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鬼姫の始まり
二十六話
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ミコトはゆっくりと進む、一歩また一歩と。
黒い人形もまた進む同じように。
そして両者からはまるで嵐のような風が巻き起こり、大地を震えさせるほどの覇気が周囲に波紋となって広がっていく。
ミコトは【崩月】を黒い人形もまた、金砕棒を構えて、さらに距離を詰める。
そして両者は手を伸ばせば届くと言う距離のところで、ミコトは上段に構えて、対する黒い人形もまた金砕棒を握る手に更なる力がはいっていく。
「…はぁ!」
『………!』
そして両者の武器は唸りを挙げて激突し、火花を撒き散らす。
甲高い金属音が衝撃波と共に、両者のぶつかり合った場所を中心にして大地に亀裂が走った。
「…ぐ…ぐぐぐ」
「…!!……」
互いの武器をぶつけながら、ミコトの顔には獰猛とさえ言える笑みを浮かべていた。
互いの武器を軋ませ、火花を散らせながら、互いに武器を弾いて距離をとる。
そして一瞬の間が、ミコトには長く感じるほどの時間で両者の姿がかき消えた。
そして幾度も聞こえる、金属音と破壊音。
ミコトは右上からの一撃をかわして、後ろ回し蹴りを相手の横っ腹に打ち込む。
黒い人形もミコトの動きにあわせて、まるで獣のように身を沈めて、地面から跳ね上がるように、金砕棒を振るう。
ミコトは手に持った【崩月】を滑りこまさるようにして、受け止める。
黒い人形の唸りをあげて迫り来る金砕棒を【崩月】でもって砕け散れと迎え撃つ。
打ち合う両者の周りを、大地の亀裂がさらに広く。
数多く打ち合い、いままでて一番大きな衝撃を撒き散らしてミコトと黒い人形が距離をとった。
その余波で亀裂はどんどん広がっていく。
ミコトはほとんど同じタイミングで行動を開始した、先程よりもさらに動きが早くなる。
だがそこで見失うようなミコトではなく、また衝突を繰り返した。
ミコトが死角から蹴りを放てば、拳で弾きかいされ、追い討ちとばかりに、上段から金砕棒が降り下ろされる、それをミコトは体さばきで、かわすと【崩月】を振り抜く。
縦横無尽に繰り出されていく攻防はただでさえ、とてつもない破壊力をもっているが、ほとんど対したダメージを相手に与えていない。
そしてミコトが呟いた次の瞬間には金色の覇気が【崩月】を包み込むと、鬼神に教え込まれた技を使った。
「…鬼神流……武芸、『風』…」
ミコトが使った技は【崩月】を腰だめに構えると一瞬で相手の真横を駆け抜けて、相手を様々な角度から一撃離脱の流れるような動きで、距離をとった。
ミコトは距離をとったまま黒い人形を見ると、地面に向かって倒れるところだった。
黒い人形が倒れると、そのまま霧のように霧散していった。
ミコトは自分の手や足に亀裂が走ったのに気が付いた。
と言うか辺り一帯に亀裂が広がっていった瞬間には、ミコトはその場にはいなかった。
ミコトは水に飛び込んだときのような衝撃を感じると、そのまま起き上がった。
目に飛び込んできたのは毛の塊と、未だ薄暗い、日の出前の水平線だった。
黒い人形もまた進む同じように。
そして両者からはまるで嵐のような風が巻き起こり、大地を震えさせるほどの覇気が周囲に波紋となって広がっていく。
ミコトは【崩月】を黒い人形もまた、金砕棒を構えて、さらに距離を詰める。
そして両者は手を伸ばせば届くと言う距離のところで、ミコトは上段に構えて、対する黒い人形もまた金砕棒を握る手に更なる力がはいっていく。
「…はぁ!」
『………!』
そして両者の武器は唸りを挙げて激突し、火花を撒き散らす。
甲高い金属音が衝撃波と共に、両者のぶつかり合った場所を中心にして大地に亀裂が走った。
「…ぐ…ぐぐぐ」
「…!!……」
互いの武器をぶつけながら、ミコトの顔には獰猛とさえ言える笑みを浮かべていた。
互いの武器を軋ませ、火花を散らせながら、互いに武器を弾いて距離をとる。
そして一瞬の間が、ミコトには長く感じるほどの時間で両者の姿がかき消えた。
そして幾度も聞こえる、金属音と破壊音。
ミコトは右上からの一撃をかわして、後ろ回し蹴りを相手の横っ腹に打ち込む。
黒い人形もミコトの動きにあわせて、まるで獣のように身を沈めて、地面から跳ね上がるように、金砕棒を振るう。
ミコトは手に持った【崩月】を滑りこまさるようにして、受け止める。
黒い人形の唸りをあげて迫り来る金砕棒を【崩月】でもって砕け散れと迎え撃つ。
打ち合う両者の周りを、大地の亀裂がさらに広く。
数多く打ち合い、いままでて一番大きな衝撃を撒き散らしてミコトと黒い人形が距離をとった。
その余波で亀裂はどんどん広がっていく。
ミコトはほとんど同じタイミングで行動を開始した、先程よりもさらに動きが早くなる。
だがそこで見失うようなミコトではなく、また衝突を繰り返した。
ミコトが死角から蹴りを放てば、拳で弾きかいされ、追い討ちとばかりに、上段から金砕棒が降り下ろされる、それをミコトは体さばきで、かわすと【崩月】を振り抜く。
縦横無尽に繰り出されていく攻防はただでさえ、とてつもない破壊力をもっているが、ほとんど対したダメージを相手に与えていない。
そしてミコトが呟いた次の瞬間には金色の覇気が【崩月】を包み込むと、鬼神に教え込まれた技を使った。
「…鬼神流……武芸、『風』…」
ミコトが使った技は【崩月】を腰だめに構えると一瞬で相手の真横を駆け抜けて、相手を様々な角度から一撃離脱の流れるような動きで、距離をとった。
ミコトは距離をとったまま黒い人形を見ると、地面に向かって倒れるところだった。
黒い人形が倒れると、そのまま霧のように霧散していった。
ミコトは自分の手や足に亀裂が走ったのに気が付いた。
と言うか辺り一帯に亀裂が広がっていった瞬間には、ミコトはその場にはいなかった。
ミコトは水に飛び込んだときのような衝撃を感じると、そのまま起き上がった。
目に飛び込んできたのは毛の塊と、未だ薄暗い、日の出前の水平線だった。
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