1 / 17
辺境伯の秘すべき初恋
しおりを挟む
わたしは子供の頃、辺境伯である父に連れられ、この国の王太子である、生まれたばかりと言っても過言ではない赤子の結婚式に参席した。
子供であるわたしには、退屈なだけだったが、それを表に出している令息は誰1人としていない。
そんな時、盛大な音楽と共に入場して来た少女の姿に目を奪われた。
おっとりとして柔らかな面立ち、垂れ目で大きな瞳が印象的だった。
優雅に紅いカーペットの上を歩いて通り過ぎて行く。わたしよりも幼い小さな少女。
赤子の王子の隣でスカートを摘み即位の礼をする幼き少女に注がれている数多の視線。嫉妬、哀れみ、羨望、様々な感情を小さな身体で一手に受け止めている中で、柔らかく穏やかな笑みを浮かべている姿に、ただ見惚れていた。
(柔らかそうなのに、ひっそりと芯もありそうで。
何より、凄く可愛い…。)
女の子にそう思ったのは、初めての事だった。
ーーーーー
ーーーーーーーー
あれから13年あまりの月日が流れた頃。わたしは、周囲から〝人当たりよく優しい〟と評価される無難な貴族に成長していた。
わたしの名は、ヴォーレン・バウセラム
ミストロイヤ辺境伯として参加した社交界はある噂で持ちきりだった。
あの時の幼い少女、マーガレット王子妃と、王子殿下が離縁される事となったとか。
「聞いたか、ヴォーレン。」
「聞いたよ。皆挨拶のついでにその話をしていく。よく飽きないな。」
「この件、マーガレット様だけが割りを食うらしいぞ。マーガレット様のご実家は今まで通り、陛下の後継者として王子を支えるとお約束したそうだ。
もう、長年のよしみであるから息子同然なんだと。
それじゃあマーガレット様は立場が無いよな。何の為に嫁がされたのか…可哀想に。」
「マーガレット妃殿下がそれを望んだと聞いているが。なら可哀想ではないだろ。望みを叶えて貰ったのだから。」
「それ、何処まで本当かわからんぞ。
本当だとしても、マーガレット様の立場では強がるしか無いだろう?
きっと心の中では王子と次期妃を呪っているよ。
どの道、離縁された元王子妃って言うのは扱いに困るからな…
地位も無くして、女の幸せも望み薄となると…。お気の毒でならんよ。」
いつもは他人事のように聞き流す社交界での噂話、事実に脚色を加えて広まったそれは、人の様々な感情を乗せている。
勝手に哀れな王子妃を語り継ぐ友人に、心が騒めく。この場に長居する気が起きずに、軽くあしらってその場を後にした。
(…?不快…だったのか?こんな事は、初めてだ。)
人混みを避ける為に、適当な庭園へと歩みを進めた。
風が、花弁を舞い散らせ、葉音を鳴らすその先に居たのは、渦中の人物だと直ぐに気が付いた。
何処となく、憂いを帯びてはいるが、あの日見たままの穏やかな表情だった。
そして、先程知人が言った『きっと心の中では王子と次期妃を呪っているよ。』と言う言葉が蘇った。
わたしは、知っている。
彼女が如何に王子を大事にして慈しみ支えて来たのか。
遠目から、見たことがある。
膝で眠る幼い王子を見つめる目に慈愛を宿し、その子を守る様に奏でていた子守歌の美しい旋律を。
(あの人が、王子を呪う事は一生ないだろう。王子に何かしらの感情を抱くとすれば、この先にある王子の幸せを願っている。
ただ、それのみだ。)
対話らしい対話などした事はない。
けれど、13年前、少女を初めて見た時と変わらぬ穏やかな表情を見てそう思った。
色々と思い出しながら、庭園の椅子に腰掛けている王子妃を、ボンヤリと見つめていると、垂れ目がちの大きな瞳から、一筋流れ出た涙を見た。
わたしは思わず一歩踏み出して、そのまま近くに歩みを進めた。
『マーガレット妃殿下と王子殿下が離縁されるらしい…。』
知人の言葉が頭を過ぎる。
今まで、遠目から見ていたと言うのに。
この時湧き出した、わたしの中に秘めて来た筈の想いを、浅ましいと言う者も居るだろう。卑怯だと言う者も居るだろうし、今までずっと当たり障り無く貴族をして来たわたしを知る者が見たら、この行動には、心底驚くだろう。
「妃殿下。」
「!…っ」
わたしの登場に、目の前に居る妃殿下は涙を見られたと慌てていた。
遠目からでは見ることの出来なかった表情。
