戦場の女神

ニタマゴ

文字の大きさ
上 下
14 / 51

第十四話 打撃

しおりを挟む
「はあ~はあ~」
アメリアが息を切らしながら走っていた。顔には多くの返り血がついていた。
「(なんで!なんであんなことになったんだ!)」
考えながら、アメリアが叫びながら、涙を流し、走り続けた。
「(自分でもどこに向かってるかわからない!でもとりあえずここから離れなきゃ!)」
~1時間前~
鎮圧した敵の拠点で休んでいた15番隊たち、怪我人がいるため、援護の衛生兵が来るのを待っていた。
何10人かの兵士が敵兵の死体を一箇所に集めて銃や火薬を回収していた。ヘレニムはそもそも資源や財金はそれほど多くない、世界一と呼ばれる陸軍はあくまでも兵士の技能や兵隊の作戦及び能力、兵器や銃火器の量や質では劣る。それも仕方ない、なぜならヘレニムは100前近くまではまでスタラナの一部であり、独立して世界的に先進国として、認められたのもかなり最近である。
兵士たちは回収した銃火器及び兵器を、一つづつ木箱の中へと回収し、トラックの中に詰めた。そんな時だった。
すぐ隣にあったビルが飛んできた何かに撃たれ、崩壊した。その真下には休憩している負傷者が何人も近くにいたが、全員押し潰された。
アメリアはすぐ隣にいたが、ギリギリで生き残り、顔や服にはさっきまで自分が手当していた人の返り血があった。
「全員車に乗れ!すぐに撤退するぞ!」
ハクリ隊長が大声で叫んだが、放心状態のアメリアは聞こえなかった。そして、崩壊した建物のせいで砂埃が舞い上がっており、誰も取り残されたアメリアに気づかず、車が出発した。
車のエンジンが聞こえたアメリアは、正気に戻った。
「待って!まだ私が!」
もう1発ミサイルが飛んできた。さっきトラックが通った道が瓦礫で塞がれた。アメリアもう一方の出口へと急ぐ、出口付近についた。アメリアはナイフを鏡がわりにし、大通りの様子を見た。スタナラ軍がそう遠くない場所にいる。ゆっくり近づいて来ている。
アメリアは素早くナイフをしまい。大通りの向こう側にある建物と建物の間にある隙見を見つけた。
「(行くしかない!)」
アメリアが足で地面を蹴る、体が跳ねる。前に行こうとする!体勢を崩した・・・
パン~
その場に倒れた。
「えっ・・・待って」
スタラナの兵士がアメリアに気づいた。スタラナ語で叫んでいる。
「嘘でしょ!」
アメリアはもう一度立ち上がり、狭い道の中に入った。彼女は全力で進んでいるつもりだが、そんなに早くない。
狭い道を抜けると、そこには車一つ程の幅しかない道があった。
アメリアはとりあえず走り続けた。
「(さっきの軍隊から離れなきゃ)」
to be continued...
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】ぽっちゃり好きの望まない青春

mazecco
青春
◆◆◆第6回ライト文芸大賞 奨励賞受賞作◆◆◆ 人ってさ、テンプレから外れた人を仕分けるのが好きだよね。 イケメンとか、金持ちとか、デブとか、なんとかかんとか。 そんなものに俺はもう振り回されたくないから、友だちなんかいらないって思ってる。 俺じゃなくて俺の顔と財布ばっかり見て喋るヤツらと話してると虚しくなってくるんだもん。 誰もほんとの俺のことなんか見てないんだから。 どうせみんな、俺がぽっちゃり好きの陰キャだって知ったら離れていくに決まってる。 そう思ってたのに…… どうしてみんな俺を放っておいてくれないんだよ! ※ラブコメ風ですがこの小説は友情物語です※

