5 / 8
第五話 失態
しおりを挟む
「は!」
急に目を覚ました。目の前にはヘッドライトの光が壁を灯している。
「マジかよ!オフにしてないじゃん!」
あとどれくらいこのヘッドライトが持つかわからないが、こいつが使えなくなってしまえば、実質私は視力を失うことになる。
そんなことを考えながら私はライトの電源ボタンを押し、あたりが一瞬で暗闇に包まれた。目を開けても開けなくてもどっちも同じだった。
私はゆっくりと目を閉じた。
息を吸う。
落ち着け
落ち着くんだ。大丈夫、電池ならまだいっぱいある。それより進まないと
ライトの電源をつけ、私は立ち上がった。また同じように目の前に広がっている迷路。
「進もう」
自分の足音だけが響いている。他の雑音は何もない、もしここで仕事ができたら集中できるだろうな~
何時間か歩き、お腹も減ったし、全身が汗でへとへと、もうどれくらいここに閉じ込められてるんだ?
ふとスマホを見た。
「あと12%!?」
シャットダウンでもしとくべきだった。スマホの時間によると、もう1日以上ここにいるらしい。
私は急いでスマホの電源を切った。そして、ポケットにしまう。
5分ほど休憩を挟んだ。
「いつになったら終わるんだ?」
もしかして、最初の落ちてきた場所にいた方が良かったんじゃないのか?それとも最初のあの廊下で行くべき方向を間違えた?
もう、今更そんなことはどうでもいい。
自分の顔を叩く、頭の上にあった傷もかさぶたに包まれ、汗が染みて痛くなることも無くなった。
さらに歩く、最初の仮拠点を置いていたあの扉の前にはもう戻ることはないだろう。方向感覚もおかしくなったし…
しかし、私はあの扉を発見した。急に見つかったのだ。
緑の光が少し光っている非常口マークが上にある扉。しかし、私のいた扉じゃない。周りに壁の配置がおかしい。
ここに来て急に私はこの扉を開けるのが怖くなった。あの銃を握っていた死体も見たことで、死への恐怖が私の動きを鈍らせた。
「行くしかない…」
カチャッ
扉が開く。
「光だ!」
薄暗い蛍光灯が一つだけあった。
ここはさっきと同じような壁の作りだが、天井が3mほどしか高さはなく、さっきのとんでもない巨大感はなくなり、少しずつ通常世界に戻ってると実感されるようであった。
しかし、蛍光灯は一つしかなく、同じように果てしなく広い空間であった。天井は低くなったものの、壁が一切なくただただ広がっている真っ暗な空間ヘッドライトで地面しか照らせてないから、壁がないことがわかる。
「この蛍光灯はなんだ?」
蛍光灯をこんな興味深く観察することなどなかなかない、蛍光灯の棒の端に小さく文字が印刷されている。おそらく会社名とかだろ。それ以外人の文字はなかった。
逆にこんなに広いとどうすすめばいいのか全くわからなかった。
to be continued...
急に目を覚ました。目の前にはヘッドライトの光が壁を灯している。
「マジかよ!オフにしてないじゃん!」
あとどれくらいこのヘッドライトが持つかわからないが、こいつが使えなくなってしまえば、実質私は視力を失うことになる。
そんなことを考えながら私はライトの電源ボタンを押し、あたりが一瞬で暗闇に包まれた。目を開けても開けなくてもどっちも同じだった。
私はゆっくりと目を閉じた。
息を吸う。
落ち着け
落ち着くんだ。大丈夫、電池ならまだいっぱいある。それより進まないと
ライトの電源をつけ、私は立ち上がった。また同じように目の前に広がっている迷路。
「進もう」
自分の足音だけが響いている。他の雑音は何もない、もしここで仕事ができたら集中できるだろうな~
何時間か歩き、お腹も減ったし、全身が汗でへとへと、もうどれくらいここに閉じ込められてるんだ?
ふとスマホを見た。
「あと12%!?」
シャットダウンでもしとくべきだった。スマホの時間によると、もう1日以上ここにいるらしい。
私は急いでスマホの電源を切った。そして、ポケットにしまう。
5分ほど休憩を挟んだ。
「いつになったら終わるんだ?」
もしかして、最初の落ちてきた場所にいた方が良かったんじゃないのか?それとも最初のあの廊下で行くべき方向を間違えた?
もう、今更そんなことはどうでもいい。
自分の顔を叩く、頭の上にあった傷もかさぶたに包まれ、汗が染みて痛くなることも無くなった。
さらに歩く、最初の仮拠点を置いていたあの扉の前にはもう戻ることはないだろう。方向感覚もおかしくなったし…
しかし、私はあの扉を発見した。急に見つかったのだ。
緑の光が少し光っている非常口マークが上にある扉。しかし、私のいた扉じゃない。周りに壁の配置がおかしい。
ここに来て急に私はこの扉を開けるのが怖くなった。あの銃を握っていた死体も見たことで、死への恐怖が私の動きを鈍らせた。
「行くしかない…」
カチャッ
扉が開く。
「光だ!」
薄暗い蛍光灯が一つだけあった。
ここはさっきと同じような壁の作りだが、天井が3mほどしか高さはなく、さっきのとんでもない巨大感はなくなり、少しずつ通常世界に戻ってると実感されるようであった。
しかし、蛍光灯は一つしかなく、同じように果てしなく広い空間であった。天井は低くなったものの、壁が一切なくただただ広がっている真っ暗な空間ヘッドライトで地面しか照らせてないから、壁がないことがわかる。
「この蛍光灯はなんだ?」
蛍光灯をこんな興味深く観察することなどなかなかない、蛍光灯の棒の端に小さく文字が印刷されている。おそらく会社名とかだろ。それ以外人の文字はなかった。
逆にこんなに広いとどうすすめばいいのか全くわからなかった。
to be continued...
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
教師(今日、死)
ワカメガメ
ホラー
中学2年生の時、6月6日にクラスの担任が死んだ。
そしてしばらくして不思議な「ユメ」の体験をした。
その「ユメ」はある工場みたいなところ。そしてクラス全員がそこにいた。その「ユメ」に招待した人物は...
密かに隠れたその恨みが自分に死を植え付けられるなんてこの時は夢にも思わなかった。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
【ショートショート】雨のおはなし
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる