ニューステージ〜始まれ、私の大きな一歩!〜

大井 芽茜

文字の大きさ
上 下
12 / 19

新しい輝き

しおりを挟む
 あの楽しかったステージから次の日。
 昨日はずっと、ソワソワしていて終わった後も心がドクドクいっていたの。


 でも、すぐに寝ちゃっていた。
 お風呂に入って、ベットにダイブしてすぐに夢の中。


 でもね、夢の中でもおどっていたんだよ。
 夢の中もすっごく楽しかった。

『本当に昨日は良かったわ』
『もうレシア、またその話?昨日も何回も言ってくれたのは嬉しいけど同じことばっかりだよ』

 昨日からずっとレシアは良かったと言ってくれる。嬉しいけど、二十回くらい聞いた気がする。


『だって感動したもの。……そうねぇ、じゃあ次のことも考え無いとね。次はどんな感じにしようかなぁ。』
 レシアもなんか楽しそうに考えごとをしていた。まだ本番みたいな感じがする。

 学校につくと、ヒカリちゃんがなにかクラスメイトの子と話をしている。


「ねぇねぇ、なみちゃん、なみちゃん。昨日のやつみた?」
「きのうの?」
「ほら、ツイちゃんが歌っておどるの。なんかテレビ見ていたら急にチャンネルが変わったって」

「えっ、そんなのがあったの?」
 あれ?それってわたしのこと。
 もしかして、昨日ヒカリちゃんもみていたのかな。


「あっ、ツイちゃん。昨日のみたよ。すごかった!!」
「みたの!?」
 そういうと、ヒカリちゃんは力強くうなずいた。

「すごい!あれってどうやってやったの?あんなのはじめてだし、あっ……でもお母さんがみえなかったの。なんでだろ?」
「えーと」

 どうしよ。
 信じてくれるかな。

『どうしたらいいかな。レシア』
『あーそうねぇ。もう連れてきたらいいんじゃない?』
 適当!?


 レシアがそういうなら、もう説明するより見せた方が早いか。

「ねぇ、今日の放課後予定ある?」
「うん。今日は休みだからいけるよ。」

 なら、話しは速い。
 実際に見せてしまおう。



 放課後

「じゃあ、今からみせるね。」
「うん」
「ひらけ、ゆめのかけら!!」

 光りはわたしとヒカリちゃんをつつんでくれた。
 キラキラした私たちの世界。


「うわあ、なにここ。すっごいねぇ。」
「ようこそ。ヒカリ。わたしはレシア、みんなの夢を手伝ったり、気持ちを応援したりするのがわたしの役目なの」

「うわあ、よろしく!」
 ヒカリちゃんは嬉しそうにレシアの手を握っていた。

 きづくと、何人か制服や私服の子達がいる。
「気づいた?あなたのおかげで何人かはこの世界にこれみたい」
「そうなんだ」

 そういうと、みんなはわたしの元に走ってくる。


「昨日のみて、すっごく勇気をもらったの、でねわたしもがんばりたいって想ったらこの世界にこられたんだ」
「わたしも、あんな風にかがやきたいって想ったらこの世界にこられたんだ。」

「たくさん人が来てくれて嬉しいわ。あなたのおかげよツイ。さぁ、みんなでもっとここをかがやかせるわよ!」
「おー!!」

 妖精達もみんなを手伝って、曲を作ったりおどったりしている。

 色んな人が歌っておどったら、もっと色んな人につたわる。
 出会いのチャンスがいっぱいになるんだ。



 ヒカリちゃんもなにか悩んでいるみたい。

「どうしたの?」
「いや……その、みんなゆめを持っててすごいなって」


 そういうと、下をむいてしまった。

「わたし、わからないの。サッカーは好きだよ。でも、中々うまく出来なくて、サッカー続けて良いのかなって悩んでいるし」

 毎日楽しそうにしているけど、そんな気持ちを持っていたんだ。


「毎日楽しそうにボールをけっていたから気づかなかった。そんな悩みを持っていたんだね。」
「うん、だれにもいえなくて。どうしたらいいのかな。」
 そう悩んでいると、レシアはうんうんと首をふっていた。


「夢を追う人は、みんな失敗や悩みを抱えるものよ。でも、なにかを掴んだり見方を変えたりするときっともっと飛べるわ」
「もっと飛べる。か」

 わたしもきっと、いつか、こんなふうに悩むのかもしれないな。


「そんなときは気分を変えて、なにか他のことをやってみるのがおすすめよ。ずっと同じのをみていると分からなくなるもの」
「他のことか。」

 ほかのことか。そうだ。
 ここにあるじゃん。

 きっと、このせかいならきっと上手くいく。

「じゃあここで、わたしみたいにやってみない?」
「えっ、ツイちゃんみたいに?できるかな」


 ヒカリちゃんはすごく不安そうだった。でも、目は輝いている気がする。

「だってこんなことやったことないし。サッカーしかやってこなかったから。」

「そうね。だからこそ。他のことを初めて見ない?ここはかがやきのかけらがある場所。きっとあなたの力になるわ」


 レシアはヒカリちゃんを励ますように、語っていた。
「わたしもヒカリちゃんのパフォーマンスをみてみたい。」


「じゃあ、ちょっとだけやってみようかな」
「うん」
「いいわね」
 こうして、新しい友達とヒカリちゃんがこの世界でおどることになった。
 ヒカリちゃんが決意をすると、上からサッカーボールが落ちてくる。

 どうやって使うのかな?


「これがあなたのかがやきね」
「これが……かがやき。うん、やってみる」
 そして、新しいことを始めたヒカリちゃんと元の世界に戻ってきた。


「なんかすっごいことになっちゃったな。」
「そうだね。でも、うれしい」

「うん、ツイちゃんが明るくなったのはこれのおかげだったんだ」
「そうだよ」

 あの世界、そして色んなことがあって、わたしはもっと歌いたくなった。
 想いを届ける勇気をもらった。

 レシアみたいにまだ励ますのはむずかしいけど、想いをつなげられるようにみんなを手伝って自分の声を届けるんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

鎌倉最後の日

もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...