ずっと、この人と話がしたいと思っていた。けれど一目見たその時から、話をしてしまったら不味いとも思っていた。
この心に宿ってしまった物を。
いつかは無くさなければと思い、関わらない事で何とか足掻いてきた。
それが出来なければ、一生秘めて居なくてはならないと。思っていた。
幼き少女を一目見たその時から、わたしはいつも、何処かに彼女の姿を探していた。
認めよう、この時わたしは、降って湧いたチャンスを逃すまいと、理性が欠如していた。
「わたしの名は、ヴォーレン・バウセラムと申します。」
「あ…あの。」
妃殿下は〝違うのです。〟と、涙の弁明をしようとして顔を覆ってしまった。
その妃殿下の身手を片方、己の手に取って、片膝をついた。
「離縁成立後、わたしの元へ。来てもらえませんか?」
「……。?」
「………。」
(やってしまった。最悪だ。)
2人の間に漂う沈黙に、辺境伯の心は大量な汗を噴き出した。
(……。だが…)
大きな瞳に溜まった涙がピタリと止まっている。
驚いた事で、大きな瞳が更にぱっちり見開かれている。
大衆に向けられていた彼女の視線は今、わたしだけを写している。
「……っ。だ、大事に致します。何処のご婦人よりも貴方を幸せに…大切に致します。」
(ダメだ。まともに話をした事もない男がこんな事を急に言っても。
相手にされる訳がない。というか普通に引かれる…。
今すぐ引き返して初めからやり直したい。
だが、離縁まで待ったり、ゆっくりしていたら他に取られるかもしれない。
それに、こんな機会もうないかもと思うと……。)
「……ふっ。」
「…ふ?」
「あ、違うのです。あの、笑った訳では無いのですが、貴方が余りにも真っ赤になって必死なものですから…。
…いぇ、笑った…のでしょうか。ごめんなさい。」
「いえ…引かれてしまうかと思ったので。寧ろ笑っていただけて安堵しました。」
「引くなんて。辺境伯様は、噂を聞いて私を慰めてくださったのでしょう?」
「えっ。」
「とても、お優しいのですね。
有難うございます。貴方の優しさに、勇気付けられました。」
(…そう言う、捉え方をされたか。
確かに、急に必死なプロポーズをする者がいたら、正気を疑うか冗談か励ましと捉えるだろう。
至って正気で真面目な結婚の申し込みなんだが。)
先程まで憂いのある表情をしていたのが、笑顔になったのを見て、今日はこれで良いかと思えてきた。
好印象は抱いて貰えたようだし。
無から好印象。わたしにしては大きな進歩だ。
子供であるわたしには、退屈なだけだったが、それを表に出している令息は誰1人としていない。
そんな時、盛大な音楽と共に入場して来た少女の姿に目を奪われた。
おっとりとして柔らかな面立ち、垂れ目で大きな瞳が印象的だった。
優雅に紅いカーペットの上を歩いて通り過ぎて行く。わたしよりも幼い小さな少女。
赤子の王子の隣でスカートを摘み即位の礼をする幼き少女に注がれている数多の視線。嫉妬、哀れみ、羨望、様々な感情を小さな身体で一手に受け止めている中で、柔らかく穏やかな笑みを浮かべている姿に、ただ見惚れていた。
(柔らかそうなのに、ひっそりと芯もありそうで。
何より、凄く可愛い…。)
女の子にそう思ったのは、初めての事だった。
ーーーーー
ーーーーーーーー
あれから13年あまりの月日が流れた頃。わたしは、周囲から〝人当たりよく優しい〟と評価される無難な貴族に成長していた。
わたしの名は、ヴォーレン・バウセラム
ミストロイヤ辺境伯として参加した社交界はある噂で持ちきりだった。
あの時の幼い少女、マーガレット王子妃と、王子殿下が離縁される事となったとか。
「聞いたか、ヴォーレン。」
「聞いたよ。皆挨拶のついでにその話をしていく。よく飽きないな。」
「この件、マーガレット様だけが割りを食うらしいぞ。マーガレット様のご実家は今まで通り、陛下の後継者として王子を支えるとお約束したそうだ。
もう、長年のよしみであるから息子同然なんだと。
それじゃあマーガレット様は立場が無いよな。何の為に嫁がされたのか…可哀想に。」
「マーガレット妃殿下がそれを望んだと聞いているが。なら可哀想ではないだろ。望みを叶えて貰ったのだから。」
「それ、何処まで本当かわからんぞ。
本当だとしても、マーガレット様の立場では強がるしか無いだろう?