俺以外、こいつに触れるの禁止。

美和優希
恋愛
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の高校二年生の篠原美姫は、誰もが憧れる学園のヒメと称されている。 そんな美姫はある日、親の都合で学園屈指のイケメンのクラスメイト、夏川広夢との同居を強いられる。 完璧なように見えて、実は男性に対して人の何倍も恐怖心を抱える美姫。同居初日からその秘密が広夢にバレてしまい──!? 初回公開・完結*2017.01.27(他サイト) アルファポリスでの公開日*2019.11.27 表紙イラストは、イラストAC(sukimasapuri様)のイラスト素材に背景と文字入れを行い、使用させていただいてます。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

鷹鷲高校執事科

三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。 東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。 物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。 各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。 表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)

ヒカリノツバサ~女子高生アイドルグラフィティ~

フジノシキ
青春
試合中の事故が原因でスキージャンプ選手を辞めた葛西美空、勉強も運動もなんでも70点なアニメ大好き柿木佑香、地味な容姿と性格を高校で変えたい成瀬玲、高校で出会った三人は、「アイドル同好会」なる部活に入ることになり……。 三人の少女がアイドルとして成長していく青春ストーリー。

Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説

宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。 美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!! 【2022/6/11完結】  その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。  そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。 「制覇、今日は五時からだから。来てね」  隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。  担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。 ◇ こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく…… ――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――

【中間選考残作品】医大生が聖女として異世界に召喚されましたが、魔力はからっきしなので現代医術の力で治癒魔法を偽装します!【3章終】

みやこ。@他コン2作通過
ファンタジー
♦️カクヨム様で開催されたコンテストで中間選考に残った作品です。 元医療従事者によるちょっぴりリアルな異世界転移ラブコメディ♡ 唱える呪文はデタラメ、杖は注射器、聖水ならぬ聖薬で無垢な人々を欺き、王子を脅す。突然異世界に飛ばされても己の知識と生存本能で図太く生き残る......そんな聖女のイメージとはかけ離れた一風変わった聖女(仮)の黒宮小夜、20歳。 彼女は都内の医科大学に特待生として通う少しだけ貧しい普通の女の子だったが、ある日突然異世界に召喚されてしまう。 しかし、聖女として異世界召喚されたというのに、小夜には魔力が無かった。その代わりに小夜を召喚したという老婆に勝手に改造されたスマートフォンに唯一残った不思議なアプリで元の世界の医療器具や医薬品を召喚出来る事に気付く。 小夜が召喚されたエーデルシュタイン王国では王の不貞により生まれ、国を恨んでいる第二王子による呪いで国民が次々と亡くなっているという。 しかし、医者を目指す小夜は直ぐにそれが呪いによる物では無いと気が付いた。 聖女では無く医者の卵として困っている人々を助けようとするが、エーデルシュタイン王国では全ての病は呪いや悪魔による仕業とされ、治療といえば聖職者の仕事であった。 小夜は召喚された村の人達の信用を得て当面の生活を保障して貰うため、成り行きから聖女を騙り、病に苦しむ人々を救う事になるのだった————。 ★登場人物 ・黒宮小夜(くろみやさよ)⋯⋯20歳、貧乏育ちで色々と苦労したため気が強い。家族に迷惑を掛けない為に死に物狂いで勉強し、医大の特待生という立場を勝ち取った。 ・ルッツ⋯⋯21歳、小夜が召喚された村の村長の息子。身体は大きいが小心者。 ・フィン⋯⋯18歳、儚げな美少年。聖女に興味津々。 ・ミハエル・フォン・ヴィルヘルム⋯⋯20歳、エーデルシュタイン王国の第二王子。不思議な見た目をしている。 ・ルイス・シュミット⋯⋯19歳、ミハエルの護衛騎士。 ⚠️ 薬や器具の名前が偶に出てきますが、なんか薬使ってるな〜くらいの認識で問題ございません。また、誤りがあった場合にはご指摘いただけますと幸いです。 現在、ファンタジー小説大賞に参加中です。応援していただけると嬉しいです!

「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~

kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。

処理中です...