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4ヒロインに正式に断られました
しおりを挟むシャルロットは王太子殿下と上手くいっていると思っていたのに、ヒロインを探していた理由が私同様殿下を攻略してもらうためと聞いて驚いてしまった。
「私は商会を立ち上げて、良い品を探して異世界中を旅するのが夢なのよ。それにどうしても・・・王太子殿下と・・・合わないのよ」
遠い目をしてシャロットが言う。
イベントの時など一緒にいるのを見たことがあるけれどとても不仲には見えなかった。どちらかと言うと殿下はシャルロットに好意を持っていることが漏れ出ているようだったが対外的な演技だったのだろうか。
「要はお二人とも面倒臭いことは『ひろいん』らしい私に押し付けて遊んで暮らそうと言う算段だったわけですか」
読んでいた本から顔を上げ、ミルクさんが呆れたように言う。
「そんなつもりはないわよ。物語ではヒロインはどちらの殿下のことも同じくらい好きだから選べないって設定だったもの」
「だから、ちょっと誘導して第二王子殿下(王太子殿下)と幸せになってもらおうかなと思ったのよ。お二人とも金髪碧眼、美丈夫で人気がお有りですし、王太子殿下は一昨年学園を卒業され現在は政策に、第二王子殿下は昔から剣術や体術にも力を入れられている共に優秀な方よ」
「似ているけれどタイプが全く違うのよね」
ミルクさんがため息を付いて言った。
「とにかく私は子爵家の貧乏脱却と領地の建て直しのため王宮文官を目指しています。キラキラ王子はお呼びではないのですよ。私にだって描いている未来くらいあるんです。
それに、私の幸せは私が決めますから」
その外見からは想像も出来ない力強さで、真っ直ぐ私達を見てミルクさんがそう宣言した。
やっぱりあなたはヒロインなのね。
ミルクさんがとても眩しく見えました。
結局私達二人はミルクさんに殿下達を任せるのを諦めたのだけれど、いつも一線引かれてしまう私達と普通に接してくれる彼女が気に入ってしまい今日も三人で読書室に集まって勉強にお茶、今後の方針の相談等をしている。
ミルクさんが良く受け入れましたね、ですか?
勿論はじめは断られましたよ。
「他の令嬢達を差し置いて、たかが子爵令嬢の私がお二人と仲良くできるわけないでしょう。反感買いますよ。そんな高く付きそうな買い物、頼まれたってごめんです。それに私は勉強がしたいのですよ」
なんてミルクさんが言うものだから。
こう言っては何ですが私達二人とも優秀なのです。
なんと言ってもこの国最高峰の教育を受けていますもの。そして王宮のことにも詳しい──そんな私たちとお勉強しませんかと言えば、王宮文官を目指すミルクさんに否やは無いようですわ。──ふふっ。
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