上 下
1 / 27

神様はバイト募集中

しおりを挟む

「先生~。患者さん、さっきの方で終わりですぅ」


 受付の葉子さんが、モフっとした茶色い耳のはえている頭を診察室にのぞかせた。後ろでは、けだるそうにしっぽが揺れているのが見える。
 そう、彼女は狸のあやかしなのだ。

「ありがと葉子さん。君も、もう上がっていいよ。お疲れ様」

俺がそう言うと、葉子さんは尻尾を嬉しそうに振る。そして笑顔で言った。

「先生すいません。わたし、今日でここ辞めますんで。お世話になりましたあ」

 葉子さんの声はいつもの帰り際と同じ、軽い調子だった。

「え…?やめる?」

 俺は、思わずズレてもいない眼鏡を指で押し上げる。

「言ってませんでしたっけ?わたし、もうすぐ結婚するんですよ~。しかも彼がね、『結婚したらそんなキツイ仕事辞めていいよ』って言ってくれたんですぅ」

 じゃあ帰りますね、と葉子さんは、呆気に取られ何も言い返せないでいる俺を一人残し、そそくさと帰っていった。

 これでバイトが辞めてしまうのは七か月連続だ。
 いや酷い時は一ヶ月のうちに何人も辞めてしまうことだってあった。
 うちに来るバイトは、どうしてこんなにも続かないのだろう……。

「これ以上給料は上げられないしなぁ」

 俺は明日からどうしたものかと頭を悩ませながら、独り診療所の掃除と後片付けに取りかかった。

 ここは診療所と言っても、見かけはただの古びた神社である。俺はこの神社に祀られている『稲の神様』なのだ。
 そして、自分が祀られているこのボロ神社の本殿を利用して、下界に住む妖たち相手に診療所を開いている。
 
 どうして神様が妖の診療所をやっているのかというと、それはひとえに生活していくためだった。
 身もふたもないことを言うようだが、神様だって生きていくには金がいる。パンの人気が高まる現代において、俺のような『稲の神様』は、今まさに落ち目もいい所なのだ。

 しかも、俺が神様に転生したのは大正時代。今みたいにゲームもアニメもない。転生と言われたってなんのことやらだった俺は、右も左も分からない中、なんとか神様としてやっていく方法をさがした。

 結果、やはり本業(稲の神様)の仕事だけでは食っていくことができず、副業するしかなかった。その副業が、今の診療所である。

「神様なんて、毎日飲んだくれの日々だと思ってたのになあ」

 診療所は今、赤字すれすれ。バイトも来てはすぐ辞めてしまい、神様になったときに思い描いていたものとは全く違う日常を送っているのだった。



 診療所の掃除と後片付けを終えた俺は、表に出て「受付時間外」の札を扉にぶら下げた。そして再び診療所の扉を開くと、足元に「ひゅう」と冷たい夜風が吹き付けた。その風から逃げるように急いで扉を閉める。

「もう木枯らしが吹く季節になっていたのか」

 この神社(診療所)は街から山間を抜けて少し来たところにある小さな村にあった。山の腕に抱かれるように広がる田園と、まだ所々に茅葺屋根の家々が残るこの村は、街からそれほど離れていないにも関わらず、ひっそりと静かな場所だった。

 俺はうーんと伸びをすると、診療所の奥にある、自分の家へと続く扉の取っ手に手をかけた。
 するとその時、後ろで診療所の戸がぎいっと開く音がした。


「あのう。すみません、誰かいますか?」


 診療所の戸を開いたのは小柄な若い娘だった。
 低級の妖にありがちなのだが、見るからに身なりが荒んでいる。
 顎下くらいで切りそろえられた朽葉色の髪は、あちらこちらにはねていて、まるで嵐の中を来たみたいにボサボサだ。
 
