戦場の女神

ニタマゴ

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第十三話 突撃

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「こちら15番隊!9月13日午前10:23アラスカへの突入を開始する!」
ハクリ隊長が通信機を通して本部と喋った。
そして、15番隊は怯むことなく国際都市アラスカのゲートを通過し、スラタナの駐屯地があると思われる場所へと足を運ばせた。
一方アメリアは地図を頼りにアラスカ郊外にあるヘレニムの駐屯地に辿り着き、そこで彼女は食料の補給や休息を少しし、管理人からの指示で一人のみでアラスカ内部へと足を運ばせた。
「(とりあえず怪我人がいたら助けろって言われたから、都市の中をグルグル回って15番隊を探せばいいのかな?)」
アラスカ内部に足を踏み入れたアメリアは驚いた。ビルや建物などは激しい闘争でボロボロだが、10建てなどとアメリアが住んでいた小さな町にはない高いビルがあった。
アメリアはブルブルと頭を振り、やるべきことを考え走り出した。
15番隊の小部隊が5階建てのビルに身を潜めた。建物の下にはスラタナ国のキャンプがある。
15番隊の大部隊がキャンプ場内へと入った。彼らは人を見つけ次第撃ち殺した。
「頼む助けてくれ!(スラタナ)」
「うるさい死ね!(ヘレニム)」
ヘレニムの兵士が躊躇なく敵を撃ち殺したが、死んだ敵の虚無な顔を見て後悔した。
「(降参してたのではないのか?いや、俺は・・・)」
1発の銃弾が彼の頭を貫いた。
「下がれ!スナイパーがいる!」
ハクリ隊長がスナイパーの存在に気づいて小部隊に伝達した。
小部隊はスナイパーの居場所を見つけ撃ち殺した。戦闘開始から1時間ほどが経ち、15番隊が勝利を収めたが、134人もいた15番隊は今33人となってしまったのだ。(エマを除く)
「クソ!衛生兵はいないのか!?怪我人が多すぎる!」
生き残った33人の中で重傷者は4人もいたが、衛生兵はアメリアを除いて全てジャックの戦闘機に撃ち殺されていたのだ。
戦場の砂煙の中から一人女の子が姿を現した。薄茶色の長髪と赤い十字架がある救急箱とヘルメット。
「衛生兵のアメリアです!負傷者はどこにいますか!?」
アメリアが急ぎながらハクリ隊長に尋ねた。
「あっちだが・・・」
アメリアはハクリ隊長の言葉を無視し、負傷者のところへと行き、素早い動きで全ての患者に応急処置をした。
他の兵士はこんな風にアメリアのことを言っていた。
「無駄な動きが一切なく、人を助けるのに精一杯だったようだよ!」
「煙の中から彗星の如く現れてすぐにみんなを助けた!しかも一人でだ!」
「まるで女神だったよ!」
その後アメリアは15番隊の中で戦場の女神と呼ばれるようになった。
to be continued···

↑↑↑アメリアの絵を描きました!下手かもしれないですけどこれかも頑張ります!
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