きっと心の中では王子と次期妃を呪っているよ。
どの道、離縁された元王子妃って言うのは扱いに困るからな…
地位も無くして、女の幸せも望み薄となると…。お気の毒でならんよ。」
いつもは他人事のように聞き流す社交界での噂話、事実に脚色を加えて広まったそれは、人の様々な感情を乗せている。
勝手に哀れな王子妃を語り継ぐ友人に、心が騒めく。この場に長居する気が起きずに、軽くあしらってその場を後にした。
(…?不快…だったのか?こんな事は、初めてだ。)
人混みを避ける為に、適当な庭園へと歩みを進めた。
風が、花弁を舞い散らせ、葉音を鳴らすその先に居たのは、渦中の人物だと直ぐに気が付いた。
何処となく、憂いを帯びてはいるが、あの日見たままの穏やかな表情だった。
そして、先程知人が言った『きっと心の中では王子と次期妃を呪っているよ。』と言う言葉が蘇った。
わたしは、知っている。
彼女が如何に王子を大事にして慈しみ支えて来たのか。
遠目から、見たことがある。
膝で眠る幼い王子を見つめる目に慈愛を宿し、その子を守る様に奏でていた子守歌の美しい旋律を。
(あの人が、王子を呪う事は一生ないだろう。王子に何かしらの感情を抱くとすれば、この先にある王子の幸せを願っている。
ただ、それのみだ。)
対話らしい対話などした事はない。
けれど、13年前、少女を初めて見た時と変わらぬ穏やかな表情を見てそう思った。
色々と思い出しながら、庭園の椅子に腰掛けている王子妃を、ボンヤリと見つめていると、垂れ目がちの大きな瞳から、一筋流れ出た涙を見た。
わたしは思わず一歩踏み出して、そのまま近くに歩みを進めた。
『マーガレット妃殿下と王子殿下が離縁されるらしい…。』
知人の言葉が頭を過ぎる。
今まで、遠目から見ていたと言うのに。
この時湧き出した、わたしの中に秘めて来た筈の想いを、浅ましいと言う者も居るだろう。卑怯だと言う者も居るだろうし、今までずっと当たり障り無く貴族をして来たわたしを知る者が見たら、この行動には、心底驚くだろう。
「妃殿下。」
「!…っ」
わたしの登場に、目の前に居る妃殿下は涙を見られたと慌てていた。
遠目からでは見ることの出来なかった表情。
ずっと、この人と話がしたいと思っていた。けれど一目見たその時から、話をしてしまったら不味いとも思っていた。
この心に宿ってしまった物を。
いつかは無くさなければと思い、関わらない事で何とか足掻いてきた。
それが出来なければ、一生秘めて居なくてはならないと。思っていた。
幼き少女を一目見たその時から、わたしはいつも、何処かに彼女の姿を探していた。
認めよう、この時わたしは、降って湧いたチャンスを逃すまいと、理性が欠如していた。
「わたしの名は、ヴォーレン・バウセラムと申します。」
「あ…あの。」
妃殿下は〝違うのです。〟と、涙の弁明をしようとして顔を覆ってしまった。
その妃殿下の身手を片方、己の手に取って、片膝をついた。
「離縁成立後、わたしの元へ。来てもらえませんか?」
「……。?」
「………。」
(やってしまった。最悪だ。)
2人の間に漂う沈黙に、辺境伯の心は大量な汗を噴き出した。
(……。だが…)
大きな瞳に溜まった涙がピタリと止まっている。
驚いた事で、大きな瞳が更にぱっちり見開かれている。
大衆に向けられていた彼女の視線は今、わたしだけを写している。
「……っ。だ、大事に致します。何処のご婦人よりも貴方を幸せに…大切に致します。」
(ダメだ。まともに話をした事もない男がこんな事を急に言っても。
相手にされる訳がない。というか普通に引かれる…。
今すぐ引き返して初めからやり直したい。
だが、離縁まで待ったり、ゆっくりしていたら他に取られるかもしれない。
それに、こんな機会もうないかもと思うと……。)
「……ふっ。」
「…ふ?」
「あ、違うのです。あの、笑った訳では無いのですが、貴方が余りにも真っ赤になって必死なものですから…。
…いぇ、笑った…のでしょうか。ごめんなさい。」
「いえ…引かれてしまうかと思ったので。寧ろ笑っていただけて安堵しました。」
「引くなんて。辺境伯様は、噂を聞いて私を慰めてくださったのでしょう?」
「えっ。」
「とても、お優しいのですね。
有難うございます。貴方の優しさに、勇気付けられました。」
(…そう言う、捉え方をされたか。
確かに、急に必死なプロポーズをする者がいたら、正気を疑うか冗談か励ましと捉えるだろう。
至って正気で真面目な結婚の申し込みなんだが。)
先程まで憂いのある表情をしていたのが、笑顔になったのを見て、今日はこれで良いかと思えてきた。
好印象は抱いて貰えたようだし。
無から好印象。わたしにしては大きな進歩だ。
0
お気に入りに追加
1,026
あなたにおすすめの小説
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
弟王子に狙われました
砂月美乃
恋愛
社交界の薔薇、結婚したい女性ナンバーワンのマリレーヌは、今日も求婚をお断りしたばかり。そんな彼女に声をかけたのは、かつて一緒に遊んだ第三王子のクリス。四つ年下で未だ成人前、大好きだけど弟にしか思えない。
ところがクリスは予想外にグイグイ迫ってきて……!?
