25 / 56
前編
第24話 魔族は怖い
しおりを挟む
「あれ? 宗主は?」
「宗主なら、俺ら置いてさっさと奥に行ったぞ? いつものことだろ」
スガノがジョリスと話していると、奥に行っていたクラーリオの姿が見えた。どう見ても様子がおかしく、時折襲ってくる魔獣を素手で撃退しながらこちらに近づいてくる。
「宗主! 素手は駄目ですって!」
魔獣の血には有害なものが多い。素手で攻撃など、普通なら考えられないことだ。
慌てたスガノはクラーリオの腕を掴み、その顔を見た。そして咥えていた煙草をポロリと落とす。
「……そ、宗主、どうしたんです? 顔、真っ赤ですけど」
「……非常に……良くない……!」
「は?」と先ほどから開いた口からスガノが声を漏らすと、クラーリオが掴まれていた手を振り払った。真っ赤な顔をしたクラーリオは、眉間に深い皺を刻んでいる。
「何だあの可愛い生き物は……! 魔族にまで笑顔を振りまくとは、実に良くない!」
「……えっと……宗主、もしかして、会ったんすか?」
「こんな森の奥まで進んでいるとは……! それも含めて、教育しなければ……」
「……会ったんすね……バレなかったですか?」
クラーリオはスガノを見ると「当たり前だ」と零した。しかしいつもの冷静さは取り戻していない。ジョリスが持ってきた布で手を拭い、クラーリオは自身が歩いてきた方を悩まし気に見つめている。
「宗主、じゃあその可愛い生き物は、魔族にも偏見がないってことっすよね?」
「……」
「連れ帰りましょう?」
「……この……任務が終わったらな」
クラーリオの答えに、スガノが嬉しそうに破顔する。意外な反応にクラーリオが眉を顰めていると、スガノがタオを呼び出した。
「タオ! 例の件、経過は良好だってゼオに報告しておけ!」
「! 御意!」
すぐ傍で聞こえたタオの声に、クラーリオは更に眉を顰めた。スガノがにやにやと顔を綻ばせる横では、ジョリスもにこにこ笑っている。2人の顔を交互に見て、クラーリオは口を開く。
「……待て。誰がどこまで把握している?」
「何の話ですか? 宗主が可愛い生き物を見つけたって事は、何となく全員知ってます」
「………ちっ、仲のいいことだ」
溜息を付きながらクラーリオがその場から離れると、ジョリスがきらきらした瞳でスガノを見た。感情豊かなクラーリオなど、何年ぶりか見当もつかない。
「めっっちゃ、かわいくないですか! 今の宗主!」
「いや、可愛くはない。それは否定しておく」
スガノは再び煙草に火をつけて、手を振りながらジョリスに言い放つ。ジョリスから舌打ちが漏れ、スガノは「おお、こわ」と言いながらその場を離れた。
遠くから聞こえる部下の騒ぐ声を聞きながら、クラーリオは森の奥を見た。
エリトに会った事でその奥までは進めなかったが、かなり大規模な魔泉が湧いているのをクラーリオは確認している。
(あの規模だと、魔獣の殲滅に時間がかかるな。1日か2日、エリトの元に戻れないかもしれない)
ヘラーリア側に魔獣が多いのは、あの魔泉の影響が大きいようだった。あの魔泉を枯れさせれば、ここでの任務は完了となるだろう。
(任務が完了したら、どうエリトを連れ帰るか……)
クラーリオは人間へ姿を変え、丸くなった耳を撫でる。
今日の夕飯のメニューは何にするか、とクラーリオは考えた。しかし、クラーリオに出来る料理はふたつしかない。
________
クラーリオが夕飯に作った「リゾット」と「おむすび」を、エリトは美味しそうに平らげた。
幸せそうに「ごちそうさま」と手を合わせるエリトの髪を、クラーリオはくしゃくしゃと撫でる。撫でられながら、エリトは口を尖らせた。
「ガキ扱いすんなよ」
「はは、ごめん」
口調の割には怒っていない様子のエリトは、クラーリオの返答に目を細めている。数日前までの警戒心はどこにもなく、親し気な笑みは柔らかく甘い。
(はぁ……エリト……可愛い。馬鹿みたいに可愛い……)
しかしクラーリオは、エリトの事を戒めなければならない。魔族には悪意に満ちた者も多くいる。カマロのような魔神に会っていたら、すぐさま連れ去られていたところだ。
どう話を切り出そうかとクラーリオが考えていると、エリトが皿を片づけながら口を開いた。
「クリオ、暴戻の魔神って知ってる?」
「……知ってる。どうして?」
「! 知ってるのか!?」
