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地獄のマラソン大会

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 女子マラソン。
 ランナー達が給水所の水をとって走る。
 にやり。
 給水所に居た男が一人、微笑んだ。

 「うっ・・・!」
 ゴロゴロゴロ。
 ランナー達は腹を押さえ、苦しみだした。
 「うう、お腹が・・・」
 彼女たちは尻を押さえたりして失速した。
 「ト、トイレ・・・」
 彼女たちは転げ回ったり、水銀灯に手をついたりして悶えた。
 それでも負けじとゴールを目指した。
 「あああ、もうだめ!」
 彼女の内の一人がたまらず道の脇にある草むらに飛び込んだ。
 野ぐそを試みたその瞬間。
 「んっ?」
 あの男がスマホを構えていた。
 「あ、あんたは!」
 さては・・・あの水に下剤を入れていたわね。
 その通りである。
 排泄姿なぞ記録されてはもうそれこそ乙女としてたまったもんじゃない。
 彼女は我慢してコースに復帰した。
 「う・・・ぐ・・・!」
 顔を青ざめさせながらふらふらと進んでいくとほかのランナー達も悶え苦しみながら気丈にも耐えつつゴールに向かっていった。
 「あああ!」
 誰かが耐えかねて茂みに駆けていった。
 「だめよ!」
 彼女は叫び、後ろに居るあの男を指した。
 「あっ・・・!」
 そのランナーも気がついたようだ。
 「みんな、我慢して!」
 「ゴールに行けばトイレにいけるわ、それまで我慢よ!」
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