「すいません。今日はもう診察終わりなんです。また明日来てもらえたら…」

「あの、このチラシ見て来たんですけど、バイトの募集ってまだしてますか?」

 その娘が持っていたのは、俺が山向こうの街まで行って配ったバイト募集のビラだった。

「ありがとうございます!まだ募集中です」

 バイトが辞めたその日に、バイトの応募に来てくれる者がいるなんて、「捨てる神あれば拾う神あり」とはまさにこのことではないか。

「よかった。ここもダメだったら私、どうしようかと思ってたんです」

 娘はほっとした様子で、全身から力が抜けていくのが見てわかった。わざわざ山を越えてうちの診療所ま来てくれたと思うと、涙がでそうになった。

 俺はさっそくこの娘と面談をするため、診察室に再び明かりを灯し娘を中に案内する。
 畳の上に、先ほど片付けたばかりの患者用の座布団を敷いてやると、娘はその上にちょこんと正座した。そして、前に座った俺のことを、まじまじと見つめながら言った。

「先生って白シャツの上にお着物合わせてるんですね。お洒落ー! 私そういうのすごく好きです!」

 他人に見た目を褒められることなんてほとんどない俺は、女性に純粋な興味を向けられて少したじろいだ。

「まぁ、この恰好が楽なだけですよ…。えっとそしたら、履歴書か何か経歴が分かるものはあります?」

「あ、すいません。まさか今日、面接してもらえるとは思ってなくて」

「大丈夫です。そしたら簡単に自己紹介と、職歴や何かスキルがあれば教えてもらえるかな」

「はい! 名前は村山楓です。今年大学を卒業しました。えースキルスキル…。あ!どんな人とでも仲良くなるのが得意です!数学とかはちょっと苦手ですけど、でもお金の計算はちゃんとできますし、それに…」

「ちょっ、ちょっと待って」

 俺は彼女の自己紹介を遮った。
 
(この娘、今大学がどうのって言ったか?)

「君……あの、もしかして人間…なのかな?」 
 
俺は恐る恐る聞いた。

「な!どういう意味ですか?そりゃ人間に決まってるでしょ!私のこと妖怪か何かにでも見えました?そりゃ、ちょっとアホそうって言われることはあるけど…人間以下なんてひどいわ!!」

 娘は真っ赤になって怒り出した。
 何か色々勘違いしているようではあるが、俺の方も勘違いしていた。
 あのビラが見えたということは、てっきり妖の類だと思いこんでいたのだ。
 しかし、どうやらこの娘は妖ではなく“見えるタイプ”の人間だったらしい。

「すみません。そういう意味じゃなくて。ここは、妖の患者さん相手の診療所だから、人間の君は働けないんだよ」

「え? 何それ、妖の病院ってこと? 面白そう!」

「いやだから、妖か神様以外はここでは働けないんだ。せっかく来てもらったのに悪いけど…」

「私、妖が出てくるアニメとかすごく好きよ! …ねぇ、ここで働かせてもらえないかしら?私、人付き合いは得意な方だし、まぁ相手が人間じゃなくても何とかなると思うの!」

 娘は綺麗な瞳を輝かせて俺に詰め寄る。俺は座ったまま背をわずかに反らせて娘と距離を保った。

「君が好きかどうかって問題じゃなくて、人間を働かせるなんて規定とかいろいろ引っかかったりして大変で…」

 いや待てよ。そういえば人間の雇用規定なんてあっただろうか。妖の雇用については、妖雇用監督署《あやかしこようかんとくしょ》からうるさく言われるのだが、人間の雇用に関する規定なんてものは聞いたことがない。

「もう私、就活も全然だめだったし、貯金もないし、このままじゃ実家に帰らないといけなくなっちゃうのよぉ。お願い!雑用でもなんでもするから、ここで働かせてください!」

「……。君本当に、あやかしの患者相手でも大丈夫か?」

「大丈夫、大丈夫。私こう見えて、腕っぷしもまぁまぁいけるから任せて!」

 いや患者だっつってんじゃん。腕っぷしで何をするつもりなんだよ。

 何だかこの娘、頭のネジが一、二本飛んでしまっている気もするが、背に腹は代えられない。明日から葉子さんはもう来きてくれないし、俺一人では診察が回らなくなる。雑用でもなんでもすると言っているし、とりあえずいないよりはマシだろう。

「君、人間ということは黙っておいてくれよ。一応、あやかしに見える術もかけさせてもらうからな」

「え!どんなあやかしになるの? 九尾とか? それか雪女なんかも良いかも!あ、山姥はやめてね。何か老けるだけみたいで嫌だし」

「ああ、分かった、分かった。そしたら明日からよろしく頼むよ」

 俺はそう言って立ち上がった。しかし楓と名乗った娘は座布団の上に座ったまま、なにやら、もじもじしている。

「あのぅ。私、実は本当にお金がなくて、賃貸も追い出されちゃった感じで…よかったら住み込みで働かせてもらったりできないかしら。掃除とか洗濯とかはもちろんやります!ご飯も作ってあげるし、ね!お願い!もうほんと行くとこないの」

