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同じ世界の住人
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一週間後
わたしはずっと歌い続けていた。
今日はヒカリちゃんいないけどしっかり練習するぞ。
練習をしていると、だれかがわたしの方へと歩いてくる。
この銀の髪ってもしかして?
「ここにいたのか。」
この感じ、少しふんいきは違うけど。
間違えなく……
「俺だ。ニゲラだ。」
「――!」
わたしは涙が流れていた。
あの世界のことが思い浮かんで涙が流れてくる。
「うわああん!」
「泣くなよ。ちょっ、抱きつくな!」
無意識に私は彼を抱きしめていた。ニゲラは焦りながらも私の頭を撫でていた。
「悪い。待たせたな、ここは広くてわかりにくい」
ニゲラは私を引き離すと、ベンチに座って肩に背負った大きな鞄を開けていた。
「あなた、この世界に来られるの?」
そういうと、ニゲラは少し考えながらうなずいた。
「そうだ。あいつは声で通信をとっていたが、だからといってこの世界に来られないわけはない。服は適当に妖精に作ってもらった」
確かにパーカーをきて、まるで普通に男の子みたいになってる。
妖精なんてわかんないだろうな。
「で、大体は分かっている。あいつは、虹のエクスメーカーのことを思い出して、引きこもっているというわけだ。俺の話も聞きやしない。」
ニゲラのバックからバイオリンがでてくる。
「無理矢理力を使えば、あのステージにいけるが俺の力は一回だけだ。だから、その1回であいつに勇気を与えるというわけだ」
一回だけ。
その1回でレシアを説得しなきゃいけないってわけだ。失敗はできない。
「と、いうわけで。お前に提案だ。レシアの背中を押してやってほしい、」
「うん。でも、どうやって。」
そういうと、ニゲラは何言っているんだという顔をした。
「決まっているだろ。レシアが好きなお前のライブをみせてやるんだよ。今のお前ならもっと良い曲をつくれると思う。」
「もっと良い曲」
どうしよ。
レシアと一緒に考えたから前はできた。
うまくできるかな。
「なに、簡単だ。時間が無いし、俺が手伝う。」
「いいの?」
「あぁ、それに……レシアだけでなく皆に向けてもライブをしてほしい。見てくれている人も増えているし、もしかしたら彼女、虹のエクスメーカーが見てくれる日が来るかもしれない」
夢やかがやきを持つ人、そして、かがやきたいと願う人がこの世界をみることができる。そして、集まれば集まるほど色んな人に夢が伝わって増えるんだよね。
もし、まだ彼女がかがやきをもっていたら。
レシアだけでなく、その人にも背中を押してあげたい。
レシアとニゲラの大切な人なんだし。
「うん! きっとレシアだけでなく、その人にも伝えられる日が来ると思う!」
「よし、さっさとやるぞ。」
ニゲラはそう言うと、楽器を取り出した。
「それってバイオリンよね。」
「あぁ、俺の特別なバイオリンだ。俺のはこうやって」
ニゲラが音を出すと、本から虹色の紙がかがやきながらでてきた。
これは私のガクフだ。
「それを持っとけよ」
音は虹のようになって私たちを包んでいる。
次は、音符がでてきておどるように回った。
「すごい。」
「願え。理想の、なりたい姿を」
「うん」
なりたい姿
夢を届けたい。希望を、かがやきをたくさんの人にもってほしい。
レシアを元気づけたいし、レシアみたいにだれかを応援したい。
背中を押してあげたい。
夢を届けたい!
ニゲラの音がどんどん速くなる。
「想いよ……歌と1つになれ。」
紙には色んな色が混ざっていった。
色んな色が混ざっていったあとに、かがやきが消え虹のガクフが手にあった。
「よし。」
バイオリンの音が止む。
「すごいね!!」
「そうだろ?よし、お前の成長が反映されたガクフができた。ちゃんと確認して、練習するんだ。お前の夢をあいつにみせてみろ。」
ニゲラって最初はあんなに怒っていて怖かったけど、期待してくれているんだな。
じゃあ、もっと頑張らないと。
……でも、どうやって音をかくにんするんだろう。前は、レシアが音を流してくれていたんだし。
「ねぇ、このガクフどうやったら音がでるの。」
「あぁ。それか。その紙をこの本にこうやって」
ニゲラは、わたしの本をとるとページを開いた。
すると、本が開いてガクフが一枚のページになる。
「で、これを」
「えっ」
私の手を取って、そのページの上に置くようにする。
すると、
~~~~♪
音が流れてきた!
