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第1章
義妹とお出掛けする事にしました4
しおりを挟む身支度が出来たアリスティナをユラが車椅子に乗せて押す事に、非常用に考えられる荷物はアレンが持つことになった。
「準備は出来たわね!
じゃあまずは、カルロ皇太子に行ってきますって言ってこよう。」
意気込んでゆくテリアの背中を、アレンは引っ張る。
「初っ端から外出失敗したいのですか?」
「だって急に王宮からアリスティナ姫居なくなったら、何だか可哀想じゃない。
きっと凄く心配するわよ。」
話に聞くだけでも、取り敢えずカルロがアリスティナを溺愛してるのはわかった。
病弱な妹が急に居なくなったら、心臓潰れるくらいに心配するのではないだろうか。
それに…ぁあは言ったものの、確かに外出先で万一の事が無いわけではない。
「…ダメだと言われたらどうするんですか?」
「パターンは3つね。説得する。皇太子も仲間に入れて外出する。
それも聞き入れないならアレンが戦ってのした後に外出ね。アレンの方がカルロ皇太子より強いし。」
「…テリアお嬢様、わたしに死ねと言っているのですか?」
「いいえ、冗談よ。
…でも、きっとカルロ皇太子は最後に良いと言ってくれると思うのよね……ー多分。」
前からきっと、外出したいと言う話は聞いていた筈だ。
そして、自分の死期を悟れるアリスティナ姫が、カルロに何も話して居なかったかと言うと、それは無いだろう。
まだ友達歴1ヶ月の私にも遺言残していく位だし。
それを踏まえると、皇太子がこの話をむげにするとも思えなかった。
アレンの諦めが入った声色で、質問がきた。
「何処にいらっしゃるか、心当たりあるんですか?」
「そうねぇ…。」
少し頭を悩ませていると、足元に居た猫が、〝自分わかる〟と言うように、数歩進んでテリア達をチラリと見る。
「よし、猫についていきましょう。」
「…もう好きにしてください。」
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