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後半戦
変わっていく関係性 2
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「ソ、ソイ君。ちょっと来たまえ」
早朝の鬼の作業場。聡一朗は洗濯を終えた後、ソイを呼び出した。
呼ばれたソイは無垢な笑顔で返事をし、洗濯で濡れた手を拭いながら聡一朗の前に駆け寄ってきた。
宴会の晩に見た、獲物を狩る目とは大違いだ。
「どうかしましたか?聡一朗様」
「っく……!」
キラキラ輝く無垢な笑顔に惑わされそうになり、聡一朗は視線を逸らした。
ここで萎えてはいけない。首を傾げるソイに、聡一朗はストレートに疑問をぶつける。
「ソ、ソイ君。この間の晩、うちのテキロを連れて帰ったよな?」
「はい。回収しました」
「……回収?」
「はい!ワタベさんに回収をお願いされていたので」
聡一朗は思わず仰け反った。
仰け反った聡一朗を見て、ソイは微笑む。鬼なのに、小悪魔のような笑みだ。
「な、何故ソイがそんなことを……」
「何故、ですか?……ふふ……」
口元を手で隠しながら、ソイはクスクス笑う。ひどく嬉しそうな様子のソイに、聡一朗はまったく付いて行けない。
「尊いからですよ!ワタベさんとテキロさん、さいっこうのカップリングじゃないですか!?」
「え?」
ソイは胸いっぱいに息を吸い込んだと思うと、怒涛の勢いで話し始めた。
「いや~ワタベさんから話を持ちかけられた時は、胸がきゅううんとして即返事しちゃいましたぁ。まじでイイ!テキロさんとワタベさんって、何万歳も離れてるんですよ~?年齢差もめっちゃいいし、何よりワタベさんが受けってとこが胸熱で『攻めでもいい。テキロに任せる』っていう台詞聞いたときには、鼻血噴きそうになりましたよ!」
「あ、え?えっと、何て?」
聡一朗の声も聞こえないのか、ソイは息継ぎを挟んで更に畳みかける。
「ヘタレ攻めってまじで好きなんですよ!どうなったかテキロさんから聞きましたか?ああ~今後の2人が楽しみすぎて死にそう。いや、でも獄主様と聡一朗様カプが一番という事は揺るぎないですよ?ほんとに毎日、生きる糧をありがとうございます!!」
「……あ、はい」
何だか良く分からないが、テキロが失恋したことは聡一朗にも理解できた。
_______
改修工事も終わったため、早朝の作業が終わると聡一朗にはやることが無い。せいぜい庭の手入れぐらいしかないのに、最近は鬼たちが率先して手入れしてしまうから困る。
「暇だぁ」
聡一朗は口に菓子を放り入れながら呟いた。豆に砂糖がまぶしてある菓子は、どこか懐かしい味がする。
隣のテキロも豆を口に放り込んでいた。ワタベの部屋にいた事は、彼の中で無かったことになっているようだ。
まるで以前の自分を見ているようで、聡一朗は苦笑いが漏れてしまう。
縁側にはフウトとライトも座っている。豆を頬張りながら一心に漫画を読む2人は「暇だ」とぼやく聡一朗の声をBGMとしか思っていないようだ。
(平和だ……)
聡一朗は鼻から息を吐き切っていると、ふとテキロが口を開いた。
「フウトさん、ライトさん。そう言えば前から疑問だったんですけど、何で獄主様は子供が出来ないのでしょうか?」
フウトが顔を上げ、テキロを見る。ライトも漫画から視線を外した。
「候補者選抜で毎回花嫁を娶っている筈なのに、毎回獄母にならずに花嫁は死んじゃうでしょ?前獄主はすぐ出来てたのに、何でだろうって」
花嫁は獄母になれなければ、人間の寿命のまま死ぬ。獄母になれば永い時を生きられるのに比べれば、早急な死だ。そして獄主は独りになる。
聡一朗も疑問に思っていた事なので、耳をそば立てた。フウトが漫画を閉じ、口を開く。
「地獄の王に子種が無いことは当然ありえない。繁殖能力は他の鬼より断然高いよ。それなのに今の獄主に子供が出来ないのは……まぁ率直に言うと中に出してないからだな」