エリトがクラーリオを振り返り、興味津々といった顔を浮かべる。あまりにも楽しそうな顔に、クラーリオ自身が嫉妬するほどだ。
若干ムッとしながら、クラーリオは口を開いた。
「有名な魔神だよ。彼がどうかしたの?」
「今日、森で会ったんだ。やっぱり有名だったんだな! あの人、めっちゃ恰好良いんだよ!」
「………エリト、座って?」
クラーリオが自分の傍らをポンポンと叩くと、エリトはそこへ素直に座った。エリトと向き合って、クラーリオはその手を握り込む。
「いいかい、エリト。魔族はとても怖いんだ。親し気に近づいてはいけないよ?」
「それくらい分かってる。でも彼は、きっと大丈夫だ」
「……どうしてそんな事言えるんだ? 暴戻の魔神は、冷酷で非道な魔神だよ?」
クラーリオの言葉に、エリトは首を傾げた。少し思案しているように眉を寄せて、エリトは口を開いた。
「冷酷で、非道……? そんなこと、きっとないよ」
「宗主なら、俺ら置いてさっさと奥に行ったぞ? いつものことだろ」
スガノがジョリスと話していると、奥に行っていたクラーリオの姿が見えた。どう見ても様子がおかしく、時折襲ってくる魔獣を素手で撃退しながらこちらに近づいてくる。
「宗主! 素手は駄目ですって!」
魔獣の血には有害なものが多い。素手で攻撃など、普通なら考えられないことだ。
慌てたスガノはクラーリオの腕を掴み、その顔を見た。そして咥えていた煙草をポロリと落とす。
「……そ、宗主、どうしたんです? 顔、真っ赤ですけど」
「……非常に……良くない……!」
「は?」と先ほどから開いた口からスガノが声を漏らすと、クラーリオが掴まれていた手を振り払った。真っ赤な顔をしたクラーリオは、眉間に深い皺を刻んでいる。
「何だあの可愛い生き物は……! 魔族にまで笑顔を振りまくとは、実に良くない!」
「……えっと……宗主、もしかして、会ったんすか?」
「こんな森の奥まで進んでいるとは……! それも含めて、教育しなければ……」
「……会ったんすね……バレなかったですか?」
クラーリオはスガノを見ると「当たり前だ」と零した。しかしいつもの冷静さは取り戻していない。ジョリスが持ってきた布で手を拭い、クラーリオは自身が歩いてきた方を悩まし気に見つめている。
「宗主、じゃあその可愛い生き物は、魔族にも偏見がないってことっすよね?」
「……」
「連れ帰りましょう?」
「……この……任務が終わったらな」
クラーリオの答えに、スガノが嬉しそうに破顔する。意外な反応にクラーリオが眉を顰めていると、スガノがタオを呼び出した。
「タオ! 例の件、経過は良好だってゼオに報告しておけ!」
「! 御意!」
すぐ傍で聞こえたタオの声に、クラーリオは更に眉を顰めた。スガノがにやにやと顔を綻ばせる横では、ジョリスもにこにこ笑っている。2人の顔を交互に見て、クラーリオは口を開く。
「……待て。誰がどこまで把握している?」
「何の話ですか? 宗主が可愛い生き物を見つけたって事は、何となく全員知ってます」
「………ちっ、仲のいいことだ」
溜息を付きながらクラーリオがその場から離れると、ジョリスがきらきらした瞳でスガノを見た。感情豊かなクラーリオなど、何年ぶりか見当もつかない。
「めっっちゃ、かわいくないですか! 今の宗主!」
「いや、可愛くはない。それは否定しておく」
スガノは再び煙草に火をつけて、手を振りながらジョリスに言い放つ。ジョリスから舌打ちが漏れ、スガノは「おお、こわ」と言いながらその場を離れた。
遠くから聞こえる部下の騒ぐ声を聞きながら、クラーリオは森の奥を見た。
エリトに会った事でその奥までは進めなかったが、かなり大規模な魔泉が湧いているのをクラーリオは確認している。
(あの規模だと、魔獣の殲滅に時間がかかるな。1日か2日、エリトの元に戻れないかもしれない)
ヘラーリア側に魔獣が多いのは、あの魔泉の影響が大きいようだった。あの魔泉を枯れさせれば、ここでの任務は完了となるだろう。
(任務が完了したら、どうエリトを連れ帰るか……)
クラーリオは人間へ姿を変え、丸くなった耳を撫でる。
今日の夕飯のメニューは何にするか、とクラーリオは考えた。しかし、クラーリオに出来る料理はふたつしかない。
________
クラーリオが夕飯に作った「リゾット」と「おむすび」を、エリトは美味しそうに平らげた。
