを思いながらも、ジャックは壁に背中をつけて、テロリストを警戒。
その間、テロリストは何度もヘレニム語でジャックを罵っているが、ヘレニム語のわからないジャックにとっては無傷だ。
「(さあどうする?戦闘機は止まってられないが、ここでは止まれる。しかし、止まると辛いな・・・)」
足音が聞こえた。
テロリストが近づく。
「クソ!」
そして・・・
テロリストが銃口をジャックの方へと向けた。
ジャックも同時に拳銃を向けている。
二人の同時の違う言語
「「死ね!」」
AKのコッキングレバーが何回か動く、拳銃のハンマーが一回動き、銃弾が触発される。
・・・
ジャックの銃から出た銃弾がテロリストの頭の中に入った。一方でテロリストの銃弾はジャックの防弾チョッキにしか当たっていない。
ジャックはその場に座った。
「はあ~はああ~自分の体で戦うのも結構・・・きついな」
そう言いながら、ジャックは防弾チョッキを脱いだ。腹付近から少し血が出てきるが軽症だ。
銃弾はギリギリで防弾ベストを貫かなかった。
「これどこ製だ?」
洗濯表示のタグを見た。そこには「ヘレニム産」と書かれていた。
ヘレニムのものは全部不良品とすら思っていたジャックが感心した。
「少しは俺も変わらないとな~助かりましたありがとうございます」
<報告書>
在ヘレスタラナ大使館テロ事件
テロ側:全滅
大使館側:警備員全滅 職員:1名軽傷
ヘレニム側は暴動を鎮圧できなかったことに対して、深い謝罪を行なった。
to be continued...
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