それに前より、音が元気で明るい音がする。
「これが俺の力でより成長した音だ。俺がせっかくがんばったんだから成功させろよ」
「うん!」
なんだろう。背中を押したいって想いが詰まった力強い音。
なら、新しい曲に合わせて歌の言葉も変えたりダンスも変えたりしなきゃ。
「今から、新しい歌詞をつくるよ」
「そうか。おれも手伝う。」
そういうと、ニゲラは本に手をあてると、ページに言葉がみえる。
こんなことができるなんて。
「これが前の時に歌った歌詞だ。そこから変えていこう」
「じゃあ、ここの言葉をかえたい。」
「なら」
そういうと、ニゲラはその言葉の部分を押すようにした。
「入れたい言葉を言うんだ」
「うん。――。」
そういうと、言葉がかわる。
「すごい!!」
「せっかく教えたんだ。しっかり活かせよ。あまり長い間放置するとあの世界はまた夢を失う。だから、時間をあまりあけたくないが、お前の精一杯を詰め込む時間は確保する。励めよ」
ニゲラって怒ったり冷たいことを言ったりする事はあるけど、色々教えてくれたり、レシアを助けようとしていたり優しいよね。
「なんだよ」
「ううん。じゃあ、やっていこう!!」
レシアはいないから、前みたいに歌詞をすぐに決められない。でも、今の自分の想いをしっかりと音にするんだ。
それだけでいい。
「いいな。そのまっすぐな言葉がいい。お前らしい。」
夕方になる頃には、やっと満足のいく歌詞ができた。
「どう?」
「いいんじゃないか?」
大変だったけど、会えないと思っていたニゲラがいてくれて、レシアに会えるのも嬉しいからがんばったんだ。
はやく聞かせてあげたいな。
「あとは覚えるだけだね。」
「そうだな。おれはもう帰る。暗いからな」
ニゲラのおかげでまだレシアに会える希望がみえてきた。
あとは、その希望を形にするだけだよね。
「ごちそうさまでした。」
「あら、もう終わり?そんなにはやく食べなくて良いのに」
「歌の練習するんだ!」
ドタドタ……バタッ
「~~♪」
「ふふふ。夢に向かって頑張ってね。」
わたしはずっと歌い続けていた。
今日はヒカリちゃんいないけどしっかり練習するぞ。
練習をしていると、だれかがわたしの方へと歩いてくる。
この銀の髪ってもしかして?
「ここにいたのか。」
この感じ、少しふんいきは違うけど。
間違えなく……
「俺だ。ニゲラだ。」
「――!」
わたしは涙が流れていた。
あの世界のことが思い浮かんで涙が流れてくる。
「うわああん!」
「泣くなよ。ちょっ、抱きつくな!」
無意識に私は彼を抱きしめていた。ニゲラは焦りながらも私の頭を撫でていた。
「悪い。待たせたな、ここは広くてわかりにくい」
ニゲラは私を引き離すと、ベンチに座って肩に背負った大きな鞄を開けていた。
「あなた、この世界に来られるの?」
そういうと、ニゲラは少し考えながらうなずいた。
「そうだ。あいつは声で通信をとっていたが、だからといってこの世界に来られないわけはない。服は適当に妖精に作ってもらった」
確かにパーカーをきて、まるで普通に男の子みたいになってる。
妖精なんてわかんないだろうな。
「で、大体は分かっている。あいつは、虹のエクスメーカーのことを思い出して、引きこもっているというわけだ。俺の話も聞きやしない。」
ニゲラのバックからバイオリンがでてくる。
「無理矢理力を使えば、あのステージにいけるが俺の力は一回だけだ。だから、その1回であいつに勇気を与えるというわけだ」
一回だけ。
その1回でレシアを説得しなきゃいけないってわけだ。失敗はできない。
「と、いうわけで。お前に提案だ。レシアの背中を押してやってほしい、」
「うん。でも、どうやって。」
そういうと、ニゲラは何言っているんだという顔をした。
「決まっているだろ。レシアが好きなお前のライブをみせてやるんだよ。今のお前ならもっと良い曲をつくれると思う。」
「もっと良い曲」
どうしよ。
レシアと一緒に考えたから前はできた。
うまくできるかな。
「なに、簡単だ。時間が無いし、俺が手伝う。」
「いいの?」
「あぁ、それに……レシアだけでなく皆に向けてもライブをしてほしい。見てくれている人も増えているし、もしかしたら彼女、虹のエクスメーカーが見てくれる日が来るかもしれない」
夢やかがやきを持つ人、そして、かがやきたいと願う人がこの世界をみることができる。そして、集まれば集まるほど色んな人に夢が伝わって増えるんだよね。
もし、まだ彼女がかがやきをもっていたら。
レシアだけでなく、その人にも背中を押してあげたい。
レシアとニゲラの大切な人なんだし。
「うん! きっとレシアだけでなく、その人にも伝えられる日が来ると思う!」
「よし、さっさとやるぞ。」
ニゲラはそう言うと、楽器を取り出した。
「それってバイオリンよね。」
「あぁ、俺の特別なバイオリンだ。俺のはこうやって」
ニゲラが音を出すと、本から虹色の紙がかがやきながらでてきた。
これは私のガクフだ。
「それを持っとけよ」
音は虹のようになって私たちを包んでいる。
次は、音符がでてきておどるように回った。
「すごい。」
「願え。理想の、なりたい姿を」
「うん」
なりたい姿
夢を届けたい。希望を、かがやきをたくさんの人にもってほしい。
レシアを元気づけたいし、レシアみたいにだれかを応援したい。
背中を押してあげたい。
夢を届けたい!