 娘は涙と鼻水を垂らしながら俺にしがみついてきた。もはや、あきれるを通り越して、泣いてすがるこの娘がだんだん哀れに思えてきた。
 俺もやはり神なのだ。哀れな人間に泣いてすがられて、このまま捨ておくことは忍びなかった。

「はぁ。掃除も洗濯もちゃんとするんだぞ」

「え!それは住み込みでいいってこと?ありがとう!えっと…お名前聞きましたっけ?」

「『稲の神』瑞穂だ」

「へえ!神様だったんだ。よろしくおねがいしまーす。瑞穂さん!」

 俺は何だかどっと疲れた身体を引きずって、神社の奥にある自分の家へと続く扉を開いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合系サキュバス達に一目惚れされた

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

天狐の上司と訳あって夜のボランティア活動を始めます!※但し、自主的ではなく強制的に。

当麻月菜
キャラ文芸
ド田舎からキラキラ女子になるべく都会(と言っても三番目の都市)に出て来た派遣社員が、訳あって天狐の上司と共に夜のボランティア活動を強制的にさせられるお話。 ちなみに夜のボランティア活動と言っても、その内容は至って健全。……安全ではないけれど。 ※文中に神様や偉人が登場しますが、私(作者)の解釈ですので不快に思われたら申し訳ありませんm(_ _"m) ※12/31タイトル変更しました。 他のサイトにも重複投稿しています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~

トベ・イツキ
キャラ文芸
 三国志×学園群像劇!  平凡な少年・リュービは高校に入学する。  彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。  しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。  妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。  学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!  このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。 今後の予定 第一章 黄巾の乱編 第二章 反トータク連合編 第三章 群雄割拠編 第四章 カント決戦編 第五章 赤壁大戦編 第六章 西校舎攻略編←今ココ 第七章 リュービ会長編 第八章 最終章 作者のtwitterアカウント↓ https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09 ※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。 ※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。

デリバリー・デイジー

SoftCareer
キャラ文芸
ワケ有りデリヘル嬢デイジーさんの奮闘記。 これを読むと君もデリヘルに行きたくなるかも。いや、行くんじゃなくて呼ぶんだったわ……あっ、本作品はR-15ですが、デリヘル嬢は18歳にならないと呼んじゃだめだからね。 ※もちろん、内容は百%フィクションですよ!

後宮の裏絵師〜しんねりの美術師〜

逢汲彼方
キャラ文芸
【女絵師×理系官吏が、後宮に隠された謎を解く!】  姫棋(キキ)は、小さな頃から絵師になることを夢みてきた。彼女は絵さえ描けるなら、たとえ後宮だろうと地獄だろうとどこへだって行くし、友人も恋人もいらないと、ずっとそう思って生きてきた。  だが人生とは、まったくもって何が起こるか分からないものである。  夏后国の後宮へ来たことで、姫棋の運命は百八十度変わってしまったのだった。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

喰って、殴って、世界を平らげる!――世界を喰らうケンゴ・アラマキ――

カンジョウ
キャラ文芸
荒巻健吾は、ただ強いだけではなく、相手の特徴を逆手に取り、観客を笑わせながら戦う“異色の格闘家”。世界的な格闘界を舞台に、彼は奇抜な個性を持つ選手たちと対峙し、その度に圧倒的な強さと軽妙な一言で観客を熱狂させていく。 やがて、世界最大級の総合格闘大会を舞台に頭角を現した荒巻は、国内外から注目を浴び、メジャー団体の王者として名声を得る。だが、彼はそこで満足しない。多種多様な競技へ進出し、国際的なタイトルやオリンピックへの挑戦を見据え、新たな舞台へと足を踏み出してゆく。 笑いと強さを兼ね備えた“世界を喰らう”男が、強豪たちがひしめく世界でいかに戦い、その名を世界中に轟かせていくのか――その物語は、ひとつの舞台を越えて、さらに広がり続ける。

処理中です...