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第一章
第三話 体育
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長い長い授業が過ぎ、とうとう体育の時間が来てしまった。福田さんは少し自分の選択を後悔したが、もう後戻りはできない。
彼女は体操着が入ったバッグを持った。そして、女子は女子更衣室へ、男子は男子更衣室へと向かっていた。
福田さんはその二つの部屋の入り口の前にずっと立っていた。
そして、彼女は地面を踏み締めた。
~~~
「それでさあ、昨日おめえが失敗したせいで敵にやられたじゃん」
「いや、あれはお前が悪い」
男子たちが大声で騒いでいた。その中にスカートを着た福田が入ってくる。
全員が固まる。
「え?」
松田が思わず声を漏らした。
「はあ~」
「いつからわたしが女の子だと決めつけたの?」
誰も何も喋らない。
そして、福田が服を着替えるための制服を脱ぎ始める。男子たちは続々と後ろに下がる。
福田さんは明らかにブラジャーをつけていて、胸膨らんでいた。そして、ズボンまで脱ぐ。肌は白く、すべすべで誰がどう見ても女性でしかなかった。
でも、パンツよく見ると少しだけだが膨らんでいる。
膨らんでいるのだ。
「あんた男だったのか!?」
松田がかなり大声で叫ぶ。
「うん…どうだろうな~どっちとも言えないけど、体は男だよ」
「じゃあ、なんだよ。その胸は?」
「おっぱいだよ」
空気が凍った。誰も喋れなくなった。思わずおっぱいという言葉を発した福田でさえ恥ずかしかった。
やばいやばい言ってしまった!そんなことを福田さんが思っていると強面の向井先生が入ってきた。
「おめえら今日遅いな~やけにうる…」
向井先生の目に映ったのは上半身だけ体操着を着ている福田だった。
「え?」
「いや、先生。これには深い事情があるのです。」
「福田…こいつらがやったのか?」
「いえ、違います…」
「いや、本当のことを言ってくれ、いくら高校生でもこれは犯罪だ。女子生徒を無理やり…」
「だから先生!違います。聴いてください!わたし、男なんです!」
さらに空気が凍ってしまった。
「は?え?どどどういうこと?」
「いずれ説明しますから…今はまだほっといてください…」
「いや、流石に無理があるぞ。あ?え?どういうこと?え?男?」
「校長先生にでも聞いてください…」
喋っている間、福田はどんどん服を着替え、ハチマキを巻いて、更衣室を出た。
残ったのは、着替え途中の男子生徒と突っ立っている向井先生だけだった。
「お前ら全員事情聴取だ…」
~~~
もうすぐ体育の授業が始まろうとしていた。校庭ではすでに女子たちは整列していた。
体育の先生である佐藤先生は時計を見ながら少しイライラしている。
「おせえな。」
女子たちは逆に福田さんの心配していた。更衣室にもいなかったし、どこに行ったのだろうか。
しかし、そんな中福田が堂々と笑顔で登場する。
「すみません。遅れました。」
「速くしろ。転校生だからってダメだぞ。」
「すみません。」
福田は軽く謝り、颯爽と女子の列に並んだ。
誰もが福田さんにどうしたの?と聞こうとしたが、もうすぐ授業が始まるし、先生はイライラしているので話せる雰囲気ではなかった。そんな中、向井先生が男子と一緒に降りてきた。向井先生は学年主任でもあり、その姿を見た佐藤はすぐに挨拶した。
「あ、こんにちわ。なぜ佐藤先生が?」
「いや、少し複雑な事情がありまして。もうすぐ校長先生が来ますので…」
「校長先生?一体どんな…」
「それはまたお伝えします。男子ども、並べ。そして、福田。ちょっと来い」
「はい…」
やはり普通の人生は送れないのか…と福田さんは悟り、向井先生について行った。
彼女は体操着が入ったバッグを持った。そして、女子は女子更衣室へ、男子は男子更衣室へと向かっていた。
福田さんはその二つの部屋の入り口の前にずっと立っていた。
そして、彼女は地面を踏み締めた。
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「それでさあ、昨日おめえが失敗したせいで敵にやられたじゃん」
「いや、あれはお前が悪い」
男子たちが大声で騒いでいた。その中にスカートを着た福田が入ってくる。
全員が固まる。
「え?」
松田が思わず声を漏らした。
「はあ~」
「いつからわたしが女の子だと決めつけたの?」
誰も何も喋らない。
そして、福田が服を着替えるための制服を脱ぎ始める。男子たちは続々と後ろに下がる。
福田さんは明らかにブラジャーをつけていて、胸膨らんでいた。そして、ズボンまで脱ぐ。肌は白く、すべすべで誰がどう見ても女性でしかなかった。
でも、パンツよく見ると少しだけだが膨らんでいる。
膨らんでいるのだ。
「あんた男だったのか!?」
松田がかなり大声で叫ぶ。
「うん…どうだろうな~どっちとも言えないけど、体は男だよ」
「じゃあ、なんだよ。その胸は?」
「おっぱいだよ」
空気が凍った。誰も喋れなくなった。思わずおっぱいという言葉を発した福田でさえ恥ずかしかった。
やばいやばい言ってしまった!そんなことを福田さんが思っていると強面の向井先生が入ってきた。
「おめえら今日遅いな~やけにうる…」
向井先生の目に映ったのは上半身だけ体操着を着ている福田だった。
「え?」
「いや、先生。これには深い事情があるのです。」
「福田…こいつらがやったのか?」
「いえ、違います…」
「いや、本当のことを言ってくれ、いくら高校生でもこれは犯罪だ。女子生徒を無理やり…」
「だから先生!違います。聴いてください!わたし、男なんです!」
さらに空気が凍ってしまった。
「は?え?どどどういうこと?」
「いずれ説明しますから…今はまだほっといてください…」
「いや、流石に無理があるぞ。あ?え?どういうこと?え?男?」
「校長先生にでも聞いてください…」
喋っている間、福田はどんどん服を着替え、ハチマキを巻いて、更衣室を出た。
残ったのは、着替え途中の男子生徒と突っ立っている向井先生だけだった。
「お前ら全員事情聴取だ…」
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もうすぐ体育の授業が始まろうとしていた。校庭ではすでに女子たちは整列していた。
体育の先生である佐藤先生は時計を見ながら少しイライラしている。
「おせえな。」
女子たちは逆に福田さんの心配していた。更衣室にもいなかったし、どこに行ったのだろうか。
しかし、そんな中福田が堂々と笑顔で登場する。
「すみません。遅れました。」
「速くしろ。転校生だからってダメだぞ。」
「すみません。」
福田は軽く謝り、颯爽と女子の列に並んだ。
誰もが福田さんにどうしたの?と聞こうとしたが、もうすぐ授業が始まるし、先生はイライラしているので話せる雰囲気ではなかった。そんな中、向井先生が男子と一緒に降りてきた。向井先生は学年主任でもあり、その姿を見た佐藤はすぐに挨拶した。
「あ、こんにちわ。なぜ佐藤先生が?」
「いや、少し複雑な事情がありまして。もうすぐ校長先生が来ますので…」
「校長先生?一体どんな…」
「それはまたお伝えします。男子ども、並べ。そして、福田。ちょっと来い」
「はい…」
やはり普通の人生は送れないのか…と福田さんは悟り、向井先生について行った。
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