そこで聡一朗は固まった。手に持っていた豆がポロリと落ちる。
その様子に気付かないまま、今度はライトが口を開いた。
「候補者選びの時も勿論、獄主は中に出さない。まぁ選抜中は子供が出来ないように配慮はされているんだけどね。獄主は選ばれた後の花嫁の居にも、基本行かない。頑ななぐらい獄主は子供を作ろうとしないんだ」
聡一朗はライトの話を聞きながら、達観したような表情を浮かべる。
(ええっと……出され、ましたけど?俺……)
……なんて口に出せる訳がない。
先っぽ挿入の時も何度も出されたし、半分の時も腹がパンパンになるまで中に出された。
苦しくて中を掻き出そうとすると、また突っ込まれるという所業に気が狂いそうになった事も覚えている。
生々しい行為を思い出して、聡一朗は頭を振った。聡一朗を横目で見ながら、今度はテキロが口を開く。
「特に男性候補者の場合、子供を作るのが困難ですもんね。きちんと奥に出すことが必要だし、何度も交合しないと子宮は形成されないし……」
テキロが言うのを、聡一朗はぼんやりと聞いた。相変わらずファンタジーだ。
男が子を孕んで産むなんて、やはり信じられない。
遠い目をしている聡一朗に気付いたテキロが、小さく嘆息した。
「聡一朗、聞きたいことがあったら聞いとかないと駄目だぞ」
「テキロよ……今俺がここで色々聞いたら、生々しすぎないか?」
「馬鹿!お前自身の事なんだぞ!」
鼻息を荒くするテキロを見て、聡一朗はがっくりと項垂れた。テキロの真っすぐな性格が、今は憎らしい。
聡一朗は手で顔を覆うと、独り言のように呟いた。
「ええっと……妊娠ってまじですんのか?え?何か月で生まれるの?は?そもそも何処から産むの?意味わかんない」
ブツブツと呪詛を吐くように呟く聡一朗に、フウトはさらっと言い放つ。
「聡一朗様、やっぱ最後までヤったんすか?俺たち音しか聞いてないんで……」
「ま、まだ、全線開通はしてねぇです!!ってか聞いてんのかい!!」
聡一朗は覆っていた手を離して叫ぶと、また顔を覆う。
(ご、拷問だ。羞恥の拷問)
妊娠の心配なんて、本来なら一切気にしないで良い筈なのに。
自分が女性のように種付けされて、その後の事を相談しなければいけないなんて、相当な拷問だと思う。
「聡一朗様も、やっと候補者らしくなりましたね」
「やめて、もうそれ以上おじさんを虐めないで」
フウトが「聡一朗様」と声を掛けるが、聡一朗は顔を覆う手を離さない。
ライトが困った様に笑い、聡一朗の前に来て目線を合わせるように膝を折った。
「聡一朗様。妊娠と出産は人間と少し違います。妊娠期は6ヶ月で、出産もタイミングを見て獄主が取り上げます。尻からは生まれません。命の球を聡一朗様から取り出すんです」
「……そう、なのか……」
尻から出ないというだけで、一縷の望みが見えてきた。聡一朗は喜びそうになった後、慌てて頭を振る。
いつの間にか妊娠ありきで心配している自分が、許容出来なかった。
「でも出産に伴う痛みは相当らしいです」
「ふぁっつ?」
また反応してしまい、聡一朗は唸る。耳まで熱いのが堪らなく恥ずかしい。きっと真っ赤に染まっているだろう。
フウトがニヤニヤしながら、聡一朗を見ている。
「聡一朗様、獄主様に何回ベッドに連れ込まれました?」
「……えっと、2か3」
聡一朗が指を折りながら言うと、フウトとライトが笑った。
「ぶっちぎりナンバーワンですね。他の候補者、ほぼ1回っすよ」
「はぁああぁああ!?獄主、候補者の居に行ってないんですか!?」
「行ってますよ。行って、茶一杯飲んで帰ってます」
「え……?獄主って、咎津に欲情するんじゃ……?効いてないんですか?」
勿論効いている。そう思いながらフウトは聡一朗を見た。
獄主は咎津の催淫効果に抗いながら、茶を一杯飲んで帰る。
「行かなきゃいいでしょう」とコウトに言われても、「聡一朗から行けと言われた」と素直に従っている。
傍から見ても涙が出るほど純愛だ。
「効いてますよ。でも聡一朗様には敵わないようです」