「ヒミツの恋愛遊戯」シリーズその③、クリス編です。シリーズのキャラクターも登場しますが、本作だけでもお読みいただけます。ムーンライトノベルズさんで完結済です。
(完結)嫌われ妻は前世を思い出す(全5話)
青空一夏
恋愛
私は、愛馬から落馬して、前世を思いだしてしまう。前世の私は、日本という国で高校生になったばかりだった。そして、ここは、明らかに日本ではない。目覚めた部屋は豪華すぎて、西洋の中世の時代の侍女の服装の女性が入って来て私を「王女様」と呼んだ。
さらに、綺麗な男性は、私の夫だという。しかも、私とその夫とは、どうやら嫌いあっていたようだ。
些細な誤解がきっかけで、素直になれない夫婦が仲良しになっていくだけのお話。
嫌われ妻が、前世の記憶を取り戻して、冷え切った夫婦仲が改善していく様子を描くよくある設定の物語です。※ざまぁ、残酷シーンはありません。ほのぼの系。
※フリー画像を使用しています。
【R-18】嫁ぎ相手は氷の鬼畜王子と聞いていたのですが……?【完結】
千紘コウ
恋愛
公爵令嬢のブランシュはその性格の悪さから“冷血令嬢”と呼ばれている。そんなブランシュに縁談が届く。相手は“氷の鬼畜王子”との二つ名がある隣国の王太子フェリクス。
──S気の強い公爵令嬢が隣国のMっぽい鬼畜王子(疑惑)に嫁いでアレコレするけど勝てる気がしない話。
【注】女性主導でヒーローに乳○責めや自○強制、手○キする描写が2〜3話に集中しているので苦手な方はご自衛ください。挿入シーンは一瞬。
※4話以降ギャグコメディ調強め
※他サイトにも掲載(こちらに掲載の分は少しだけ加筆修正等しています)、全8話(後日談含む)
大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます
スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!?
「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!!
『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。
・R18描写のある話には※を付けています。
・別サイトにも掲載しています。
婚前レスの王子に真実の姿をさらけ出す薬を飲ませたら――オオカミだったんですか?
梅乃なごみ
恋愛
犬国の第二王子・グレッグとの結婚目前。
猫国の姫・メアリーは進展しない関係に不安を抱えていた。
――妃に相応しくないのであれば、せめてはっきりと婚約破棄を告げて欲しい。
手に入れた『真の姿をさらけ出す薬』をこっそり王子に飲ませ、本音を聞こうとしたところ……
まさか王子がオオカミだったなんて――。
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
他サイトからの転載です。
こっそり片想いしていた敵将の妻になれましたが、私とはデキないと言われました。
野地マルテ
恋愛
【R18】亡国の第八王女イムリタは、敵国の若き将軍アーロックの戦果の褒賞として嫁ぐ事になった。イムリタは約一年にも及ぶ捕虜生活でアーロックとは顔見知りだったが、彼が自分のことをどう思っているのか不安に感じていた。イムリタは、言葉数は少ないが、いつも礼儀正しいアーロックに好意を抱いていたのである。しかし初夜の晩、アーロックはイムリタにこう言った。「貴女とはできません」と。イムリタはショックを受けるが、落ち込んでいても仕方ないとすぐに気持ちを切り替え、妻としての役目をなんとか全うしようと明るく頑張るのであった。
◆全体的にR18表現を含みますが、特に強い性描写のある回には見出しに※をつけています。
◆ご感想はコチラまでお願い致します。
▼Web拍手へのアクセス方法(感想の送り方)
【アプリ】マルティン三行のプロフィールページからWebサイトへ飛ぶ。
【本サイト】マルティン三行のページへ入り、メニューアイコンからWebサイト(青いボックス)をタップする。
オオカミの旦那様、もう一度抱いていただけませんか
梅乃なごみ
恋愛
犬族(オオカミ)の第二王子・グレッグと結婚し3年。
猫族のメアリーは可愛い息子を出産した際に獣人から《ヒト》となった。
耳と尻尾以外がなくなって以来、夫はメアリーに触れず、結婚前と同様キス止まりに。
募った想いを胸にひとりでシていたメアリーの元に現れたのは、遠征中で帰ってくるはずのない夫で……!?
《婚前レスの王子に真実の姿をさらけ出す薬を飲ませたら――オオカミだったんですか?》の番外編です。
この話単体でも読めます。
ひたすららぶらぶいちゃいちゃえっちする話。9割えっちしてます。
全8話の完結投稿です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる