3 / 19
虹色の本
しおりを挟む
私はニヤニヤしながら、家に帰ってお母さんを見つけた。
「ただいまー」
「おかえり、ツイ。今日は遅かったわね。」
「えへへ。実は、うーんと本をひろったらね。ふしぎな人と出会ってね。」
「えっ」
お母さんは顔が怖くなった。
「変な物を拾って……人に会ったの?だめよ? 今、すっごく危ない事件がたくさんあるんだから」
「はい。気をつける。」
だめだ。
これ以上言ったらお母さん心配するかも。
たしかに、あぶないよね。
学校でもきびしいし。
でも……あんな世界があえたのは本のおかげだよね。
「でも、なんか嬉しそうね。」
「レシアって友達とね、歌を歌ったの。楽しかったな。」
「そう。お母さん、心配していたのよ。やっぱり、転校してよかったかもしれないわね。」
「うん!」
わたしが転校したのは、お父さんの仕事をする場所が変わったからなんだ。
あの時は、新しい学校なんて怖かったけど、今はここにこれてよかったって思う。
だって、みんな色んなことにがんばって、取り組んでいるし。
レシアとも出会えたんだから。
ごはんを食べ終わったし、明日の用意をしなきゃ。
わたしはそう思って、ランドセルをひっくり返すと、
「あれ?」
虹色の本が入っている。
そう言えば、この本を開けたからあの世界に行けたんだよね。
『そうよ』
「へっ!!」
わたしはびっくりして、本を投げてしまった。
『ごめんなさい。ちゃんと言っておけば良かったわ。』
そう言うと、本はまたわたしの元に戻ってくる。
『これはかがやきのかけら。人によって姿を変えるの。あなたは、新しい世界がつまっている本になったのね。』
「えーっと。レシア?」
『そうよ』
――コンコン
「ツイ、明日学校に持って行く紙を書いたわよ」
『この声があなたのお母さんね』
「しー」
わたしはあわてて、口にひとさし指をあてた。
『大丈夫よ。わたしの声はあなたの心の中でしか聞こえていないから。』
そうなの?
すぐにとびらを開けて紙をとった。
『やさしそうなお母さんね』
『見えるの?』
『えぇ。はっきりと。』
え!
レシアはわたしの心の声が聞こえているだけじゃなくてこっちの世界の景色もみえるんだ。
「おーい、ツイ? 大丈夫? 口がポカンとなっているわよ?」
気づくと。お母さんが心配そうな顔をしていた。
「大丈夫。ありがとうお母さん」
「うん、じゃあおやすみなさい。夜更かしはしないでよ」
「うん、おやすみ。」
ふぅ。
それにしても、レシアの声がきこえるなんて。
びっくりしちゃった。
『その本を通してみているのよ。そして、声もね。勇気を出したい時はその本を出してみて。』
「うん! わかった」
これなら学校でもだれにもバレずに会話できる。
すっごく心強いかも。
『これはなに?』
「これは教科書っていってね。これを使って勉強するの。」
『へー、それは面白いわね』
「そうかな? これはね国語っていって……」
レシアと一緒に明日のじゅんびをした。
明日はダンスとかやってみるんだって。
少し怖いけど、はやく明日にならないかぁ。
『もう、暗いわよ。そろそろ寝ないとね。』
「本当だ。」
友達と話すような感じであっというまに時間がすぎたみたい。
「じゃあ、おやすみ。また明日ね」
『えぇおやすみ、ツイ』
今日はぐっすり眠れそう。
疲れたけど、一番楽しかったかも。
「ただいまー」
「おかえり、ツイ。今日は遅かったわね。」
「えへへ。実は、うーんと本をひろったらね。ふしぎな人と出会ってね。」
「えっ」
お母さんは顔が怖くなった。
「変な物を拾って……人に会ったの?だめよ? 今、すっごく危ない事件がたくさんあるんだから」
「はい。気をつける。」
だめだ。
これ以上言ったらお母さん心配するかも。
たしかに、あぶないよね。
学校でもきびしいし。
でも……あんな世界があえたのは本のおかげだよね。
「でも、なんか嬉しそうね。」
「レシアって友達とね、歌を歌ったの。楽しかったな。」
「そう。お母さん、心配していたのよ。やっぱり、転校してよかったかもしれないわね。」
「うん!」
わたしが転校したのは、お父さんの仕事をする場所が変わったからなんだ。
あの時は、新しい学校なんて怖かったけど、今はここにこれてよかったって思う。
だって、みんな色んなことにがんばって、取り組んでいるし。
レシアとも出会えたんだから。
ごはんを食べ終わったし、明日の用意をしなきゃ。
わたしはそう思って、ランドセルをひっくり返すと、
「あれ?」
虹色の本が入っている。
そう言えば、この本を開けたからあの世界に行けたんだよね。
『そうよ』
「へっ!!」
わたしはびっくりして、本を投げてしまった。
『ごめんなさい。ちゃんと言っておけば良かったわ。』
そう言うと、本はまたわたしの元に戻ってくる。
『これはかがやきのかけら。人によって姿を変えるの。あなたは、新しい世界がつまっている本になったのね。』
「えーっと。レシア?」
『そうよ』
――コンコン
「ツイ、明日学校に持って行く紙を書いたわよ」
『この声があなたのお母さんね』
「しー」
わたしはあわてて、口にひとさし指をあてた。
『大丈夫よ。わたしの声はあなたの心の中でしか聞こえていないから。』
そうなの?
すぐにとびらを開けて紙をとった。
『やさしそうなお母さんね』
『見えるの?』
『えぇ。はっきりと。』
え!
レシアはわたしの心の声が聞こえているだけじゃなくてこっちの世界の景色もみえるんだ。
「おーい、ツイ? 大丈夫? 口がポカンとなっているわよ?」
気づくと。お母さんが心配そうな顔をしていた。
「大丈夫。ありがとうお母さん」
「うん、じゃあおやすみなさい。夜更かしはしないでよ」
「うん、おやすみ。」
ふぅ。
それにしても、レシアの声がきこえるなんて。
びっくりしちゃった。
『その本を通してみているのよ。そして、声もね。勇気を出したい時はその本を出してみて。』
「うん! わかった」
これなら学校でもだれにもバレずに会話できる。
すっごく心強いかも。
『これはなに?』
「これは教科書っていってね。これを使って勉強するの。」
『へー、それは面白いわね』
「そうかな? これはね国語っていって……」
レシアと一緒に明日のじゅんびをした。
明日はダンスとかやってみるんだって。
少し怖いけど、はやく明日にならないかぁ。
『もう、暗いわよ。そろそろ寝ないとね。』
「本当だ。」
友達と話すような感じであっというまに時間がすぎたみたい。
「じゃあ、おやすみ。また明日ね」
『えぇおやすみ、ツイ』
今日はぐっすり眠れそう。
疲れたけど、一番楽しかったかも。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる