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第1章
朝の目覚めカルロ視点
しおりを挟むチュンチュン…
柔らかくてあったかい。フワフワしてるし良い匂いがする。俺は布団をぎゅうぎゅう抱きしめた。いつもの布団よりかなり心地よい
…
何でか久々に昨夜は深く寝れたのか…俺は。
目をうっすら開けると、そこには艶々の白磁のような肌をした綺麗な顔に、目を閉じてる事でピンクゴールドの長い睫毛がより強調されており、プルンとして仄かに赤い唇を薄く開いて、呑気に寝息をたてる無防備な寝顔が間近にあった。
横になっているせいで、白いネグリジェの中身が見えそうだ。
「……っ!」
さっき布団だと思ってぎゅうぎゅう抱きしめていたのはテリアだったことを認識すると、女性経験のないカルロは頭にカッと血が昇る。
一気に目が覚めたカルロは慌てて腕を引っ込める。
(何でこいつ此処に…っ。そういや、昨日初夜だったっけ?)
「え?何??もう朝?」
急に枕にしていたものが無くなって、テリアは目が覚めてしまった。
ゆっくりとその身を起こして目を擦っている。
ネグリジェのスカートが太腿の付け根まで捲れ上がって白い太腿が露わになっている事にも気付かずに、呑気に大きく伸びをして欠伸をしていた。
さっきの抱き心地がまだ鮮明で、心臓の音がうるさい。
(こいつ、見た目だけは本当良いんだよな…)
「おまえな、もうちょっと…」
「ん?うん…」
フワフワしている返答に、はぁっとため息をついた。
(目覚めが悪いのか、今何言っても無駄なやつだな。)
「…て、おい!何してんだおまえ!」
ネグリジェを脱ぎ始めたテリアに驚いて手を掴んだ。
「何って、着替え…」
「ここで脱ぐな!
おまえ、一応貴族出身だろーが!
いつも使用人にやらせてないのか!?」
(…下着が見えてしまった…。)
「んんん…朝から煩いなぁ、アレンは…はいはーい。」
「あ?」
(アレンって誰だよ。)
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