戦場の女神

ニタマゴ

文字の大きさ
上 下
8 / 51

第八話 帰還

しおりを挟む
今度はジャックがエマを背負った。途中でエマの傷口から血が染み出して来た。ジャックはエマを下ろした。
そして、アメリアがエマの足にある包帯を解いて、傷口を確認した。
「ひどい、もう腐敗が始まってる・・・」
「私・・・死ぬの?」
「大丈夫、すぐになんとかする」
アメリアは緩んでいた紐をもう一度強く縛って、エマの足を止血する。そして、腐敗を遅くする薬を打った。さらに痛み止めの注射もした。
アメリアはいらなくなった包帯をバックにしまい、新たな包帯をエマの傷口に巻いた。
ジャックがまたエマを背負って、3人が歩き出す。
また何分か歩き続けると、砲撃音が聞こえた。3人は地面にうつ伏せて身を隠した。アメリアが望遠鏡を取り出して、覗いた。
塹壕から、なん本もの砲管伸び出ている。
「援護射撃だよ!」
エマが言った。
「確か、隊長が言ってた。もし、敵が第一線を突破したり、しそうになったら、第二線から大規模の援護射撃が行われる。」
「そう・・・」
エマを通じて、ジャックは一旦、その場に止まって、アメリアとエマだけが塹壕に入って、捕虜を受け入れるか調べてみることにした。
アメリアはエマを背負って塹壕の中に入った。
「負傷兵がいます!帰りの列車はいつですか?」
後方だから、兵士たちも余裕があって、アメリアに駅を案内した。
アメリアはエマをベンチに横たわせて、休憩させた。
「次の列車まで3時間だって・・・」
「私帰りたくない・・・」
「なんで?ここにいたら危険でしょ?」
「・・・」
エマ
彼女の家庭はお金持ちだった。でも、そのせいで小さい頃から彼女は好きなことが一切できず、ロボットみたいに言われたことをやっていた。
だから彼女は自由を求めて、家から逃げ出して、徴兵に参加した。
もちろん家族も誰にも言ってない。もしかしたら、家族をまで自分を探しているのではと、エマも少し心配にはなっていた。
「捕虜も受け入れてくれそうだから、彼を連れてくる。」
「うん」
アメリアがその場を離れた。駅に誰もいないことを確認して、エマがライフルの銃口を自分の口に押し付けた。
「(このまま死ねたらな~毎回手が動かない・・・)」
いつもと同じように彼女はまた自殺に失敗した。
to be continued···
今日は1000文字行きませんでした・・・すみません!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】カワイイ子猫のつくり方

龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。 無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。

私の隣は、心が見えない男の子

舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。 隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。 二人はこの春から、同じクラスの高校生。 一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。 きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。

ハレとケ

101の水輪
青春
人は祭りや祝い事などの非日常のハレと、日常のケのそれぞれで見せる顔を使い分けている。ときにはハレの顔を探られたくない、見られたくないと思うことがある。家や学校に居場所がなく、繁華街の一角に巣づく子どもたちがいる。彼らにとってそこがケだとすると寂しい限りだ。ある日、大介は尊敬する先輩の真の姿を目にする。その後、大介の行動に大きな変化が。101の水輪、第40話。なおこの作品の他に何を読むかは、101の水輪トリセツ(第77話と78話の間に掲載)でお探しください。

夏の青さに

詩葉
青春
小学生のころからの夢だった漫画家を目指し上京した湯川渉は、ある日才能が無いことを痛感して、専門学校を辞めた。 その日暮らしのアルバイト生活を送っていたある時、渉の元に同窓会の連絡が届くが、自分の現状を友人や家族にすら知られたくなかった彼はその誘いを断ってしまう。 次の日、同窓会の誘いをしてきた同級生の泉日向が急に渉の家に今から来ると言い出して……。 思い通りにいかない毎日に悩んで泣いてしまった時。 全てが嫌になって壊してしまったあの時。 あなたならどうしますか。あなたならどうしましたか。 これはある夏に、忘れかけていた空の色を思い出すお話。

パラダイス・ロスト

真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。 ※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

処理中です...