戦場の女神

ニタマゴ

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第十七話 地雷

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アメリアはナイフをゆっくりと慎重に土の中に入れた。
カンッ
金属の摩擦音が聞こえた。少しずつ刺す位置をずらし、アメリアは地雷を掘り進めた。そして、地雷の大体を掘り出すことに成功。
アメリアは緊張しており、今にでも倒れそうだった。地雷を踏んでる足は恐怖で麻痺しており、少しでも木が緩めば死ぬような時間があっという間に過ぎ、周りが暗くなった。赤ちゃんはまだすやすやアメリアの懐で寝ている。
アメリアはずっとしゃがんでいて、足に少し血が通らなくなっていた。
今立ち上がれば、疲れで倒れ、踏み外すかもしれない。
緊張と疲れでアメリアは一晩を過ごした。
朝になった、東側から太陽が上がってきた。
アメリアは覚悟を決して、包帯で地雷と自分の足をぐるぐる巻きにしてくっつけた。そして、ゆっくり立ち、ふらついて倒れたが地雷はまだ爆発してない。
「よかった~よかったよ!」
アメリアが泣き出した。こんな状態に置かれたら泣かない人は、仲間もいないし、戦場だし、赤ちゃんを守らなければいけない、さらには地雷を踏んでいる。
アメリアは今度、慎重にゆっくりで歩き進め、農場の倉庫についた。
銃を取り出す。彼女はイライラしてほとんど全てがどうでも良くなっていた。もし、敵が出てきら、赤ちゃんのこともあるし、ぶっ殺そうと一瞬思った。
幸い農場内にいたのは彼女だけだった。
壁に横たわり、アメリアは足を伸ばして座った。
「(地雷は国際法で、使用が禁止されてるのではなかったのか?)」
「はあ?」
赤ちゃんを抱いたまま、彼女は眠りついた。一晩寝てないんだ。
そして、彼女を起こしたのは赤ちゃんの泣き声だった。
「あ~もう~(イライラ)」
アメリアは胸部を露出して、赤ちゃんに乳を与えた。自分さえ栄養や食料がないのにも関わらず、内心はせめて赤だけ助かってほしいと思っていた。
バンバン!パパパパパパパパン!
「(銃声?)」
乳を飲んだ赤ちゃんは喜び、アメリアの懐で指を遊んでいた。アメリアは防弾チョッキを脱ぎ、赤ちゃんに被せた。そして、銃を取り出す。農場倉庫の7mの高さはある大きな通り口に銃を向ける。
「(足音が近づいてる!このままだと・・・)」
彼女は思考をやめた。無駄エネルギー使うのは勿体無い。
一人の男の姿を見た。白い服に、顔は大きな布で目以外を覆っている。手にはAK47を所持。
アメリアは銃のトリガーを引けなかった。あの少年が脳内に浮かんできたのだ。
「おいお前!(スタラナ)」
男は銃口をアメリアに向ける。アメリアは懐に赤ちゃんがいることを思い出す。
■の指が動く
銃声がなった。
to be continued...
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