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第1章

皇太子の婚活に励もうと思います

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 あれから数日、あっという間に時が流れた。
 色々あったが、後回しにしていた未来の公開処刑回避の為、聖女出現前に離縁する活動再開しようと思う。

 まずは皇太子の後添い探しをそろそろ開催しようと思ったテリアは、皇太子に直接聴取する事にした。

「ねぇねぇ、カルロ皇太子。今暇でしょ?」

 執務室に顔を出したテリアを見て、手に持っていた書類を置く。

 「今から休憩だな。なんだよ?」
「じゃあさ、前にした約束、そろそろ私達で作戦決めようと思うの!」
「何か約束したか?」

  やだ、時が経ちすぎて忘れていらっしゃるわ。

「初夜に約束したじゃない!」

 おっきな声でテリアがそう言うと、近くに居たスピアが気を利かせて「お飲み物をお持ちしますね。」と言って退散した。

「全く覚えてない。」

「貴方の後ろ盾になる家柄の令嬢との再婚話よ!私探すのに協力すると言ったでしょ?」

「あー…。そんな話も、あったな。」
「あったなって、あんな必死に語っておいて。全く…そう言う訳で打ち合わせに来たのよ。」

 ノートを広げて意気込むテリアとは対照的に、カルロの覇気はない。

「…俺今そんな時間ないんだよな。」
「いや、時間割くべき重要案件でしょう。これ以上ない。」

 カルロとアリスティナの為にも、聖女が現れるまでの皇太子妃は、ある程度王宮で影響力を持つ地位のある者であるべきだ。
 そうしたら、妹のように理不尽な処刑もなかったと思うし。
 
「取り敢えず、良いと思う家柄のご令嬢をね、3人見繕ってみたの。
どう?」

  絵姿を3つ差し出して並べる。この3つは家柄だけで選ぶなら1番良いところだ。それぞれ王宮で影響力のある3代公爵家で未婚のご令嬢。

「…これ、おまえが選んだのか?」

「いーえ!私は王宮の難しい事わからないから、アレンとユラに調査してもらった結果よ!」

「…そういや、おまえのアレンって執事さ。」
「うん。」
「皇太子付の執事にしてやるって言ってんのに断ってんだけど。もしかして、おまえあいつと……でき…」
「…でき?」

  何かを言いかけて、もにょる皇太子にテリアが首を傾げた。
 そして事の大きさに気が付いた。

「いや、ていうか何、人の執事勝手に引き抜こうとしてるんですか!」
「あんな若いの執事につける皇太子妃なんかいるか!周りに何て言われるか…」
「どうせ離縁するんだから、周りなんかどーっだっていいですよね?今度そんな事したら怒りますよ!何も協力しませんからね!」

 あーもう!人が協力してやろうと思っているのにとんだ裏切りが発覚した!

 やっぱり油断ならないわ、この皇太子。先日は気を利かせてサンドイッチとかくれたから、ちょっと絆されちゃったけどね。

 スピアがコーヒーを持ってきてくれたけれど、入れ違いにテリアは怒って執務室を出て行った。

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