ニゲラの音がどんどん速くなる。
「想いよ……歌と1つになれ。」
紙には色んな色が混ざっていった。
色んな色が混ざっていったあとに、かがやきが消え虹のガクフが手にあった。
「よし。」
バイオリンの音が止む。
「すごいね!!」
「そうだろ?よし、お前の成長が反映されたガクフができた。ちゃんと確認して、練習するんだ。お前の夢をあいつにみせてみろ。」
ニゲラって最初はあんなに怒っていて怖かったけど、期待してくれているんだな。
じゃあ、もっと頑張らないと。
……でも、どうやって音をかくにんするんだろう。前は、レシアが音を流してくれていたんだし。
「ねぇ、このガクフどうやったら音がでるの。」
「あぁ。それか。その紙をこの本にこうやって」
ニゲラは、わたしの本をとるとページを開いた。
すると、本が開いてガクフが一枚のページになる。
「で、これを」
「えっ」
私の手を取って、そのページの上に置くようにする。
すると、
~~~~♪
音が流れてきた!
それに前より、音が元気で明るい音がする。
「これが俺の力でより成長した音だ。俺がせっかくがんばったんだから成功させろよ」
「うん!」
なんだろう。背中を押したいって想いが詰まった力強い音。
なら、新しい曲に合わせて歌の言葉も変えたりダンスも変えたりしなきゃ。
「今から、新しい歌詞をつくるよ」
「そうか。おれも手伝う。」
そういうと、ニゲラは本に手をあてると、ページに言葉がみえる。
こんなことができるなんて。
「これが前の時に歌った歌詞だ。そこから変えていこう」
「じゃあ、ここの言葉をかえたい。」
「なら」
そういうと、ニゲラはその言葉の部分を押すようにした。
「入れたい言葉を言うんだ」
「うん。――。」
そういうと、言葉がかわる。
「すごい!!」
「せっかく教えたんだ。しっかり活かせよ。あまり長い間放置するとあの世界はまた夢を失う。だから、時間をあまりあけたくないが、お前の精一杯を詰め込む時間は確保する。励めよ」
ニゲラって怒ったり冷たいことを言ったりする事はあるけど、色々教えてくれたり、レシアを助けようとしていたり優しいよね。
「なんだよ」
「ううん。じゃあ、やっていこう!!」
レシアはいないから、前みたいに歌詞をすぐに決められない。でも、今の自分の想いをしっかりと音にするんだ。
それだけでいい。
「いいな。そのまっすぐな言葉がいい。お前らしい。」
夕方になる頃には、やっと満足のいく歌詞ができた。
「どう?」
「いいんじゃないか?」
大変だったけど、会えないと思っていたニゲラがいてくれて、レシアに会えるのも嬉しいからがんばったんだ。
はやく聞かせてあげたいな。
「あとは覚えるだけだね。」
「そうだな。おれはもう帰る。暗いからな」
ニゲラのおかげでまだレシアに会える希望がみえてきた。
あとは、その希望を形にするだけだよね。
「ごちそうさまでした。」
「あら、もう終わり?そんなにはやく食べなくて良いのに」
「歌の練習するんだ!」
ドタドタ……バタッ
「~~♪」
「ふふふ。夢に向かって頑張ってね。」
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