「なんだそれ……」
頭を抱える聡一朗を目の端に見ながら、フウトとライトは思った。
(拗らせてんなぁ……)
早朝の鬼の作業場。聡一朗は洗濯を終えた後、ソイを呼び出した。
呼ばれたソイは無垢な笑顔で返事をし、洗濯で濡れた手を拭いながら聡一朗の前に駆け寄ってきた。
宴会の晩に見た、獲物を狩る目とは大違いだ。
「どうかしましたか?聡一朗様」
「っく……!」
キラキラ輝く無垢な笑顔に惑わされそうになり、聡一朗は視線を逸らした。
ここで萎えてはいけない。首を傾げるソイに、聡一朗はストレートに疑問をぶつける。
「ソ、ソイ君。この間の晩、うちのテキロを連れて帰ったよな?」
「はい。回収しました」
「……回収?」
「はい!ワタベさんに回収をお願いされていたので」
聡一朗は思わず仰け反った。
仰け反った聡一朗を見て、ソイは微笑む。鬼なのに、小悪魔のような笑みだ。
「な、何故ソイがそんなことを……」
「何故、ですか?……ふふ……」
口元を手で隠しながら、ソイはクスクス笑う。ひどく嬉しそうな様子のソイに、聡一朗はまったく付いて行けない。
「尊いからですよ!ワタベさんとテキロさん、さいっこうのカップリングじゃないですか!?」
「え?」
ソイは胸いっぱいに息を吸い込んだと思うと、怒涛の勢いで話し始めた。
「いや~ワタベさんから話を持ちかけられた時は、胸がきゅううんとして即返事しちゃいましたぁ。まじでイイ!テキロさんとワタベさんって、何万歳も離れてるんですよ~?年齢差もめっちゃいいし、何よりワタベさんが受けってとこが胸熱で『攻めでもいい。テキロに任せる』っていう台詞聞いたときには、鼻血噴きそうになりましたよ!」
「あ、え?えっと、何て?」
聡一朗の声も聞こえないのか、ソイは息継ぎを挟んで更に畳みかける。
「ヘタレ攻めってまじで好きなんですよ!どうなったかテキロさんから聞きましたか?ああ~今後の2人が楽しみすぎて死にそう。いや、でも獄主様と聡一朗様カプが一番という事は揺るぎないですよ?ほんとに毎日、生きる糧をありがとうございます!!」
「……あ、はい」
何だか良く分からないが、テキロが失恋したことは聡一朗にも理解できた。
_______
改修工事も終わったため、早朝の作業が終わると聡一朗にはやることが無い。せいぜい庭の手入れぐらいしかないのに、最近は鬼たちが率先して手入れしてしまうから困る。
「暇だぁ」
聡一朗は口に菓子を放り入れながら呟いた。豆に砂糖がまぶしてある菓子は、どこか懐かしい味がする。
隣のテキロも豆を口に放り込んでいた。ワタベの部屋にいた事は、彼の中で無かったことになっているようだ。
まるで以前の自分を見ているようで、聡一朗は苦笑いが漏れてしまう。
縁側にはフウトとライトも座っている。豆を頬張りながら一心に漫画を読む2人は「暇だ」とぼやく聡一朗の声をBGMとしか思っていないようだ。
(平和だ……)
聡一朗は鼻から息を吐き切っていると、ふとテキロが口を開いた。
「フウトさん、ライトさん。そう言えば前から疑問だったんですけど、何で獄主様は子供が出来ないのでしょうか?」
フウトが顔を上げ、テキロを見る。ライトも漫画から視線を外した。
「候補者選抜で毎回花嫁を娶っている筈なのに、毎回獄母にならずに花嫁は死んじゃうでしょ?前獄主はすぐ出来てたのに、何でだろうって」
花嫁は獄母になれなければ、人間の寿命のまま死ぬ。獄母になれば永い時を生きられるのに比べれば、早急な死だ。そして獄主は独りになる。
聡一朗も疑問に思っていた事なので、耳をそば立てた。フウトが漫画を閉じ、口を開く。
「地獄の王に子種が無いことは当然ありえない。繁殖能力は他の鬼より断然高いよ。それなのに今の獄主に子供が出来ないのは……まぁ率直に言うと中に出してないからだな」
そこで聡一朗は固まった。手に持っていた豆がポロリと落ちる。
その様子に気付かないまま、今度はライトが口を開いた。
