わたしとネコ

大井 芽茜

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お話

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 次の日の学校
 私は給食を早く食べてまた話そうとしていた。

「あっあの」
「なに?」
 その子は笑顔で振り向いてくれた。
 この子はショートカットで運動だけでなくよく図書館で会う人だった。

「あの、名前教えて!」
「いいよ!私はひまりよ。貴方はみさちゃんよね」
 名前知ってくれてるんだ。
 なんか申し訳ないな。

 ううん、今は
「よろしくね、ひまりちゃん。」
「うん。」
 私達は昨日の話で盛り上がり話すことができた。

 でも、友達みたいに一緒に行動するにはどうしたらいいんだろう。
 図書館に行くと、たまたまひまりちゃんが本を読んでいる。

 話しかけてみようかな。
 一緒に読んでもいいかな?

「あの、」
「なに?」

「と、となりで、本よんでもいい!?」
「いいよ。」
 彼女はそう言うと椅子に座らせてくれた。
 私はユウに貸していた本の新しいものをとりだした。

「へーみさちゃんはこういうの好きなの?」
「うん」
「いいね。恋愛とかいつかしてみたいな」

「……だね」

 会話が変に止まっちゃった。
 えーと

「ひまりちゃんは何よんでいるの?」
「私はスポーツ選手の言葉だよ。なんか強くなったきがするんだ。」
「そっか。いいね」


「……」
「……」
 会話が止まってしまった。
 ペラペラとめくる音と、時計の針だけが聞こえる。

 やっちゃったかな。
「じゃあ、掃除の時間だからいこうか」
「うん。」
 そして、他の場所に分かれていく。
 うーん

 どうしたらいいんだろう


 放課後
「なるほど」
 ユウは私があげたお菓子を美味しそうに食べながら話しを聞いてくれた。

「でも友達ってあいまいだな。。一緒に話すだけでなく、行動しないと友達じゃないのか?」
 私はユウの言葉がチクッと刺さった。
 確かに仲良くは話せたけど。

 ……友達ってなんなんだろう

「あとそうだな。話しを続けるのは大事だが、話しつづけないとダメなのか?」
「それは違うけど。うーん。」

「俺が言えるのは、あまりしばられない方がいいかもしれない?俺が友達の意味がわからないように人によっても違うかもしれない。」
 そっか。
 確かに話せたら友達だって人もいるかも。

「でも、もっと話したい。どうしたら話せる?」
「そうだな。返事だけでなく質問をしてみるのが大事だと思う。練習するか」
「うん!
 ユウは立ち上がると、私と同じくらいの身長になった。

「ちょっと練習したんだ。」
「す、すごいね」
 実際に学校にいる人mたい。

「まずは相手の話をよく聞く。そっから掘り下げるんだ。例えば、俺は今日オレンジを食べた。といったらどう返す?」
「えーと、美味しそうだね?とか」

「それを質問にするんだ。まずは美味しかった?とかでいい。とりあえず、自分でえ会話のボールを持ったままにしないのが良いと思う」
「分かった。」
 ユウはお母さんが帰ってくるまで練習してくれた。
 何度間違えてもユウは優しく見守ってくれる。

「……決めた。」
「何をだ?」
「私、もっと練習してユウの元に友達を連れてくる」
 そう言うと、ユウはクスッと笑った。

「まずはそこからだな」


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