【完結】ヒロインに婚約者を攻略して欲しかったのですが断られてしまいました

Debby

文字の大きさ
4 / 26

4 ヒロインに正式に断られました

しおりを挟む
シャルロットは王太子殿下と上手くいっていると思っていたのに、ヒロインを探していた理由が私同様殿下を攻略してもらうためと聞いて驚いてしまった。

「私は商会を立ち上げて良い品を探し、異世界中を旅するのが夢なのですわ。それにね、どうしても──王太子殿下とは・・・合わないのです」
遠い目をしてシャロットは言う。

公式行事の時など一緒にいるのを見たことがあるけれど、私達と違って、とても不仲には見えなかった。
どちらかと言うと殿下はシャルロットに好意を持っていることが漏れ出ているように感じたが、対外的な演技だったのだろうか。

「要はお二人とも面倒臭いことは『ひろいん』らしい私に押し付けて、遊んで暮らそうと言う算段だったわけですか」
読んでいた本から顔を上げ、ミルクさんが呆れたように言う。

「そんなつもりはなかったのですけれど・・・。物語ではヒロインさんはどちらの殿下のことも同じくらい好きだから選べないって設定だったものですから・・・もし、よろしければと思いまして・・・」

「だから、ちょっと誘導して第二王子殿下と幸せになって頂こうかと思ったのよ。お二人とも金髪碧眼、美丈夫で人気がお有りですし、王太子殿下は一昨年学園を卒業され現在は政策に、第二王子殿下も勉学は勿論昔から剣術や体術にも力を入れておられて、共に優秀な方なのよ」

「無理強いするつもりはないのですが、王太子殿下はお優しい方でしてよ。きっと幸せになれますわ」

あら、シャルロットまだ諦めていなかったようですわね。
そんな私たちを見てミルクさんが本をテーブルに置き、ため息を付いて言った。

「とにかく私は子爵家の貧乏脱却と領地の建て直しのため王宮文官を目指しています。キラキラ王子はお呼びではないのですよ。私にだって描いている未来くらいあるんですよ」

そう言って、その外見からは想像も出来ない力強さで、真っ直ぐ私たちを見て臆することなくミルクさんが宣言した。

「──それに、私の幸せは私が決めますから」

物語の中の殿下方もミルクさんのこういった所に惹かれたのかしら。
イメージと多少?違っても、やっぱりあなたはヒロインなのね。
そうね、私達はヒロインに丸投げすることしか考えていなかったけど、思い描いた未来をしっかり見据えている──そんなミルクさんがとても眩しく見えた。



結局私達二人はミルクさんヒロインに殿下達を任せるのを諦めたのだけれど、いつも一線引かれてしまう私達と普通に接してくれる彼女が気に入ってしまい、時間が合えば三人で読書室に集まって勉強にお茶、今後の方針の相談等をしている。

よくミルクさんが受け入れましたね、ですか?
勿論はじめは断られましたよ。

「他の令嬢達を差し置いて、たかが子爵令嬢の私がお二人と仲良くできるわけないでしょう。反感買いますよ。そんな高く付きそうな買い物、頼まれたってごめんです。それに私は勉強がしたいんです」
なんてミルクさんが言うものだから。

こう言っては何ですが私たち二人とも優秀なのです。
なんと言ってもこの国最高峰の王(太)子妃教育教育を受けていますもの。そして王宮のことにも詳しい──そんな私たちとお勉強しませんかと言えば、王宮文官を目指すミルクさんに否やは無いようでしたわ。──ふふっ。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

殿下、私以外の誰かを愛してください。

ハチワレ
恋愛
公爵令嬢ラブリーは、第一王子クロードを誰よりも愛していました。しかし、自分の愛が重すぎて殿下の負担になっている(と勘違いした)彼女は、愛する殿下を自由にするため、あえて「悪役令嬢」として振る舞い、円満に婚約破棄されるという前代未聞の計画を立てる。協力者として男爵令嬢ミリーを「ヒロイン役」に任命し、準備は整った。

白い結婚をご希望ですか? 良いですよ。私はジャガイモと筋肉を育てますので!