幸せそうに「ごちそうさま」と手を合わせるエリトの髪を、クラーリオはくしゃくしゃと撫でる。撫でられながら、エリトは口を尖らせた。
「ガキ扱いすんなよ」
「はは、ごめん」
口調の割には怒っていない様子のエリトは、クラーリオの返答に目を細めている。数日前までの警戒心はどこにもなく、親し気な笑みは柔らかく甘い。
(はぁ……エリト……可愛い。馬鹿みたいに可愛い……)
しかしクラーリオは、エリトの事を戒めなければならない。魔族には悪意に満ちた者も多くいる。カマロのような魔神に会っていたら、すぐさま連れ去られていたところだ。
どう話を切り出そうかとクラーリオが考えていると、エリトが皿を片づけながら口を開いた。
「クリオ、暴戻の魔神って知ってる?」
「……知ってる。どうして?」
「! 知ってるのか!?」
エリトがクラーリオを振り返り、興味津々といった顔を浮かべる。あまりにも楽しそうな顔に、クラーリオ自身が嫉妬するほどだ。
若干ムッとしながら、クラーリオは口を開いた。
「有名な魔神だよ。彼がどうかしたの?」
「今日、森で会ったんだ。やっぱり有名だったんだな! あの人、めっちゃ恰好良いんだよ!」
「………エリト、座って?」
クラーリオが自分の傍らをポンポンと叩くと、エリトはそこへ素直に座った。エリトと向き合って、クラーリオはその手を握り込む。
「いいかい、エリト。魔族はとても怖いんだ。親し気に近づいてはいけないよ?」
「それくらい分かってる。でも彼は、きっと大丈夫だ」
「……どうしてそんな事言えるんだ? 暴戻の魔神は、冷酷で非道な魔神だよ?」
クラーリオの言葉に、エリトは首を傾げた。少し思案しているように眉を寄せて、エリトは口を開いた。
「冷酷で、非道……? そんなこと、きっとないよ」
32
お気に入りに追加
577
あなたにおすすめの小説
騎士団長である侯爵令息は年下の公爵令息に辺境の地で溺愛される
Matcha45
BL
第5王子の求婚を断ってしまった私は、密命という名の左遷で辺境の地へと飛ばされてしまう。部下のユリウスだけが、私についてきてくれるが、一緒にいるうちに何だか甘い雰囲気になって来て?!
※にはR-18の内容が含まれています。
※この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
ざまぁされた小悪党の俺が、主人公様と過ごす溺愛スローライフ!?
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
わんこ系執着攻めヒーロー×卑屈な小悪党転生者、凸凹溺愛スローライフ!?
やり込んでいたゲームそっくりの世界に異世界転生して、自分こそがチート主人公だとイキリまくっていた男、セイン……こと本名・佐出征時。
しかし彼は、この世界の『真の主人公』である青年ヒイロと出会い、彼に嫉妬するあまり殺害計画を企て、犯罪者として追放されてしまう。
自分がいわゆる『ざまぁされる悪役』ポジションだと気付いたセインは絶望し、孤独に野垂れ死ぬ……はずが!!
『真の主人公』であるヒイロは彼を助けて、おまけに、「僕は君に惚れている」と告げてきて!?
山奥の小屋で二人きり、始まるのは奇妙な溺愛スローライフ。
しかしどうやら、ヒイロの溺愛にはワケがありそうで……?
凸凹コンビな二人の繰り広げるラブコメディです。R18要素はラストにちょこっとだけ予定。
完結まで執筆済み、毎日投稿予定。
余命僅かの悪役令息に転生したけど、攻略対象者達が何やら離してくれない
上総啓
BL
ある日トラックに轢かれて死んだ成瀬は、前世のめり込んでいたBLゲームの悪役令息フェリアルに転生した。
フェリアルはゲーム内の悪役として15歳で断罪される運命。
前世で周囲からの愛情に恵まれなかった成瀬は、今世でも誰にも愛されない事実に絶望し、転生直後にゲーム通りの人生を受け入れようと諦観する。
声すら発さず、家族に対しても無反応を貫き人形のように接するフェリアル。そんなフェリアルに周囲の過保護と溺愛は予想外に増していき、いつの間にかゲームのシナリオとズレた展開が巻き起こっていく。
気付けば兄達は勿論、妖艶な魔塔主や最恐の暗殺者、次期大公に皇太子…ゲームの攻略対象者達がフェリアルに執着するようになり…――?