「候補者選びの時も勿論、獄主は中に出さない。まぁ選抜中は子供が出来ないように配慮はされているんだけどね。獄主は選ばれた後の花嫁の居にも、基本行かない。頑ななぐらい獄主は子供を作ろうとしないんだ」
聡一朗はライトの話を聞きながら、達観したような表情を浮かべる。
(ええっと……出され、ましたけど?俺……)
……なんて口に出せる訳がない。
先っぽ挿入の時も何度も出されたし、半分の時も腹がパンパンになるまで中に出された。
苦しくて中を掻き出そうとすると、また突っ込まれるという所業に気が狂いそうになった事も覚えている。
生々しい行為を思い出して、聡一朗は頭を振った。聡一朗を横目で見ながら、今度はテキロが口を開く。
「特に男性候補者の場合、子供を作るのが困難ですもんね。きちんと奥に出すことが必要だし、何度も交合しないと子宮は形成されないし……」
テキロが言うのを、聡一朗はぼんやりと聞いた。相変わらずファンタジーだ。
男が子を孕んで産むなんて、やはり信じられない。
遠い目をしている聡一朗に気付いたテキロが、小さく嘆息した。
「聡一朗、聞きたいことがあったら聞いとかないと駄目だぞ」
「テキロよ……今俺がここで色々聞いたら、生々しすぎないか?」
「馬鹿!お前自身の事なんだぞ!」
鼻息を荒くするテキロを見て、聡一朗はがっくりと項垂れた。テキロの真っすぐな性格が、今は憎らしい。
聡一朗は手で顔を覆うと、独り言のように呟いた。
「ええっと……妊娠ってまじですんのか?え?何か月で生まれるの?は?そもそも何処から産むの?意味わかんない」
ブツブツと呪詛を吐くように呟く聡一朗に、フウトはさらっと言い放つ。
「聡一朗様、やっぱ最後までヤったんすか?俺たち音しか聞いてないんで……」
「ま、まだ、全線開通はしてねぇです!!ってか聞いてんのかい!!」
聡一朗は覆っていた手を離して叫ぶと、また顔を覆う。
(ご、拷問だ。羞恥の拷問)
妊娠の心配なんて、本来なら一切気にしないで良い筈なのに。
自分が女性のように種付けされて、その後の事を相談しなければいけないなんて、相当な拷問だと思う。
「聡一朗様も、やっと候補者らしくなりましたね」
「やめて、もうそれ以上おじさんを虐めないで」
フウトが「聡一朗様」と声を掛けるが、聡一朗は顔を覆う手を離さない。
ライトが困った様に笑い、聡一朗の前に来て目線を合わせるように膝を折った。
「聡一朗様。妊娠と出産は人間と少し違います。妊娠期は6ヶ月で、出産もタイミングを見て獄主が取り上げます。尻からは生まれません。命の球を聡一朗様から取り出すんです」
「……そう、なのか……」
尻から出ないというだけで、一縷の望みが見えてきた。聡一朗は喜びそうになった後、慌てて頭を振る。
いつの間にか妊娠ありきで心配している自分が、許容出来なかった。
「でも出産に伴う痛みは相当らしいです」
「ふぁっつ?」
また反応してしまい、聡一朗は唸る。耳まで熱いのが堪らなく恥ずかしい。きっと真っ赤に染まっているだろう。
フウトがニヤニヤしながら、聡一朗を見ている。
「聡一朗様、獄主様に何回ベッドに連れ込まれました?」
「……えっと、2か3」
聡一朗が指を折りながら言うと、フウトとライトが笑った。
「ぶっちぎりナンバーワンですね。他の候補者、ほぼ1回っすよ」
「はぁああぁああ!?獄主、候補者の居に行ってないんですか!?」
「行ってますよ。行って、茶一杯飲んで帰ってます」
「え……?獄主って、咎津に欲情するんじゃ……?効いてないんですか?」
勿論効いている。そう思いながらフウトは聡一朗を見た。
獄主は咎津の催淫効果に抗いながら、茶を一杯飲んで帰る。
「行かなきゃいいでしょう」とコウトに言われても、「聡一朗から行けと言われた」と素直に従っている。
傍から見ても涙が出るほど純愛だ。
「効いてますよ。でも聡一朗様には敵わないようです」
「なんだそれ……」
頭を抱える聡一朗を目の端に見ながら、フウトとライトは思った。
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