松本雀
恋愛
「……いいか、エルゼ。あらかじめ言っておくが、私は君を愛するつもりはない」 「願ったり叶ったりです! 実は私、国境警備隊に幼馴染の恋人がいまして。この結婚が決まった時、二人で『体は売っても心は売らない』って涙ながらに誓い合ったんです。閣下が愛してくださらないなら、私の貞操も守られます! ありがとうございます、公爵閣下!」 「……こいびと?」 ◆ 「君を愛するつもりはない」 冷徹な公爵ギルベルトが新婚初夜に放った非情な宣告。しかし、新妻エルゼの反応は意外なものだった。 「よかった! 実は私、国境警備隊に恋人がいるんです!」 利害が一致したとばかりに秒速で就寝するエルゼ。彼女の目的は、愛なき結婚生活を隠れ蓑に、恋人への想いを込めた「究極のジャガイモ」を育てることだった! 公爵家の庭園を勝手に耕し、プロテインを肥料にするエルゼに、最初は呆れていたギルベルト。だが、彼女のあまりにフリーダムな振る舞いと、恋人への一途(?)な情熱を目の当たりにするうち、冷徹だった彼の心(と筋肉)に異変が起き始めて……!?

永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる

鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳―― それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。 公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。 だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、 王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。 政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。 紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが―― 魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、 まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。 「……私が女王? 冗談じゃないわ」 回避策として動いたはずが、 誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。 しかも彼は、 幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた―― 年を取らぬ姿のままで。 永遠に老いない少女と、 彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。 王妃になどなる気はない。 けれど、逃げ続けることももうできない。 これは、 歴史の影に生きてきた少女が、 はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。 ざまぁも陰謀も押し付けない。 それでも―― この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。

婚約破棄だ!と言われ実家に帰ったら、最推しに餌付けされます

黒猫かの
恋愛
王国の第一王子クレイスから、衆人環視の中 で婚約破棄を言い渡されたローゼン侯爵令嬢ノエル。

当て馬令嬢は自由を謳歌したい〜冷酷王子への愛をゴミ箱に捨てて隣国へ脱走したら、なぜか奈落の底まで追いかけられそうです〜

平山和人
恋愛
公爵令嬢エルナは、熱烈に追いかけていた第一王子シオンに冷たくあしらわれ、挙句の果てに「婚約者候補の中で、お前が一番あり得ない」と吐き捨てられた衝撃で前世の記憶を取り戻す。 そこは乙女ゲームの世界で、エルナは婚約者選別会でヒロインに嫌がらせをした末に処刑される悪役令嬢だった。 「死ぬのも王子も、もう真っ平ご免です!」 エルナは即座に婚約者候補を辞退。目立たぬよう、地味な領地でひっそり暮らす準備を始める。しかし、今までエルナを蔑んでいたはずのシオンが、なぜか彼女を執拗に追い回し始め……? 「逃げられると思うなよ。お前を俺の隣以外に置くつもりはない」 「いや、記憶にあるキャラ変が激しすぎませんか!?」

P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ

汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。 ※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

【完結】ど近眼悪役令嬢に転生しました。言っておきますが、眼鏡は顔の一部ですから!

As-me.com
恋愛
 完結しました。 説明しよう。私ことアリアーティア・ローランスは超絶ど近眼の悪役令嬢である……。  気が付いたらファンタジー系ライトノベル≪君の瞳に恋したボク≫の悪役令嬢に転生していたアリアーティア。  原作悪役令嬢には、超絶ど近眼なのにそれを隠して奮闘していたがあらゆることが裏目に出てしまい最後はお約束のように酷い断罪をされる結末が待っていた。  えぇぇぇっ?!それって私の未来なの?!  腹黒最低王子の婚約者になるのも、訳ありヒロインをいじめた罪で死刑になるのも、絶体に嫌だ!  私の視力と明るい未来を守るため、瓶底眼鏡を離さないんだから!  眼鏡は顔の一部です! ※この話は短編≪ど近眼悪役令嬢に転生したので意地でも眼鏡を離さない!≫の連載版です。 基本のストーリーはそのままですが、後半が他サイトに掲載しているのとは少し違うバージョンになりますのでタイトルも変えてあります。 途中まで恋愛タグは迷子です。

処理中です...