周囲の愛に疎い悪役令息の無自覚総愛されライフ。
※最終的に固定カプ
全ての悪評を押し付けられた僕は人が怖くなった。それなのに、僕を嫌っているはずの王子が迫ってくる。溺愛ってなんですか?! 僕には無理です!
迷路を跳ぶ狐
BL
森の中の小さな領地の弱小貴族の僕は、領主の息子として生まれた。だけど両親は可愛い兄弟たちに夢中で、いつも邪魔者扱いされていた。
なんとか認められたくて、魔法や剣技、領地経営なんかも学んだけど、何が起これば全て僕が悪いと言われて、激しい折檻を受けた。
そんな家族は領地で好き放題に搾取して、領民を襲う魔物は放置。そんなことをしているうちに、悪事がバレそうになって、全ての悪評を僕に押し付けて逃げた。
それどころか、家族を逃す交換条件として領主の代わりになった男たちに、僕は毎日奴隷として働かされる日々……
暗い地下に閉じ込められては鞭で打たれ、拷問され、仕事を押し付けられる毎日を送っていたある日、僕の前に、竜が現れる。それはかつて僕が、悪事を働く竜と間違えて、背後から襲いかかった竜の王子だった。
あの時のことを思い出して、跪いて謝る僕の手を、王子は握って立たせる。そして、僕にずっと会いたかったと言い出した。え…………? なんで?
二話目まで胸糞注意。R18は保険です。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
竜王陛下の愛し子
ミヅハ
BL
この世界の遙か上空には〝アッシェンベルグ〟という名の竜の国がある。
彼の国には古くから伝わる伝承があり、そこに記された者を娶れば当代の治世は安寧を辿ると言われているのだが、それは一代の王に対して一人しか現れない類稀な存在だった。
〝蓮の花のアザ〟を持つ者。
それこそが目印であり、代々の竜王が捜し求めている存在だ。
しかし、ただでさえ希少な存在である上に、時の流れと共に人が増えアザを持つ者を見付ける事も困難になってしまい、以来何千年と〝蓮の花のアザ〟を持つ者を妃として迎えられた王はいなかった。
それから時は流れ、アザを持つ者が現れたと知ってから捜し続けていた今代の王・レイフォードは、南の辺境近くにある村で一人の青年、ルカと出会う。
土や泥に塗れながらも美しい容姿をしたルカに一目惚れしたレイフォードは、どうにか近付きたくて足繁く村へと通いルカの仕事を手伝う事にした。
だがそんな穏やかな時も束の間、ある日突然村に悲劇が訪れ────。
穏和な美形竜王(攻)×辺境の村育ちの美人青年(受)
性的描写ありには※印つけてます。
少しだけ痛々しい表現あり。
愛しい番の囲い方。 半端者の僕は最強の竜に愛されているようです
飛鷹
BL
獣人の国にあって、神から見放された存在とされている『後天性獣人』のティア。
獣人の特徴を全く持たずに生まれた故に獣人とは認められず、獣人と認められないから獣神を奉る神殿には入れない。神殿に入れないから婚姻も結べない『半端者』のティアだが、孤児院で共に過ごした幼馴染のアデルに大切に守られて成長していった。
しかし長く共にあったアデルは、『半端者』のティアではなく、別の人を伴侶に選んでしまう。
傷付きながらも「当然の結果」と全てを受け入れ、アデルと別れて獣人の国から出ていく事にしたティア。
蔑まれ冷遇される環境で生きるしかなかったティアが、番いと出会い獣人の姿を取り戻し幸せになるお話です。
絶対抱かれない花嫁と呪われた後宮
あさ田ぱん
BL
ヴァレリー侯爵家の八男、アルノー・ヴァレリーはもうすぐ二十一歳になる善良かつ真面目な男だ。しかし八男のため王立学校卒業後は教会に行儀見習いにだされてしまう。一年半が経過したころ、父親が訪ねて来て、突然イリエス・ファイエット国王陛下との縁談が決まったと告げられる。イリエス・ファイエット国王陛下の妃たちは不治の病のため相次いで亡くなっており、その後宮は「呪われた後宮」と呼ばれている。なんでも、嫉妬深い王妃が後宮の妃たちを「世継ぎを産ませてなるものか」と呪って死んだのだとか...。アルノーは男で、かわいらしくもないので「呪われないだろう」という理由で花嫁に選ばれたのだ。自尊心を傷つけられ似合わない花嫁衣装に落ち込んでいると、イリエス・ファイエット国王陛下からは「お前を愛するつもりはない。」と宣言されてしまい...?!
※R-18 は終盤になります
※ゆるっとファンタジー世界ですが魔法はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる